2006年04月30日

今でさえザルの検査を縮小し どこに向かうか狂牛の群れ

 あまりにも腹立たしいのでこの話題には極力触れたくないのですが,見逃せない動きが出てきた以上は無視するわけにもいきません。例によってアメリカのBSE対策です。

(Apr/29/06 YOMIURI ONLINEより引用開始)
【米がBSE検査体制大幅縮小,対象頭数10分の1に】
 マイク・ジョハンズ米農務長官は28日の記者会見で,米国内でのBSE(牛海綿状脳症)発生を受けて2004年6月に始めた米国産牛に対するBSE拡大検査を近く終了し,検査体制を大幅に縮小すると発表した。
 これまでの検査で「米国が極めて健全な飼育環境であることが分かった」ためとしている。農務省は今後,検査頭数を現在の10分の1程度の年間4万頭前後に削減して抽出検査を続ける方針だが,日本などから検査縮小を不安視する声も出そうだ。
 農務省はこれまでに,無作為抽出などで合計約70万頭を検査した。その結果,統計的に見て米国内で飼育されている約4200万頭のうち,BSE感染牛は「4〜7頭に過ぎない」と結論づけた。
 長官は,5月2日にスイス・ジュネーブで中川農相と会談することを明らかにした。日本に対しては,検査縮小に対する理解を求めるとともに,改めて米国産牛肉の早期輸入再開を求める考えを示した。
(引用終了)

 これまでに何度も怒りを通り越して呆れてきた僕ですが,まあこの記事を読んで呆れない日本人は誰一人いないと思いますね。特に最後の文章ね。日本の全頭検査を非科学的だの世界基準ではないだのとアメリカに尻尾振って国益を売り渡そうとしてきた読売新聞が,アメリカ側の数々の不手際の際にも売国言論をやめずに輸入再開をと叫んでいましたが,この記事が出た段階でも同じように吠える事ができるんでしょうかね。「統計という科学的な手法により安全性が立証された以上,日本はいつまでも輸入再開をためらうべきではない」とか社説で書くんですかねえ。日本で一番読まれている読売新聞こそ,きちんと「日本の」国益を考えてまともな主張をしてもらいたいもんです。

 同じ日にこんな記事もあったことを見逃してはいけません。

(Apr/29/06 共同通信より引用開始)
【米国産牛肉に骨混入 台湾,業者を輸出禁止】
 29日付の台湾紙,自由時報によると,台北国際空港で米国から輸入された3箱の牛肉(計約45キロ)に禁止された骨が混入しているのが見つかり,台湾当局は28日,輸出した米国の食肉加工業者タイソン・フレッシュ・ミーツのネブラスカ州の加工場に対し無期限の輸出禁止措置を取った。
 台湾当局は牛海綿状脳症(BSE)の感染を防ぐため,骨などの危険部位を取り除くよう米側に求めている。今回の事態を受け,米政府に輸出牛肉の管理強化を求めたが,全面的な輸入禁止は行わなかった。
 当局の対応について一部の立法委員(国会議員)からは「手ぬるい」として,全面禁止すべきだとの声も出ている。
(引用終了)

 日本だけじゃないわけです。いったい何例目ですかね。こういうことを平気でやり続けて,自己反省せずにごり押ししてくるってのは外交戦略上はあっぱれだとは思いますが,言うまでもなく日本はわざわざそんな愚論に耳を傾ける必要はありません。ただでさえ3兆円の軍事再編での支出が発生してしまうような事態になっているんだから(日本の新たな予算をドルに変えるので基軸通貨ドルをまたしても日本が守る役目をひきうけたわけ),これ以上アメリカに譲歩はいらんでしょう。こんなこと飲んでたら,次々とやってくるアメリカの要求,たとえばイランにも自衛隊派遣しないといけなくなるだろうし,アザデガン油田の開発も中止しないといけなくなるでしょう。だから今が大事。牛肉なんてイラン!と言ってやれ。

 蛇足。
 さっきもカッコ書きで書きましたが,日本は新たな財源で3兆円を調達(財務省は増税と言っている)してアメリカに渡すらしい。新聞などは算出根拠がわからんだのオープンでないだのと書いてますが,そんなのドルを支えるために日本にカネ出せって言ってるだけなんだから根拠も糞もあるわけがない。ウォンを釣り上げて韓国にワロス介入(注:2ch用語)でドル買いさせてきたのが不調になっており,中国の外貨準備高が異常なレベルに達した今,もはやドルを支えられるのは日本の円しかないんです。ここまで読まなきゃいけませんね。

