2006年05月02日

50年債そんなに需要はないだろう 利上げ局面で保険入るか?

 気になる社説を読売で見つけたので,今日はこれについて書いておこう。

(Mar/01/06 読売新聞社説より引用者による要点箇条書きにて引用開始)
[超長期国債]「金利上昇の衝撃が少しは和らぐ」

  • 長期金利が一時2%をつけるなど,上昇傾向を強めている。
  • 財務省は,償還期間の長い超長期債の発行を増やすことを考えている。金利がまだ低いうちに,20,30年債などの割合を増やしておけば,将来の利払い費を少しでも節約できる。
  • 日本では初めてとなる50年債の発行も検討中という。生命保険会社などに需要がある。
  • 今年度の新発国債は30兆円弱だ。さらに,償還期限が来て借り換える国債が約110兆円もあり,総額140兆円近い国債(財投債を除く)が発行される。
  • 10年債が24兆円,超長期債の20年債が約10兆円,30年債も2兆円を予定している。残り100兆円余りは中,短期国債だ。金利上昇の影響を受けやすい構成と言わざるを得ない。
  • 財務省は今年度予算で,国債の利払い費として8・6兆円を計上している。前提となる長期金利は2%だ。
  • 財務省の試算では,金利が1%上昇すると利払い費は初年度だけで1・6兆円増える。翌年度は2・8兆円,3年目には4兆円に拡大する。借換債の金利負担が年ごとに増すからだ。
  • そこで,超長期債が注目され始めた。仮に50年債が発行されても,利率は2・7〜2・8%程度と関係者は見る。この水準で金利が固定できれば,国も一息つける。
  • ただ,超長期国債の発行を増やしても利払い費の抑制効果は限定的だ。
  • 金利上昇の衝撃を避けるには,やはり国債残高を減らすのが一番だ。消費税率の早期引き上げなどで税収を確保し,財政再建を果たすのが最優先の課題である。
(引用終了)
 
 大企業の景気回復と世界的な金利上昇の影響で長期金利が上がってきています。昨年末時点で813兆円も国には借金がありますが(→ 財務省),予算ではさらに30兆円の国債を発行するだけではなく,国債754兆円のうちの110兆円が借換えを迎えます。そのうち100兆円を短期国債で借り換えるということは,来年また同じ問題に直面するわけで,完全な自転車操業に陥っていると言えるでしょう。そこで自転車をちょっとでもゆっくりこいでいられるように,財務省は50年債の発行を考えているとのこと。

 社説のとおり,50年ものデュレーションをポートフォリオの一角にしのばせることができるのは生保ぐらいでしょう。とはいえせいぜい30歳までの人間が終身保険に入るという場合のALM上の債券取得ぐらいしか僕には思い浮かびません。定期付き保険だって50年ってのはないでしょうし。だとしたら,需要は一部にはあっても期待できるほどはないんじゃないかなと思います。ま,保険屋の経営については僕も素人なので,実際はもっともっと需要があるのかもしれませんが。

 読売の社説も書いていて途中で気付いたのか,最終的には税収を確保して国債残高を減らせという,お決まりの結語となっています。それができないから次善策で小細工を弄しているわけですが,例えば残高を減らすと言っても利払い費の分8.6兆円を減らすというだけでもものすごい苦労がいります。詳しくはこのサイト(→ リンク)を読んでもらえばわかると思いますが,とにかく小泉将軍が社会保障を削りまくって新規国債をようやく30兆円以内に収めることができたというぐらい,何をどうしても普通のやり方では簡単に残高が減るようなことにはなりません。

 こうして理屈で考えると,インフレを起こして「実質的な」負担減少を狙うしかないところまで来ているんじゃないかと思います。ま,モラールハザードを惹起させちゃあいけませんから公式にそんなことを書くわけにもいきますまい。だから,どうしても消費税率を引き上げてとか,歳出を削減してとかいう議論しか公式にはできないのでしょう。

 と,まじめに考えるとこのような理屈にしかならないのですが,実はものすごく簡単に借金の残高を減らせる方法があります。もちろんそれは禁じ手でして,今それをやっちゃうと日本も悪の枢軸国の一員に名前を連ねてしまうことになりかねませんけど。言うまでもなくアメリカ国債の売却です。一部を売るだけでもずいぶん身軽になると思うんですけど,もう首相になれない候補者,例えば谷垣大臣とかやってくれないかな。

(追記)
 最後のは冗談ですよ。エネルギーと食糧を輸入に頼っているような国がそんなことしたら先の大戦の二の舞いになることは明らかなわけで,泣く泣く,というか最早観念するより他にはなく,日本人が倹約して貯めたお金をアメリカ様にどんどん貢いでいきましょう。
posted by 時をかける僧侶 at 19:07| 兵庫 ☁| Comment(0) | TrackBack(1) | 日本財政問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月30日

