2006年06月23日

他国による検閲の結果決定された輸入再開だってさ

 ここのところ福井総裁問題ばっかり採り上げていましたが,論点は出尽くしたようなので別の話題を採り上げよう。ずっとウォッチしている牛肉問題です。

 日本中がサッカーごときに熱狂している間にいくつか大事な決定が為されています。アメリカの牛肉の輸入再開を決めたというのもその一つ。これも本質的なところにはあまり注目が集まらず,始めに結論ありきなもんだから無理やり後付けで理由をつけて決定されています。大手各紙がいっせいに社説に書いていますが,どこもみな及び腰。この問題の本質とは,単純に言って「アメリカの業者の検査体制は改善されたのか?前回コケにされた日本側が独自でその改善内容を判定できるのか?」というものですが,結果はご存知の通りです。1月に輸入禁止したときから何も変わっちゃいません。むしろ,このエントリの最後で紹介している衝撃的な事実を見れば,なぜここまでされて再開になるんだよ!と考えるのが本当の(ポチではない)保守です。日米首脳会談でブッシュに報告を義務づけられている小泉ポチ首相としては仕方がないのかもしれませんが,こんなゴマカシ政治ばっかりやった5年間で国民も騙され慣れたようで。ま,好きにしておくれ。

 100歩譲って,アメリカに怒られない事が日本の国益だと主張するポチ保守の論理に従ってみたとしても,これは許せますかね?

(Jun/22/06 NIKKEI NETより引用開始)
【米産牛肉の輸入再開,米が対日制裁法案提出・再開遅延を懸念】
 日米両政府が合意した米国産牛肉の貿易再開について,米議会の一部や生産者の間で懐疑的な見方が広がっている。米上院議員は21日,8月末を期限として実際に輸入を再開しなければ制裁に踏み切る法案を提出。全米肉牛生産者・牛肉協会(NCBA)は同日の声明で「貿易相手国としての日本の信頼性を疑っている」と強調した。
 制裁法案は民主党のコンラッド,共和党のロバーツ両氏ら超党派の議員が提案した。期限までに貿易を再開しなければ日本からの輸入品に総額31億ドル(約3500億円)の制裁関税を課す内容。31億ドルは1年間,牛肉を輸出できない場合を想定した「被害額」としている。
 法案提案者には対日強硬派として知られる民主党のボーカス議員も名を連ねる。同議員は「私の経験からいって日本を変えるにはてこを使うしかない」と述べ,制裁の正当性を主張した。ただ,米議会の大半は貿易再開を歓迎しているもようで,今回の制裁法案が成立する可能性は少ないとみられる。
(引用終了)

 少数派の動きではありますが,あっちの国の議員はすでにBSEが発症しているおバカさんが何人かいるようですね。こんなことまで言われなきゃならん筋合いはないんですけど。なぜ牛のカタキを輸入品全般で討たれなきゃならんの?ま,アメリカ万歳の方は,この記事をプリントして「ほらアメリカ様が怒っていらっしゃるよ。早く決めないとマズイよ。」って皆に触れ回ってくださいな。

 僕は牛はほとんど食べませんが,もし吉野家の社長だったら,日本政府に献金して輸入再開を促すんじゃなくて,アメリカ農務省を訴えますね。「おまえらの対応が不十分だったから儲け損なったやないか!」ってね。年間売上に相当する金額を支払えって訴訟しますね。・・・負けてもいいんですよ。記事のようなことを言われるぐらいならこれぐらいも許されるでしょうってこと。

 さて,おバカさんは牛肉業界だけじゃありませんでした。

(Jun/21/06 アメリカ大使館HPより引用開始)
【日本との牛肉貿易再開への合意に関するジョハンズ米国農務長官の声明】
 今回の合意は,日本との牛肉貿易再開へ向けての新たな一歩ではあるが,米国産牛肉が再度,日本市場に受け入れられるまで,私は満足しない。
 日本の査察チームは今週末米国に到着し,7月21日までに査察を終える。査察が終了し次第,迅速に牛肉貿易を再開することに日本は合意している。
 最終的には,米国の対日牛肉輸出条件を満たした施設すべてが,同時に,日本側に承認されて,日本側による査察が終了することが,われわれの目標である。米国の食品安全検査システムが,単独で効果的なシステムであることを日本が認めることの重要性と,牛肉貿易の再開において日本がそれに応じた行動を取ることの重要性を,私は改めて強調する。
 米国産牛肉貿易の再開にあたり,私は小さな非適合事例が両国の貿易関係全体を中断させないことを期待する。貿易関係全体の中断ではなく,日本はそうした問題をわが国に通告し,妥当ならば個々の積み荷の受け入れ拒否というような,適切な方法について協議することに同意した。
 日本は米国産牛肉の安全性を確認するために徹底的な調査を実施してきた。査察は最終的なステップでなければならない。米国は国内のシステムにおいて数多くの変更を実施し,日本が提起したすべての質問に回答し,さらに,米国産牛肉が安全であるという数多くの事実および科学に基づく保証を提供した。日本との牛肉貿易を再開する時である。
(引用終了)

 この高圧的な文章・・・輸入再開をお願いする立場の物言いかね・・・。「査察が終了し次第,迅速に牛肉貿易を再開する」って,査察の意味分かってんのかね?もちろん分かってるんでしょう。査察して,こりゃあかんわって日本が言い出す時のことを考えていない,もっと言えばそんなこと言わせないってことが丸分かりじゃないのよ。

 一旦合意した直後にクーリングオフしてやろうよ・・・なんちゃって。誰か財務省を一喝して米国債を100兆円ほど売らせちゃえよ。確実に殺されるだろうけど(笑)英雄になれるぞ。

 さて,実はもっともっと大事なことが忘れられています。大手新聞は全く触れる事なく,良心的なブログでしか採り上げられていない,しかしこんな重要な事に触れない方がおかしいというぐらいの衝撃度です。

 そう,日本の検査官が作った報告書をアメリカが検閲して,マズイところを真っ黒にされているんです。証拠はこちらなど。
【真っ黒な調査報告書 これでも米国産牛肉輸入解禁か?】(May/26/06 現役雑誌記者による、ブログ日記!)
 さらに詳細を知りたい方は,こちらへ。
米国における日本向け牛肉輸出認定施設等の査察及び調査結果報告書

 マッカーサーもびっくりの検閲ですね。これに触れないで,何が「国益」なんでしょうねえ。
posted by 時をかける僧侶 at 23:06| 兵庫 ☁| Comment(0) | TrackBack(1) | アメリカ産牛肉問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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