 参考まで。
【何かおかしくはないか】(Apr/29/06 沖縄タイムス社説)
posted by 時をかける僧侶 at 21:16| 兵庫 | Comment(0) | TrackBack(1) | アメリカ産牛肉問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月28日

共謀罪どうしてニューズに出てこない?なぜ都合よくホリエが出るのよ

 なぜ昨日,マスコミがあんなに大騒ぎしてホリエモンの保釈を報じてたのかなあと思っていたら,やっぱり裏がありました。キーワードは「共謀罪」。

 新聞・テレビにしか情報を頼らない人にはほとんどなじみのない「共謀罪」ですが,それもそのはず,大手メディアは全くと言っていいほど「共謀罪」については報道してきませんでした。GoogleNewsなどで検索してみるとおわかりになると思いますが,これは事実です。インターネットや週刊誌・夕刊大衆紙などでは頻繁に紙面を賑わせていたこの話題,現代版治安維持法とも呼ばれるこの希代の悪法について,ではなぜ大手メディアは沈黙していたのか?

 政府の圧力でしょう。断定はできないですが,そうとしか思えません。内容を聞いたらほとんどの人がいぶかしがるであろう法案を,ろくすっぽ審議もされずに数の力で通そうとしているという事実がなぜ良心的な国民に伝わらないのかねえ。しかも法案の採決が本日28日に予定されていたというタイミングでホリエモンの保釈が決定!国民の注意をそらすためにまたしてもホリエモンがダシに使われたようです。これって何も関係がないわけがないでしょう。

 まともに論評するのも疲れますねえ。今日の法案提出は避けられたものの,近々また提出されるんでしょう。
【「共謀罪」法案、28日の採決取り下げ】(Apr/28/06 TBS)
 そうなったら賛成多数であっさりと参議院に送られて,またしてもあっさりと法案は可決されて即施行ってことになるかもしれません。その時点で政府の批判は一切できなくなるかもしれません。いよいよ日本も北朝鮮のような国に退化してきたようです。まともな民主主義の国で行われていることとは思えません。朝鮮総連とか創価学会とかを追い出すために使われる法案ならともかく,奴らが批判者を封じ込めるためにこの法案に賛成しているという動きには心底やばさを感じます。

 とりあえず明日の朝刊の社説で採り上げられるかどうかに注意しましょう。まったく触れられなかったら,大手メディアは完全にならず者たちの走狗に成り果てたのだと考えてさしつかえありません。南無阿弥陀仏・・・。
posted by 時をかける僧侶 at 23:23| 兵庫 | Comment(0) | TrackBack(0) | 時事問題あれこれ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月26日

銀行の二枚舌には気をつけろ 白と黒とは紙一重なり

 面白い記事を見つけたので,今日はこれを題材にしよう。

(Apr/19/06 日刊ゲンダイより引用開始)
【全銀協 我田引水の統計データ 日銀速報との違いは明らか】
 4月11、12日に発表された2つの金融データを見て、改めて大手銀行の“数字のマジック”に驚かされた。
 ひとつは全銀協発表の「全国銀行126行の預金・貸出金速報」(05年度末)で、もうひとつは日銀発表の「06年3月の貸出・資金吸収動向速報」である。一体どこがおかしいのか。
 全銀協は「銀行の貸出金が7年ぶりに増勢した」として、その根拠に次の数字を挙げている。05年末の貸出金残高は前年末比2.2%増の409兆3777億円、都銀6行では1.4%増の189兆9489億円と久々の貸出金増。この現象は「個人の住宅ローン需要への銀行の対応、企業向け資金需要に応えたもので景気回復の証しでもある」と胸を張っている。まるで貸し渋り、貸しはがし、強制的債権回収などなかったかのような書きぶりだ。
 ところが、全銀協の言い分は、はからずも翌日に発表された日銀速報でインチキぶりがばれた。速報の数字は全銀協発表とはまったく逆で、今3月の都銀6行の月中平均貸出金残高は208兆8300億円で、前年同月比1.1%減となっているのだ。速報値は直近の数値を取るのが常識だ。
「3月末のデータを使った日銀の速報値のほうが実態を表しています。全銀協が05年末の数字を引っ張り出して04年と比較するというのはどうか。自分たちの都合のいい数字を選んでいるとしか思えません」(証券アナリスト)
 発表した時期が日銀速報と一緒だったため、全銀協は恥をかいた。銀行の統計データは疑ってかかれということだ。
(引用終了)

 僕も銀行にいた人間なので手口はよくわかります(苦笑)。統計なんてそんなもんです。数学的に間違った事を発表するのは罪ですが,勘違いしやすい事実を発表して煙に巻くというのは常套手段。騙される方が悪いという理屈です。でもこれをやっちゃってバレたとき,つまり今回この記事のように指摘されちゃった場合,意図を見透かされて大恥をかくことにもなります。あとでどんな言い訳をしてもね,見苦しいだけになってしまう。