今でさえザルの検査を縮小し どこに向かうか狂牛の群れ

 あまりにも腹立たしいのでこの話題には極力触れたくないのですが,見逃せない動きが出てきた以上は無視するわけにもいきません。例によってアメリカのBSE対策です。

(Apr/29/06 YOMIURI ONLINEより引用開始)
【米がBSE検査体制大幅縮小,対象頭数10分の1に】
 マイク・ジョハンズ米農務長官は28日の記者会見で,米国内でのBSE(牛海綿状脳症)発生を受けて2004年6月に始めた米国産牛に対するBSE拡大検査を近く終了し,検査体制を大幅に縮小すると発表した。
 これまでの検査で「米国が極めて健全な飼育環境であることが分かった」ためとしている。農務省は今後,検査頭数を現在の10分の1程度の年間4万頭前後に削減して抽出検査を続ける方針だが,日本などから検査縮小を不安視する声も出そうだ。
 農務省はこれまでに,無作為抽出などで合計約70万頭を検査した。その結果,統計的に見て米国内で飼育されている約4200万頭のうち,BSE感染牛は「4〜7頭に過ぎない」と結論づけた。
 長官は,5月2日にスイス・ジュネーブで中川農相と会談することを明らかにした。日本に対しては,検査縮小に対する理解を求めるとともに,改めて米国産牛肉の早期輸入再開を求める考えを示した。
(引用終了)

 これまでに何度も怒りを通り越して呆れてきた僕ですが,まあこの記事を読んで呆れない日本人は誰一人いないと思いますね。特に最後の文章ね。日本の全頭検査を非科学的だの世界基準ではないだのとアメリカに尻尾振って国益を売り渡そうとしてきた読売新聞が,アメリカ側の数々の不手際の際にも売国言論をやめずに輸入再開をと叫んでいましたが,この記事が出た段階でも同じように吠える事ができるんでしょうかね。「統計という科学的な手法により安全性が立証された以上,日本はいつまでも輸入再開をためらうべきではない」とか社説で書くんですかねえ。日本で一番読まれている読売新聞こそ,きちんと「日本の」国益を考えてまともな主張をしてもらいたいもんです。

 同じ日にこんな記事もあったことを見逃してはいけません。

(Apr/29/06 共同通信より引用開始)
【米国産牛肉に骨混入 台湾,業者を輸出禁止】
 29日付の台湾紙,自由時報によると,台北国際空港で米国から輸入された3箱の牛肉(計約45キロ)に禁止された骨が混入しているのが見つかり,台湾当局は28日,輸出した米国の食肉加工業者タイソン・フレッシュ・ミーツのネブラスカ州の加工場に対し無期限の輸出禁止措置を取った。
 台湾当局は牛海綿状脳症(BSE)の感染を防ぐため,骨などの危険部位を取り除くよう米側に求めている。今回の事態を受け,米政府に輸出牛肉の管理強化を求めたが,全面的な輸入禁止は行わなかった。
 当局の対応について一部の立法委員(国会議員)からは「手ぬるい」として,全面禁止すべきだとの声も出ている。
(引用終了)

 日本だけじゃないわけです。いったい何例目ですかね。こういうことを平気でやり続けて,自己反省せずにごり押ししてくるってのは外交戦略上はあっぱれだとは思いますが,言うまでもなく日本はわざわざそんな愚論に耳を傾ける必要はありません。ただでさえ3兆円の軍事再編での支出が発生してしまうような事態になっているんだから(日本の新たな予算をドルに変えるので基軸通貨ドルをまたしても日本が守る役目をひきうけたわけ),これ以上アメリカに譲歩はいらんでしょう。こんなこと飲んでたら,次々とやってくるアメリカの要求,たとえばイランにも自衛隊派遣しないといけなくなるだろうし,アザデガン油田の開発も中止しないといけなくなるでしょう。だから今が大事。牛肉なんてイラン!と言ってやれ。

 蛇足。
 さっきもカッコ書きで書きましたが,日本は新たな財源で3兆円を調達(財務省は増税と言っている)してアメリカに渡すらしい。新聞などは算出根拠がわからんだのオープンでないだのと書いてますが,そんなのドルを支えるために日本にカネ出せって言ってるだけなんだから根拠も糞もあるわけがない。ウォンを釣り上げて韓国にワロス介入(注:2ch用語)でドル買いさせてきたのが不調になっており,中国の外貨準備高が異常なレベルに達した今,もはやドルを支えられるのは日本の円しかないんです。ここまで読まなきゃいけませんね。

 参考まで。
【何かおかしくはないか】(Apr/29/06 沖縄タイムス社説)
posted by 時をかける僧侶 at 21:16| 兵庫 | Comment(0) | TrackBack(1) | アメリカ産牛肉問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月28日

共謀罪どうしてニューズに出てこない?なぜ都合よくホリエが出るのよ

 なぜ昨日,マスコミがあんなに大騒ぎしてホリエモンの保釈を報じてたのかなあと思っていたら,やっぱり裏がありました。キーワードは「共謀罪」。

 新聞・テレビにしか情報を頼らない人にはほとんどなじみのない「共謀罪」ですが,それもそのはず,大手メディアは全くと言っていいほど「共謀罪」については報道してきませんでした。GoogleNewsなどで検索してみるとおわかりになると思いますが,これは事実です。インターネットや週刊誌・夕刊大衆紙などでは頻繁に紙面を賑わせていたこの話題,現代版治安維持法とも呼ばれるこの希代の悪法について,ではなぜ大手メディアは沈黙していたのか?