 記事で触れられているように,12月末では前年比プラス,3月末ではマイナスだったのを,全銀協は貸し渋りとか儲けすぎ批判とかをかわすためにわざわざ12月末データでプラスを強調しました。公的資金という名の税金を投入してもらって命からがら態勢を立て直した銀行のほとんどは,税金投入の交換条件だった貸出残高増加を達成できないまま今日に至り,それでいてシレっとした顔で公的資金を国に返し(全額ではないですが),預金者から金利・手数料を搾取したりして空前の利益を上げています。利益の大半は貸倒引当金の戻入(つまり倒産確率が高いと思って積んでいた引当金が実はそんなに必要じゃなかったので戻したということ)と株価の回復であって,記事中「個人の住宅ローン需要への銀行の対応、企業向け資金需要に応えたもので景気回復の証しでもある」の影響はあんまりありません。それが証拠に3月平残ベースでは前年比マイナスになっているのだから。

 それと,記事では触れられていないけど大事な点があるので追記しておこう。
 いわゆる末残・平残の問題です。記事をよく読んでみるとわかるとおり,全銀協が比較データとして用いたのが「12月末残」で,日銀は「3月月中平残」です。時期の問題は上記で採り上げたので,ここでは末残・平残の問題にしぼります。

 まず末残。これは瞬間風速です。3月1日から30日まで貸出が0だったとしても,31日に1億円の融資を実行すれば3月の末残は1億円になります。たとえ4月1日に返済されたとしてもね。銀行では実績作りでよくやります。そういえば農協の貯金獲得も同じでしたね。僕も農協の人達と一緒に「協力貯金」の営業に回った事が何度かあります。馬鹿馬鹿しぃって思いながらね。でも,ニッキン(金融専門の日刊紙。日本金融新聞とはまた違う)で発表になる,資金量ランキングは末残ベースだから,農協が優位に立っていることをアッピールするには好都合だったんですね。

 次に平残。これは平均残高の略で,何が平均なのかというと,例えば3月1日が終了した時点の末残から31日が終了した時点の末残のデータ31個の平均(月中平残)ということ。平残の場合は期間をどのようにとるかによって週間平残,月中平残,半年平残,期中平残のようにいろいろと意味合いが変わってきますが,週間風速の末残ではとらえきれない情報が読み取れるので,普通の統計屋なら(平残がわかっているのなら)末残よりも平残で議論をするのが普通です。3月31日だけ1億円融資残高があっても,月中平残なら1億円÷31日で322万円程度にしかなりませんから,逆に末残と平残の差が大きいという事が目立ってきて,何かあるに違いない・・・という風に考える事ができるわけですから。

 ここまで書くとおわかりでしょう。全銀協は平残で調べられたら前年比マイナスが明らかになって都合が悪いから,瞬間風速の末残ベースで(しかも12月末時点で)事実をはぐらかそうとしたわけですね。やだねえ。僕だったら「景気回復の証しでもある」なんて厚顔無恥な発言はできないな。こんなバレバレな発表したら,そりゃあ大恥かくって。

(追記)
 末残には,その日の終わりの残高という1つの情報しか入っていません。なので企業分析においては,企業の貸借対照表(バランスシート)なんて瞬間風速でしかないので,あんまり信用しすぎるのは危険です。決算書を見て,いい会社だなあって思っても,そう思っている時点での実際の会社は潰れかけているということだってあります。やはり期間の数字が出てくる損益計算書やキャッシュフロー計算書の方を重要視した方がいいと思います。

 ちなみに,平残だったら何でもOKかというとそうでもありません。「平均」という数字も弱点はあります。さっきの例で言えば,31日のうち30日は0円で,1日だけ1億円だったとしても平均残高は322万円なのです。日本人の「平均」貯金額はン千万円だとかいう報道がよくありますよね。自分の周りを見渡しても実感できないような数値が「平均」であるとき,データ間で大きな格差が生まれていると考えた方がよさそうです。これは必ずしも真であるという命題ではないですけどね。
posted by 時をかける僧侶 at 21:53| 兵庫 ☔| Comment(0) | TrackBack(1) | 投資一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月24日

『アジアの隼』

asianohayabusa1.jpg ちょっと古いのですが,黒木亮『アジアの隼』祥伝社文庫を読みました。電車での移動は小説を読むのにちょうどいいですね。著者は外資系金融機関で働いた経験があり,本書もプロジェクトファイナンスの仕組みやそのビジネスの進め方,また新興国のリスクやアジアの闇についても丹念に詳しく書かれてあり,非常に読みごたえのある金融小説です。やや専門的な内容も含まれますので,世界の金融について興味がない人には面白さは伝わりにくいとは思いますが,興味がある人にとっては,どんどん読み進んでしまう麻薬のような本です。GWの読書タイムにでもどうぞ。