 政府の圧力でしょう。断定はできないですが,そうとしか思えません。内容を聞いたらほとんどの人がいぶかしがるであろう法案を,ろくすっぽ審議もされずに数の力で通そうとしているという事実がなぜ良心的な国民に伝わらないのかねえ。しかも法案の採決が本日28日に予定されていたというタイミングでホリエモンの保釈が決定!国民の注意をそらすためにまたしてもホリエモンがダシに使われたようです。これって何も関係がないわけがないでしょう。

 まともに論評するのも疲れますねえ。今日の法案提出は避けられたものの,近々また提出されるんでしょう。
【「共謀罪」法案、28日の採決取り下げ】(Apr/28/06 TBS)
 そうなったら賛成多数であっさりと参議院に送られて,またしてもあっさりと法案は可決されて即施行ってことになるかもしれません。その時点で政府の批判は一切できなくなるかもしれません。いよいよ日本も北朝鮮のような国に退化してきたようです。まともな民主主義の国で行われていることとは思えません。朝鮮総連とか創価学会とかを追い出すために使われる法案ならともかく,奴らが批判者を封じ込めるためにこの法案に賛成しているという動きには心底やばさを感じます。

 とりあえず明日の朝刊の社説で採り上げられるかどうかに注意しましょう。まったく触れられなかったら,大手メディアは完全にならず者たちの走狗に成り果てたのだと考えてさしつかえありません。南無阿弥陀仏・・・。
posted by 時をかける僧侶 at 23:23| 兵庫 | Comment(0) | TrackBack(0) | 時事問題あれこれ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月26日

銀行の二枚舌には気をつけろ 白と黒とは紙一重なり

 面白い記事を見つけたので,今日はこれを題材にしよう。

(Apr/19/06 日刊ゲンダイより引用開始)
【全銀協 我田引水の統計データ 日銀速報との違いは明らか】
 4月11、12日に発表された2つの金融データを見て、改めて大手銀行の“数字のマジック”に驚かされた。
 ひとつは全銀協発表の「全国銀行126行の預金・貸出金速報」(05年度末)で、もうひとつは日銀発表の「06年3月の貸出・資金吸収動向速報」である。一体どこがおかしいのか。
 全銀協は「銀行の貸出金が7年ぶりに増勢した」として、その根拠に次の数字を挙げている。05年末の貸出金残高は前年末比2.2%増の409兆3777億円、都銀6行では1.4%増の189兆9489億円と久々の貸出金増。この現象は「個人の住宅ローン需要への銀行の対応、企業向け資金需要に応えたもので景気回復の証しでもある」と胸を張っている。まるで貸し渋り、貸しはがし、強制的債権回収などなかったかのような書きぶりだ。
 ところが、全銀協の言い分は、はからずも翌日に発表された日銀速報でインチキぶりがばれた。速報の数字は全銀協発表とはまったく逆で、今3月の都銀6行の月中平均貸出金残高は208兆8300億円で、前年同月比1.1%減となっているのだ。速報値は直近の数値を取るのが常識だ。
「3月末のデータを使った日銀の速報値のほうが実態を表しています。全銀協が05年末の数字を引っ張り出して04年と比較するというのはどうか。自分たちの都合のいい数字を選んでいるとしか思えません」(証券アナリスト)
 発表した時期が日銀速報と一緒だったため、全銀協は恥をかいた。銀行の統計データは疑ってかかれということだ。
(引用終了)

 僕も銀行にいた人間なので手口はよくわかります(苦笑)。統計なんてそんなもんです。数学的に間違った事を発表するのは罪ですが,勘違いしやすい事実を発表して煙に巻くというのは常套手段。騙される方が悪いという理屈です。でもこれをやっちゃってバレたとき,つまり今回この記事のように指摘されちゃった場合,意図を見透かされて大恥をかくことにもなります。あとでどんな言い訳をしてもね,見苦しいだけになってしまう。

 記事で触れられているように,12月末では前年比プラス,3月末ではマイナスだったのを,全銀協は貸し渋りとか儲けすぎ批判とかをかわすためにわざわざ12月末データでプラスを強調しました。公的資金という名の税金を投入してもらって命からがら態勢を立て直した銀行のほとんどは,税金投入の交換条件だった貸出残高増加を達成できないまま今日に至り,それでいてシレっとした顔で公的資金を国に返し(全額ではないですが),預金者から金利・手数料を搾取したりして空前の利益を上げています。利益の大半は貸倒引当金の戻入(つまり倒産確率が高いと思って積んでいた引当金が実はそんなに必要じゃなかったので戻したということ)と株価の回復であって,記事中「個人の住宅ローン需要への銀行の対応、企業向け資金需要に応えたもので景気回復の証しでもある」の影響はあんまりありません。それが証拠に3月平残ベースでは前年比マイナスになっているのだから。