 内容は,実話とフィクションを入り混ぜた物語の展開となっています。主人公は長銀(小説中は架空の銀行になってますが)のアジア金融担当のミドルで,ベトナムを舞台に存地法人の設立やら大型プロジェクトのファイナンス提案(シンジゲートローン)などを手がけおり,彼の物語に合わせて,ベトナム出身で日本国籍をもつ男が登場し,また一方で「アジアの隼」ペレグリンという実在した孫港の証券会社の興亡が描かれるという,壮大なストーリーです。アジア通貨危機やら日本の金融危機やらノンフィクションの部分もかなり詳しく描かれていますので,事実関係の勉強にもなります。

asianohayabusa2.jpg これ一冊で,アジア新興国への投資リスクにどんなものがあるのか(存在はだいぶんマシにはなっているんでしょうけど),大型プロジェクトの工事や機材などの受注が決まるまで,そのファイナンスについての流れ,百戦錬磨の外国投資銀行による制度の盲点をついた反撃などなど,かなりのことが学べます。お買い得かも。

 こういう経済小説はちょくちょく読んだ方がいいですね。自分の知らない世界のことが非常にわかりやすく描かれていますし,ビジネスのどこに旨味があり,どこにリスクがあるのか,それらを予想しながら読む事で推理小説のような面白さも味わえます。経済を学ぶのは教科書からだけではなくて,ごく身近な題材を取り扱った経済小説からも学べますし,場合によってはこっちの方がより存実的でわかりやすいときが多いです。大いに利用したいもんです。

 僕は銀行に就職が決まってから経済小説にハマりました。高杉良氏の『金融腐敗列島』など高杉氏の小説はだいたい大学時代に全部読みましたし,城山三郎氏の『小説日本銀行』『小説日本興業銀行』もじっくり読んだ記憶があります。最近はより専門性の高い,そして若手の著者がどんどん存れて,経済小説というジャンルもなかなか活気に満ちています。小説なので気軽に読めるのもいいですね。

 本書の著者・黒木亮氏の小説は『トップ・レフト』とか『巨大投資銀行』とか,この世界では有名なものがありますので,金融の話が好きな方は是非読まれるといいと思います。
posted by 時をかける僧侶 at 23:33| 兵庫 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 書籍案内 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月22日

根本を改めずして血税を 無駄に投じる公務員かな

 Winny騒動,いっそう混乱してるようですね。例えば,これ。
【皇太子ご夫妻の視察経路 ウィニー介し流出】(Apr/22/06 Sankei Web)

 先日は防衛庁のPCからWinny経由で機密事項が漏れ,その前は原発の機密データが漏れたばかり。ついに皇室にまで被害が及びましたか(実害はありませんでしたが)。極左の人達の元に前もってこの文書が渡っていたら,「時間通り」移動される皇太子の身は非常に危ないところでした。丸太を目一杯積んだ大型トラックを皇太子車が通る時間の1分前に走らせて,荷物をガランガランと落としていくだけで現場はパニックになっていたでしょう。あーこわ。

 そして,防衛庁がとった対策はこれ。

(Apr/12/06 ITmediaより引用開始)
【Winnyが動作しないPCの調達、秘密区分の見直し……防衛庁が流出の再発防止策】
(略)
 情報セキュリティの側面からはまず、職場から私有PCを一掃するため、デル製PC約5万6000台を緊急調達することとした。調達に当たっては、仕様書で「Winnyなどのファイル共有(交換)ソフトが動作しないことを保証」する旨を要求。Winnyなどの起動を禁止する設定を施すとともに、ウイルス対策ソフトによるWinnyの検知、削除機能を備えることとしている。
(引用中断)

 そもそも論から間違っているような気がしますね。私有PC(おそらくWindowsでしょう)を使えばできる仕事ばっかりなんだから,わざわざWinnyが動かないような仕様にしてまでWindowsにこだわらなくてもいいのに。これってものすごい負担だと思うし,保証させられるデルにしてもコストアップの原因になりそう。

 ブラウザがInternetExplorerで,メーラーがOutlookExpressっていう構成だったらウィルスウェルカムの根本的な状態は変わりませんね。Micro$oftだってOutlookExpressのセキュリティホールが頻繁に見つかっててもすぐに直さないんだから,Winnyだけの対策をとっていても全く対策不十分です。ま,グループウェアを入れて専用のワークステーションを組むぐらいはするんでしょうけど。

 Windowsにこだわらず,LinuxにOpenOffice.orgを載せれば大概のことはできるでしょう。OSなしのデルPCにしたのであれば,けっこうコストダウンの効果はありそうなもんですけど。

(引用再開)
 USBメモリなどの持ち運び可能な記憶媒体を通じたデータ流出を防ぐため、媒体にはICタグを貼り付け、無許可での持ち出しを禁止する。併せて、保存されるデータを自動的に暗号化するソフトも導入する。
(引用中断)

 あちゃー。防衛庁のくせに性善説を前提としたシステムにしてやがります。ICタグを貼り付けたら全てが管理できると考えるのはお人よしの日本人だけでしょう。暗号化ソフトにしても,データを利用するときには暗号を解くわけで,デスクトップ監視型のウィルスがやってきたら暗号化なんて意味ないでしょうに。

(引用再開)
 さらに、インターネットの利用による情報流出を防止するため、業務とは無関係なWebサイトへのアクセスを制限する機能を導入するほか、添付ファイルも含めメールの内容を自動的に検査し、業務用データの外部送信を防ぐ機能を強化する方針だ。
 将来的には、システムの入れ替え時期をにらみながらシンクライアントシステムの導入を検討するほか、脆弱性への対応をにらんで、必要なセキュリティレベルに応じた新たなOSの導入も視野に入れていくという。
(引用中断)

 演習で1発ミサイル打つのを我慢すればシンクライアントシステムなんてすぐ導入できるもんでしょうに。「脆弱性への対応をにらんで、必要なセキュリティレベルに応じた新たなOSの導入も視野に入れていく」ってのは,要するに現状のWindowsじゃあ不安で仕方がないということを認めてるわけだから,せっかくデルのPCを一斉に導入する今の時期になぜ新たなOSを導入しないの?って思いますね。

(引用再開)
 制度面では、私有PCの持ち込み禁止、私有記憶媒体の使用の全面禁止といったルールを強化するとともに、こうした制度が有効に機能するよう、定期的な検査を実施。併せて抜き打ち的な臨時調査も実施するという。同時に情報セキュリティに関する教育の実施、ヘルプデスクの設置といった施策も進めていく。(後略)
(引用終了)

 絶句。私有PC持ち込みは今回の騒動の一番の原因だとしても,その他の施策は今までもとられてなかったんだね。防衛庁・・・なんだよね。リスク管理甘すぎない?
posted by 時をかける僧侶 at 23:00| 兵庫 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 時事問題あれこれ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月20日

今日はしこたま飲んだので更新はパス

今日はしこたま飲んだので更新はパスします。次は土曜日に。
posted by 時をかける僧侶 at 22:12| 兵庫 ☁| Comment(0) | TrackBack(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月18日

自民党選んだあなたが何を言う 今さら何がの格差問題

 最近,新聞やテレビを見ていたら「格差」問題をセンセーショナルに採り上げているものが多いことに驚かされます。この問題についての僕の考えをまとめておこう。まずはこのニューズから。

(Apr/13/06 共同通信より引用開始)
【20代の所得格差が拡大 労働経済白書の骨子】
 「労働経済の分析」(労働経済白書)の2006年版骨子で「20代の所得格差が拡大し、固定化が懸念される」と指摘していることが13日、分かった。
 30−40代の正社員でも、成果主義賃金の導入で格差が広がっているとした。また正社員ではない非正規労働者で配偶者のいる割合が低く、少子化が進む要因になっていると分析している。
 「格差社会」が国会で論点となっており、小泉純一郎首相は「先進国と比べて日本では(格差は)決して広がっていない」などと答弁したが、白書は正社員かどうかの雇用形態や年代によって賃金格差が拡大していることを示した。
(引用終了)

 首相の答弁がウソばっかりだというのは今に始まった事ではないので,今更何を言っているんだという感が強いですね。格差が広がっていく社会に変えて行くのが小泉流の改革であって,竹中大臣がその旗を振ってきたという構図は,心ある人達のブログなどを読めば容易に分かってただろうに。僕も何度もこのブログで指摘してきたとおりなんですけどね。それでも去年狂喜乱舞して小泉自民党を選んだ(マスコミは愚民に選ばせた)のだから,つべこべ今更言うなよと。国民の代表達が格差を望んでいる(小泉竹中を支持している)わけだから,どうにもならんでしょうに。