 それと,記事では触れられていないけど大事な点があるので追記しておこう。
 いわゆる末残・平残の問題です。記事をよく読んでみるとわかるとおり,全銀協が比較データとして用いたのが「12月末残」で,日銀は「3月月中平残」です。時期の問題は上記で採り上げたので,ここでは末残・平残の問題にしぼります。

 まず末残。これは瞬間風速です。3月1日から30日まで貸出が0だったとしても,31日に1億円の融資を実行すれば3月の末残は1億円になります。たとえ4月1日に返済されたとしてもね。銀行では実績作りでよくやります。そういえば農協の貯金獲得も同じでしたね。僕も農協の人達と一緒に「協力貯金」の営業に回った事が何度かあります。馬鹿馬鹿しぃって思いながらね。でも,ニッキン(金融専門の日刊紙。日本金融新聞とはまた違う)で発表になる,資金量ランキングは末残ベースだから,農協が優位に立っていることをアッピールするには好都合だったんですね。

 次に平残。これは平均残高の略で,何が平均なのかというと,例えば3月1日が終了した時点の末残から31日が終了した時点の末残のデータ31個の平均(月中平残)ということ。平残の場合は期間をどのようにとるかによって週間平残,月中平残,半年平残,期中平残のようにいろいろと意味合いが変わってきますが,週間風速の末残ではとらえきれない情報が読み取れるので,普通の統計屋なら(平残がわかっているのなら)末残よりも平残で議論をするのが普通です。3月31日だけ1億円融資残高があっても,月中平残なら1億円÷31日で322万円程度にしかなりませんから,逆に末残と平残の差が大きいという事が目立ってきて,何かあるに違いない・・・という風に考える事ができるわけですから。

 ここまで書くとおわかりでしょう。全銀協は平残で調べられたら前年比マイナスが明らかになって都合が悪いから,瞬間風速の末残ベースで(しかも12月末時点で)事実をはぐらかそうとしたわけですね。やだねえ。僕だったら「景気回復の証しでもある」なんて厚顔無恥な発言はできないな。こんなバレバレな発表したら,そりゃあ大恥かくって。

(追記)
 末残には,その日の終わりの残高という1つの情報しか入っていません。なので企業分析においては,企業の貸借対照表(バランスシート)なんて瞬間風速でしかないので,あんまり信用しすぎるのは危険です。決算書を見て,いい会社だなあって思っても,そう思っている時点での実際の会社は潰れかけているということだってあります。やはり期間の数字が出てくる損益計算書やキャッシュフロー計算書の方を重要視した方がいいと思います。

 ちなみに,平残だったら何でもOKかというとそうでもありません。「平均」という数字も弱点はあります。さっきの例で言えば,31日のうち30日は0円で,1日だけ1億円だったとしても平均残高は322万円なのです。日本人の「平均」貯金額はン千万円だとかいう報道がよくありますよね。自分の周りを見渡しても実感できないような数値が「平均」であるとき,データ間で大きな格差が生まれていると考えた方がよさそうです。これは必ずしも真であるという命題ではないですけどね。
posted by 時をかける僧侶 at 21:53| 兵庫 ☔| Comment(0) | TrackBack(1) | 投資一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月24日

『アジアの隼』

asianohayabusa1.jpg ちょっと古いのですが,黒木亮『アジアの隼』祥伝社文庫を読みました。電車での移動は小説を読むのにちょうどいいですね。著者は外資系金融機関で働いた経験があり,本書もプロジェクトファイナンスの仕組みやそのビジネスの進め方,また新興国のリスクやアジアの闇についても丹念に詳しく書かれてあり,非常に読みごたえのある金融小説です。やや専門的な内容も含まれますので,世界の金融について興味がない人には面白さは伝わりにくいとは思いますが,興味がある人にとっては,どんどん読み進んでしまう麻薬のような本です。GWの読書タイムにでもどうぞ。

 内容は,実話とフィクションを入り混ぜた物語の展開となっています。主人公は長銀(小説中は架空の銀行になってますが)のアジア金融担当のミドルで,ベトナムを舞台に存地法人の設立やら大型プロジェクトのファイナンス提案(シンジゲートローン)などを手がけおり,彼の物語に合わせて,ベトナム出身で日本国籍をもつ男が登場し,また一方で「アジアの隼」ペレグリンという実在した孫港の証券会社の興亡が描かれるという,壮大なストーリーです。アジア通貨危機やら日本の金融危機やらノンフィクションの部分もかなり詳しく描かれていますので,事実関係の勉強にもなります。

asianohayabusa2.jpg これ一冊で,アジア新興国への投資リスクにどんなものがあるのか(存在はだいぶんマシにはなっているんでしょうけど),大型プロジェクトの工事や機材などの受注が決まるまで,そのファイナンスについての流れ,百戦錬磨の外国投資銀行による制度の盲点をついた反撃などなど,かなりのことが学べます。お買い得かも。

 こういう経済小説はちょくちょく読んだ方がいいですね。自分の知らない世界のことが非常にわかりやすく描かれていますし,ビジネスのどこに旨味があり,どこにリスクがあるのか,それらを予想しながら読む事で推理小説のような面白さも味わえます。経済を学ぶのは教科書からだけではなくて,ごく身近な題材を取り扱った経済小説からも学べますし,場合によってはこっちの方がより存実的でわかりやすいときが多いです。大いに利用したいもんです。

 僕は銀行に就職が決まってから経済小説にハマりました。高杉良氏の『金融腐敗列島』など高杉氏の小説はだいたい大学時代に全部読みましたし,城山三郎氏の『小説日本銀行』『小説日本興業銀行』もじっくり読んだ記憶があります。最近はより専門性の高い,そして若手の著者がどんどん存れて,経済小説というジャンルもなかなか活気に満ちています。小説なので気軽に読めるのもいいですね。

 本書の著者・黒木亮氏の小説は『トップ・レフト』とか『巨大投資銀行』とか,この世界では有名なものがありますので,金融の話が好きな方は是非読まれるといいと思います。
posted by 時をかける僧侶 at 23:33| 兵庫 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 書籍案内 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月22日

根本を改めずして血税を 無駄に投じる公務員かな

 Winny騒動,いっそう混乱してるようですね。例えば,これ。
【皇太子ご夫妻の視察経路 ウィニー介し流出】(Apr/22/06 Sankei Web)

 先日は防衛庁のPCからWinny経由で機密事項が漏れ,その前は原発の機密データが漏れたばかり。ついに皇室にまで被害が及びましたか(実害はありませんでしたが)。極左の人達の元に前もってこの文書が渡っていたら,「時間通り」移動される皇太子の身は非常に危ないところでした。丸太を目一杯積んだ大型トラックを皇太子車が通る時間の1分前に走らせて,荷物をガランガランと落としていくだけで現場はパニックになっていたでしょう。あーこわ。

 そして,防衛庁がとった対策はこれ。

(Apr/12/06 ITmediaより引用開始)
【Winnyが動作しないPCの調達、秘密区分の見直し……防衛庁が流出の再発防止策】
(略)
 情報セキュリティの側面からはまず、職場から私有PCを一掃するため、デル製PC約5万6000台を緊急調達することとした。調達に当たっては、仕様書で「Winnyなどのファイル共有(交換)ソフトが動作しないことを保証」する旨を要求。Winnyなどの起動を禁止する設定を施すとともに、ウイルス対策ソフトによるWinnyの検知、削除機能を備えることとしている。
(引用中断)

 そもそも論から間違っているような気がしますね。私有PC(おそらくWindowsでしょう)を使えばできる仕事ばっかりなんだから,わざわざWinnyが動かないような仕様にしてまでWindowsにこだわらなくてもいいのに。これってものすごい負担だと思うし,保証させられるデルにしてもコストアップの原因になりそう。

 ブラウザがInternetExplorerで,メーラーがOutlookExpressっていう構成だったらウィルスウェルカムの根本的な状態は変わりませんね。Micro$oftだってOutlookExpressのセキュリティホールが頻繁に見つかっててもすぐに直さないんだから,Winnyだけの対策をとっていても全く対策不十分です。ま,グループウェアを入れて専用のワークステーションを組むぐらいはするんでしょうけど。

 Windowsにこだわらず,LinuxにOpenOffice.orgを載せれば大概のことはできるでしょう。OSなしのデルPCにしたのであれば,けっこうコストダウンの効果はありそうなもんですけど。

(引用再開)
 USBメモリなどの持ち運び可能な記憶媒体を通じたデータ流出を防ぐため、媒体にはICタグを貼り付け、無許可での持ち出しを禁止する。併せて、保存されるデータを自動的に暗号化するソフトも導入する。
(引用中断)

 あちゃー。防衛庁のくせに性善説を前提としたシステムにしてやがります。ICタグを貼り付けたら全てが管理できると考えるのはお人よしの日本人だけでしょう。暗号化ソフトにしても,データを利用するときには暗号を解くわけで,デスクトップ監視型のウィルスがやってきたら暗号化なんて意味ないでしょうに。

(引用再開)
 さらに、インターネットの利用による情報流出を防止するため、業務とは無関係なWebサイトへのアクセスを制限する機能を導入するほか、添付ファイルも含めメールの内容を自動的に検査し、業務用データの外部送信を防ぐ機能を強化する方針だ。
 将来的には、システムの入れ替え時期をにらみながらシンクライアントシステムの導入を検討するほか、脆弱性への対応をにらんで、必要なセキュリティレベルに応じた新たなOSの導入も視野に入れていくという。
(引用中断)

 演習で1発ミサイル打つのを我慢すればシンクライアントシステムなんてすぐ導入できるもんでしょうに。「脆弱性への対応をにらんで、必要なセキュリティレベルに応じた新たなOSの導入も視野に入れていく」ってのは,要するに現状のWindowsじゃあ不安で仕方がないということを認めてるわけだから,せっかくデルのPCを一斉に導入する今の時期になぜ新たなOSを導入しないの?って思いますね。