(Feb/06/06 NIKKEI NETより引用開始)
【「自分は下流」37%・日経世論調査】
 上流1%,中流54%,下流37%――。世論調査で現在の暮らし向きを聞いたところ,中流意識が徐々に減少し,自分の生活水準を下流と考えている人が増えていることが分かった。
 バブル経済時代の1987年に行った本社世論調査では,上流2%,中流75%,下流20%との回答だった。この20年間に自らの生活を「中流」ととらえる人が減り,そのまま「下流」意識がふくらんだ格好だ。
(引用終了)

 そりゃそうでしょう。生きる望みはかろうじてあるけど,もはや下流から中流に昇ることは困難な時代なわけで,そりゃあ子供も生みたくても生めんわな。日本人には革命を起こすほどの勇気がある人は少ないでしょうから,甘んじて下流生活を受入れるんだろうなあ。かく言う僕もその一人ですけど(^^;;

 まあこのように,今更ながら「格差」について考え始めているのがマスコミのようです。では僕の考えは?

 一言で言えば「格差は一代限りにせよ」。格差は世襲されるべきではないという考えです。具体的には「格差是正税」の創設。うーん。社会主義的な響きがするかな。
 でも,今のまま格差拡大が続いて一般ピープルがますます無気力になって社会への貢献を考えなくなってしまうことの方がこわいと思います。税体系の作り方次第で「格差是正税」って結構面白いアイデアかなと思いますよ。

 親の代での格差は認めましょう。がんばりに応じて所得に格差が出てくるのは当然だと思います。これまでなくせというのは共産主義的でクレイジーです。でも,次の世代については一度リセットしてはどうか。リセットの手段として「格差是正税」が使えるのではないか。素人考えとして僕はこう思ったわけです。

 より具体的な提案をしよう。
 資産家に子供ができたら,役所に届け出ると同時に,所得税に応じて別途決められた金額の「格差是正税」を支払う。このカネを財源にして,下流層にいるが就学意欲の高い子供やスポーツなどに秀でた子供に資金援助する。もちろんそれに該当しない子供にはやる必要はない。要点は,親子で見る実現可能な夢の達成のためにはカネの心配をさせないこと。夢をもたない親子まで援助する必要はないということ(これまで援助しろって言うようになったら共産党とか社民党になる)。

 資産家は怒らないか?怒るだろうけどなだめる方法はいくらでもあります。勲章あげるとか名誉市民の称号を与えるとか,とにかく感謝されるような位置に据える事ですね。殺し文句として「格差是正税を支払わない者は愛国心が全くないものとする」みたいにしておけば,定義のはっきりしないダマシの「愛国心」を隠れみのにして世襲による格差拡大を防ぐ事もできます。どう?即席の対案だったので今は欠陥だらけですが,練っていけば面白そうな政策に化けそうな気はしませんか?
posted by 時をかける僧侶 at 20:19| 兵庫 | Comment(0) | TrackBack(0) | 時事問題あれこれ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月16日

郷土こそ国より先に愛すべし それをさせぬは国売りの輩か

 前回エントリで「愛国心」について自説を述べました。右の人も左の人も「愛国心」の定義をはっきりさせてから論評せよという内容で,僕の仮定義を披露しておきました。その後ネットを徘徊していると,東京新聞で藤原正彦氏もこの問題について触れられているのを見て,非常に勉強になりましたので,ここで紹介しておきます。
該当ページ

 文章中,こういうやりとりがあります。
――問題となった「我が国と郷土を愛する」という表現はどうですか。

 「私(藤原)は『家族、郷土、祖国、人類』の順番で愛を教えるべきだと言っている。真ん中の二つが入っているのは、いいんですが、身近なものから教えるのが教育だから、『国』が『郷土』よりも先に来るのはおかしい」

 藤原氏の主観にすぎないと言ってしまうことはできますが,郷土よりも国を先に持ってくるところに,「教育者」ではない政治家および官僚の思惑が露見しているという指摘は鋭いですね。さすがに本質をズバリ言い当てる大数学者です。政治家にとっては,郷土を愛されては困るんですよね,特に沖縄とか山口の岩国の人達には。

 読売はフライングっていうか完全に誤報までして国のお先棒を担いでいるわけだけど(→ 参考),米軍なんぞに美しい島をこれ以上荒らされるのは我慢ならんというのが,普通に郷土を愛する沖縄県民の思いなわけで,彼らにとっては一報道機関にすぎない新聞社なんぞに,国!国!国!への愛を強要されるというのは不愉快きわまりないことでしょう。東京でぬくぬくと記事書いているようなヤツらに言われたかねーわな。

 藤原氏が指摘するとおり,権力者(政治家・官僚)の頭の中は,日本の一般ピープルは地方を捨てて中央の意見を聞くのが「愛国心」だという気持ちで一杯なんでしょう。そして当の権力者達にとっての「愛国心」の対象というのはアメリカ様。アメリカ様のために郵政を民営化して一般ピープルのカネを外人の好きなようにさせ,アメリカの食肉業者のために日本の一般ピープルをクロイツフェルトヤコブ病のリスクにさらし,アメリカの大企業に高い技術力を有する日本の会社を簡単に買収しやすくさせ,アメリカの医療業界の利権のために混合医療を導入させ(アメリカでは失敗しているいわくつきのもの),アメリカの弁護士を日本で活躍させるために法律を変えてあげています。立派な「愛国心」だこと!

 アメリカのガセネタで始まったイラク戦争への自衛隊派遣についても,アメリカ様への「愛国心」で一杯でしたねえ,小泉さん。「当初は信用に足る情報だった」って永田議員も言ってたよ,安倍長官。ま,あとは中国への「愛国心」で一杯な連中をつらつらと挙げていくべきなんでしょうけど,さすがにこっちも多いからなあ。橋龍,野中,河野,二階・・・。おっと小沢も岡田もじゃないか。頼むから皆さん,日本のことを第一に考えておくれよ・・・。
posted by 時をかける僧侶 at 22:16| 兵庫 ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | 時事問題あれこれ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月14日

愛国心その国というのは日本だよね 定義がないから揉めるんですよ

 新教育基本法(与党合意)の「愛国心」を巡っていろんな新聞が社説を展開しています。右・左の区分で言えば相変わらずの分かれ方になりますが,「愛国心」の定義からきっちりと書いて対論を論破しているものはありません。一番大事なところなのにね。

 僕の意見はこうです。

  1. 「愛国心」とは,各々が快適な生活や行政サービスを受ける権利を有している国に対する感謝の心である。
  2. 「愛国心」は学校で教えなければならない概念ではなく,家庭・地域でしっかりと馴染ませることが肝要である。
  3. 学校は「愛国心」を侮蔑ないし軽視した生徒を罰する義務を負う。当然,教師もそこに含まれる。

 まず1点目。
 「愛国心」とは,各々が快適な生活や行政サービスを受ける権利を有している国に対する感謝の心,という定義はやや堅いのですが,本質はこのとおりです。間違っても「国を愛する心」などという寝ぼけた定義をして,わかったような顔をしていてはいけません。例えば産経新聞や読売新聞が「愛国心」云々と言うときは,「国」というのが日本のことを指しているのかアメリカのことを指しているのか,わかりません。定義がはっきりしない,という本来絶対あってはならないミステイクが放置されたままなのが原因なのですが,右側の人達は議論の作法を知らないまま知った風な口しか聞けないから始末が悪い。

 具体例を上げるとしつこくなりますが,読売新聞が展開し続けている,アメリカ産牛肉の早期輸入解禁なんかが典型です。日本の国民が嫌がっているのにも関わらず,やれ全頭検査は科学的ではないだの,日本の基準が世界に合わないだのと言っては,アメリカの国益のために早期輸入解禁を促してきました。そこには日本人への愛なんて見れませんね。産経もしかり。日本を愛しているのなら,なぜアメリカから毎年要求されている「年次改革要望書」について警鐘を鳴らさないのですかね。中国の内政干渉には勇ましく吠えるくせに。両紙の新聞記者は今度できる教育基本法に沿った教育を小学生からもう一度受けなきゃいけないね。

 定義がしっかりしないからピントが外れているのは左側も同じ。何かというと彼らは戦前の八紘一宇だとか総玉砕だとか「欲しがりません勝つまでは」みたいな精神を引っ張り出して,「愛国心」を暗いイメージに留めようとします。彼らが「愛国心」を警戒しているのは,「愛国心」の御名の元に何でもかんでも国の要望が許されたら困るというだけであって,それは子供の教育とはほとんど関係がないことです。関連法案を大人が話しあって決めるレベルの話を子供の教育に拡大して語るのはピント外れも甚だしいですね。

 具体例をあげておきましょうか。こんな例なら「愛国心」に警戒すべきですが,やはり子供の教育とは関係ありません。
”国の財政危機を払拭するために預金封鎖を実施する。これは愛国法案だから反対は許さない。愛国心に覚えのある者は進んで私財をお国のために提供するように。また,天下り役員に渡す退職金が足りないので,愛国心にあふれる者は進んで私財を投げ打つように。逆らったら愛国心が足りないと見なして相応に罰する。”

 2点目。
 定義をそのとおり捉えれば,そもそも「愛国心」は学校で上から目線で教えなければならない概念ではないことは明らかです。憲法によって最低限の生活が保証され,言論の自由をはじめとした様々な自由(国家権力に対する自由)まで保証されているのですから,そのような幸せな国に生まれ育っていることを折りに触れて家庭や地域で気付かせれば,自然と感謝の心が湧いてくるものです。