(引用再開)
 制度面では、私有PCの持ち込み禁止、私有記憶媒体の使用の全面禁止といったルールを強化するとともに、こうした制度が有効に機能するよう、定期的な検査を実施。併せて抜き打ち的な臨時調査も実施するという。同時に情報セキュリティに関する教育の実施、ヘルプデスクの設置といった施策も進めていく。(後略)
(引用終了)

 絶句。私有PC持ち込みは今回の騒動の一番の原因だとしても,その他の施策は今までもとられてなかったんだね。防衛庁・・・なんだよね。リスク管理甘すぎない?
posted by 時をかける僧侶 at 23:00| 兵庫 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 時事問題あれこれ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月20日

今日はしこたま飲んだので更新はパス

今日はしこたま飲んだので更新はパスします。次は土曜日に。
posted by 時をかける僧侶 at 22:12| 兵庫 ☁| Comment(0) | TrackBack(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月18日

自民党選んだあなたが何を言う 今さら何がの格差問題

 最近,新聞やテレビを見ていたら「格差」問題をセンセーショナルに採り上げているものが多いことに驚かされます。この問題についての僕の考えをまとめておこう。まずはこのニューズから。

(Apr/13/06 共同通信より引用開始)
【20代の所得格差が拡大 労働経済白書の骨子】
 「労働経済の分析」(労働経済白書)の2006年版骨子で「20代の所得格差が拡大し、固定化が懸念される」と指摘していることが13日、分かった。
 30−40代の正社員でも、成果主義賃金の導入で格差が広がっているとした。また正社員ではない非正規労働者で配偶者のいる割合が低く、少子化が進む要因になっていると分析している。
 「格差社会」が国会で論点となっており、小泉純一郎首相は「先進国と比べて日本では(格差は)決して広がっていない」などと答弁したが、白書は正社員かどうかの雇用形態や年代によって賃金格差が拡大していることを示した。
(引用終了)

 首相の答弁がウソばっかりだというのは今に始まった事ではないので,今更何を言っているんだという感が強いですね。格差が広がっていく社会に変えて行くのが小泉流の改革であって,竹中大臣がその旗を振ってきたという構図は,心ある人達のブログなどを読めば容易に分かってただろうに。僕も何度もこのブログで指摘してきたとおりなんですけどね。それでも去年狂喜乱舞して小泉自民党を選んだ(マスコミは愚民に選ばせた)のだから,つべこべ今更言うなよと。国民の代表達が格差を望んでいる(小泉竹中を支持している)わけだから,どうにもならんでしょうに。

(Feb/06/06 NIKKEI NETより引用開始)
【「自分は下流」37%・日経世論調査】
 上流1%,中流54%,下流37%――。世論調査で現在の暮らし向きを聞いたところ,中流意識が徐々に減少し,自分の生活水準を下流と考えている人が増えていることが分かった。
 バブル経済時代の1987年に行った本社世論調査では,上流2%,中流75%,下流20%との回答だった。この20年間に自らの生活を「中流」ととらえる人が減り,そのまま「下流」意識がふくらんだ格好だ。
(引用終了)

 そりゃそうでしょう。生きる望みはかろうじてあるけど,もはや下流から中流に昇ることは困難な時代なわけで,そりゃあ子供も生みたくても生めんわな。日本人には革命を起こすほどの勇気がある人は少ないでしょうから,甘んじて下流生活を受入れるんだろうなあ。かく言う僕もその一人ですけど(^^;;

 まあこのように,今更ながら「格差」について考え始めているのがマスコミのようです。では僕の考えは?

 一言で言えば「格差は一代限りにせよ」。格差は世襲されるべきではないという考えです。具体的には「格差是正税」の創設。うーん。社会主義的な響きがするかな。
 でも,今のまま格差拡大が続いて一般ピープルがますます無気力になって社会への貢献を考えなくなってしまうことの方がこわいと思います。税体系の作り方次第で「格差是正税」って結構面白いアイデアかなと思いますよ。

 親の代での格差は認めましょう。がんばりに応じて所得に格差が出てくるのは当然だと思います。これまでなくせというのは共産主義的でクレイジーです。でも,次の世代については一度リセットしてはどうか。リセットの手段として「格差是正税」が使えるのではないか。素人考えとして僕はこう思ったわけです。

 より具体的な提案をしよう。
 資産家に子供ができたら,役所に届け出ると同時に,所得税に応じて別途決められた金額の「格差是正税」を支払う。このカネを財源にして,下流層にいるが就学意欲の高い子供やスポーツなどに秀でた子供に資金援助する。もちろんそれに該当しない子供にはやる必要はない。要点は,親子で見る実現可能な夢の達成のためにはカネの心配をさせないこと。夢をもたない親子まで援助する必要はないということ(これまで援助しろって言うようになったら共産党とか社民党になる)。

 資産家は怒らないか?怒るだろうけどなだめる方法はいくらでもあります。勲章あげるとか名誉市民の称号を与えるとか,とにかく感謝されるような位置に据える事ですね。殺し文句として「格差是正税を支払わない者は愛国心が全くないものとする」みたいにしておけば,定義のはっきりしないダマシの「愛国心」を隠れみのにして世襲による格差拡大を防ぐ事もできます。どう?即席の対案だったので今は欠陥だらけですが,練っていけば面白そうな政策に化けそうな気はしませんか?
posted by 時をかける僧侶 at 20:19| 兵庫 | Comment(0) | TrackBack(0) | 時事問題あれこれ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月16日

郷土こそ国より先に愛すべし それをさせぬは国売りの輩か

 前回エントリで「愛国心」について自説を述べました。右の人も左の人も「愛国心」の定義をはっきりさせてから論評せよという内容で,僕の仮定義を披露しておきました。その後ネットを徘徊していると,東京新聞で藤原正彦氏もこの問題について触れられているのを見て,非常に勉強になりましたので,ここで紹介しておきます。
該当ページ

 文章中,こういうやりとりがあります。
――問題となった「我が国と郷土を愛する」という表現はどうですか。

 「私(藤原)は『家族、郷土、祖国、人類』の順番で愛を教えるべきだと言っている。真ん中の二つが入っているのは、いいんですが、身近なものから教えるのが教育だから、『国』が『郷土』よりも先に来るのはおかしい」

 藤原氏の主観にすぎないと言ってしまうことはできますが,郷土よりも国を先に持ってくるところに,「教育者」ではない政治家および官僚の思惑が露見しているという指摘は鋭いですね。さすがに本質をズバリ言い当てる大数学者です。政治家にとっては,郷土を愛されては困るんですよね,特に沖縄とか山口の岩国の人達には。

 読売はフライングっていうか完全に誤報までして国のお先棒を担いでいるわけだけど(→ 参考),米軍なんぞに美しい島をこれ以上荒らされるのは我慢ならんというのが,普通に郷土を愛する沖縄県民の思いなわけで,彼らにとっては一報道機関にすぎない新聞社なんぞに,国!国!国!への愛を強要されるというのは不愉快きわまりないことでしょう。東京でぬくぬくと記事書いているようなヤツらに言われたかねーわな。

 藤原氏が指摘するとおり,権力者(政治家・官僚)の頭の中は,日本の一般ピープルは地方を捨てて中央の意見を聞くのが「愛国心」だという気持ちで一杯なんでしょう。そして当の権力者達にとっての「愛国心」の対象というのはアメリカ様。アメリカ様のために郵政を民営化して一般ピープルのカネを外人の好きなようにさせ,アメリカの食肉業者のために日本の一般ピープルをクロイツフェルトヤコブ病のリスクにさらし,アメリカの大企業に高い技術力を有する日本の会社を簡単に買収しやすくさせ,アメリカの医療業界の利権のために混合医療を導入させ(アメリカでは失敗しているいわくつきのもの),アメリカの弁護士を日本で活躍させるために法律を変えてあげています。立派な「愛国心」だこと!

 アメリカのガセネタで始まったイラク戦争への自衛隊派遣についても,アメリカ様への「愛国心」で一杯でしたねえ,小泉さん。「当初は信用に足る情報だった」って永田議員も言ってたよ,安倍長官。ま,あとは中国への「愛国心」で一杯な連中をつらつらと挙げていくべきなんでしょうけど,さすがにこっちも多いからなあ。橋龍,野中,河野,二階・・・。おっと小沢も岡田もじゃないか。頼むから皆さん,日本のことを第一に考えておくれよ・・・。
posted by 時をかける僧侶 at 22:16| 兵庫 ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | 時事問題あれこれ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月14日

愛国心その国というのは日本だよね 定義がないから揉めるんですよ

 新教育基本法(与党合意)の「愛国心」を巡っていろんな新聞が社説を展開しています。右・左の区分で言えば相変わらずの分かれ方になりますが,「愛国心」の定義からきっちりと書いて対論を論破しているものはありません。一番大事なところなのにね。

 僕の意見はこうです。

  1. 「愛国心」とは,各々が快適な生活や行政サービスを受ける権利を有している国に対する感謝の心である。
  2. 「愛国心」は学校で教えなければならない概念ではなく,家庭・地域でしっかりと馴染ませることが肝要である。
  3. 学校は「愛国心」を侮蔑ないし軽視した生徒を罰する義務を負う。当然,教師もそこに含まれる。

 まず1点目。
 「愛国心」とは,各々が快適な生活や行政サービスを受ける権利を有している国に対する感謝の心,という定義はやや堅いのですが,本質はこのとおりです。間違っても「国を愛する心」などという寝ぼけた定義をして,わかったような顔をしていてはいけません。例えば産経新聞や読売新聞が「愛国心」云々と言うときは,「国」というのが日本のことを指しているのかアメリカのことを指しているのか,わかりません。定義がはっきりしない,という本来絶対あってはならないミステイクが放置されたままなのが原因なのですが,右側の人達は議論の作法を知らないまま知った風な口しか聞けないから始末が悪い。

 具体例を上げるとしつこくなりますが,読売新聞が展開し続けている,アメリカ産牛肉の早期輸入解禁なんかが典型です。日本の国民が嫌がっているのにも関わらず,やれ全頭検査は科学的ではないだの,日本の基準が世界に合わないだのと言っては,アメリカの国益のために早期輸入解禁を促してきました。そこには日本人への愛なんて見れませんね。産経もしかり。日本を愛しているのなら,なぜアメリカから毎年要求されている「年次改革要望書」について警鐘を鳴らさないのですかね。中国の内政干渉には勇ましく吠えるくせに。両紙の新聞記者は今度できる教育基本法に沿った教育を小学生からもう一度受けなきゃいけないね。

 定義がしっかりしないからピントが外れているのは左側も同じ。何かというと彼らは戦前の八紘一宇だとか総玉砕だとか「欲しがりません勝つまでは」みたいな精神を引っ張り出して,「愛国心」を暗いイメージに留めようとします。彼らが「愛国心」を警戒しているのは,「愛国心」の御名の元に何でもかんでも国の要望が許されたら困るというだけであって,それは子供の教育とはほとんど関係がないことです。関連法案を大人が話しあって決めるレベルの話を子供の教育に拡大して語るのはピント外れも甚だしいですね。

 具体例をあげておきましょうか。こんな例なら「愛国心」に警戒すべきですが,やはり子供の教育とは関係ありません。
”国の財政危機を払拭するために預金封鎖を実施する。これは愛国法案だから反対は許さない。愛国心に覚えのある者は進んで私財をお国のために提供するように。また,天下り役員に渡す退職金が足りないので,愛国心にあふれる者は進んで私財を投げ打つように。逆らったら愛国心が足りないと見なして相応に罰する。”

 2点目。
 定義をそのとおり捉えれば,そもそも「愛国心」は学校で上から目線で教えなければならない概念ではないことは明らかです。憲法によって最低限の生活が保証され,言論の自由をはじめとした様々な自由(国家権力に対する自由)まで保証されているのですから,そのような幸せな国に生まれ育っていることを折りに触れて家庭や地域で気付かせれば,自然と感謝の心が湧いてくるものです。

 この自然と湧いてくる感謝の心こそがまさしく「愛国心」なのであって,学校で教えないといけないことではありません。家庭や地域こそが「愛国心」を植え付ける役目を負っているのであり,そこの力が非力になってきたからといって学校にその役割を押し付けるのは間違いの元にしかなりません。感謝の心を他人にお願いして植え付けてもらおうなんて,親の教育の放棄にしか思えません。こう考えると,教育基本法の前文に入れるかどうかなんていう不毛な議論も一切必要ありませんね。

 3点目。
 じゃあ学校は何をすべきか。当然,家庭などで植え付けられていなければならない「愛国心」を見ているだけでよいことになります。もし「愛国心」を侮蔑ないし軽視するような生徒が現れれば,罰を与えればよい。理屈はいりません。感謝の心を踏みにじるような子供には罰を与えて当然です。

 こんなこと書くと左側の人達が怒り出すかもしれませんが,別に学校で「愛国心」を強要しているわけではなく,あくまで家庭や地域での取りこぼしをチェックしているだけですので,公務員による内心の自由の侵害には当たりません。法律にもひっかからないので非常にクリアですね。

 そもそもなぜ罰が必要かと言うと,我々が普段常識として手に入れている「自由」というものは,多くの先達が幾多の血を流して勝ち取ってきた非常に貴重なものだからであり,その「自由」が保証されている国家への感謝の気持ちが持てないということは,「自由」をも否定していると考えられるからです。原理的に言えば,そんなに「自由」が嫌なら日本国籍を剥奪しないといけませんが,それはやりすぎですから罰を与えるわけですね。

 同じ事は教師にも言えます。日教組の洗脳で頭をやられている教師達はぴーちくぱーちく騒ぎ出すんでしょうが,そもそもぴーちくぱーちく騒げる自由が保証されている国に住んでいるんだから感謝しなさいよと。大人なんだから。ということで「愛国心」を侮辱する教師や,そのような子供を見逃すような教師は罰せられないといけません。

 長くなりましたね。最後に蛇足になりますが,我が国は戦争に負けてアメリカ様から民主主義や自由の概念を輸入させてもらいました。だから右側の人たちは,「国益」とか「愛国心」って言うと日本のことじゃなくてアメリカのことを考えるようになってしまっているんでしょうね。アメリカ様のおかげで日本は民主国家になれました。ありがたや〜ってな感じで。

 でも例えば,日米安保の条文のどこにも,他国への軍隊共同派遣とか戦費捻出とか義務付けされていないのにもかかわらず,イラクには軍隊送り込むし,「自衛隊のいるところが非戦闘区域だ」とか寝言をほざくし,湾岸戦争では感謝もされない金ばっかり出しましたね。やりすぎだと思っていないのかなあ。もういい加減アメリカへの愛国心は見直すべきだと思います。真の「愛国心」を育てて日本の国益を考えるのであればね。
posted by 時をかける僧侶 at 18:11| 兵庫 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 時事問題あれこれ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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