 この自然と湧いてくる感謝の心こそがまさしく「愛国心」なのであって,学校で教えないといけないことではありません。家庭や地域こそが「愛国心」を植え付ける役目を負っているのであり,そこの力が非力になってきたからといって学校にその役割を押し付けるのは間違いの元にしかなりません。感謝の心を他人にお願いして植え付けてもらおうなんて,親の教育の放棄にしか思えません。こう考えると,教育基本法の前文に入れるかどうかなんていう不毛な議論も一切必要ありませんね。

 3点目。
 じゃあ学校は何をすべきか。当然,家庭などで植え付けられていなければならない「愛国心」を見ているだけでよいことになります。もし「愛国心」を侮蔑ないし軽視するような生徒が現れれば,罰を与えればよい。理屈はいりません。感謝の心を踏みにじるような子供には罰を与えて当然です。

 こんなこと書くと左側の人達が怒り出すかもしれませんが,別に学校で「愛国心」を強要しているわけではなく,あくまで家庭や地域での取りこぼしをチェックしているだけですので,公務員による内心の自由の侵害には当たりません。法律にもひっかからないので非常にクリアですね。

 そもそもなぜ罰が必要かと言うと,我々が普段常識として手に入れている「自由」というものは,多くの先達が幾多の血を流して勝ち取ってきた非常に貴重なものだからであり,その「自由」が保証されている国家への感謝の気持ちが持てないということは,「自由」をも否定していると考えられるからです。原理的に言えば,そんなに「自由」が嫌なら日本国籍を剥奪しないといけませんが,それはやりすぎですから罰を与えるわけですね。

 同じ事は教師にも言えます。日教組の洗脳で頭をやられている教師達はぴーちくぱーちく騒ぎ出すんでしょうが,そもそもぴーちくぱーちく騒げる自由が保証されている国に住んでいるんだから感謝しなさいよと。大人なんだから。ということで「愛国心」を侮辱する教師や,そのような子供を見逃すような教師は罰せられないといけません。

 長くなりましたね。最後に蛇足になりますが,我が国は戦争に負けてアメリカ様から民主主義や自由の概念を輸入させてもらいました。だから右側の人たちは,「国益」とか「愛国心」って言うと日本のことじゃなくてアメリカのことを考えるようになってしまっているんでしょうね。アメリカ様のおかげで日本は民主国家になれました。ありがたや〜ってな感じで。

 でも例えば,日米安保の条文のどこにも,他国への軍隊共同派遣とか戦費捻出とか義務付けされていないのにもかかわらず,イラクには軍隊送り込むし,「自衛隊のいるところが非戦闘区域だ」とか寝言をほざくし,湾岸戦争では感謝もされない金ばっかり出しましたね。やりすぎだと思っていないのかなあ。もういい加減アメリカへの愛国心は見直すべきだと思います。真の「愛国心」を育てて日本の国益を考えるのであればね。
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2006年04月12日

うるさいぞアリコアリコと連呼して 日本の愚民も洗脳完了?

 現在起こっている社会の動きについて,自分の頭で理解していくために有用な方法は,様々な新聞の社説を読んでみることだと思います。一方的に賛同しすぎてはいけないし,先入観が強くていつも斜めから読んでしまってもいけない。そのバランス感覚を育みながら,自分の思想の軸を作り上げていく。そういう作業を毎日していきたいものです。今回は昨日の読売の社説が面白かったので採り上げます。

(Apr/11/06 読売新聞社説より引用者による要点箇条書きにて引用開始)
[生保の情報開示]「契約者重視の経営へカジを切れ」

  • 保険料は、多くの家計にとって税金と同じくらい重い負担だ。それがどうやって算定されるのかは、契約者が最も知りたい情報の一つに違いない。
  • 明治安田生命保険が、「3利源」と呼ばれる利益の内訳を、今年3月期決算から業界で初めて公表する方針を決めた。契約者の疑問に答え、経営の透明性を高める動きである。
  • 3利源は保険金の支払い、資産運用、経費の3分野について、予想と実績の差から生まれる損益のことを指す。
  • これまで、生保業界は「メーカーで言えば製造原価に当たる」と、公開を頑(かたく)なに拒んできた。だが,公開を決めた背景には、明治安田の追い詰められた状況もあった。
  • 昨年、約52億円に達する巨額の保険金不払いが明らかになり、金融庁から新商品の販売停止という厳しい行政処分を受けていた。
  • これに対し、生命保険協会の横山進一会長は3利源の公開について、「弊害あって一利なし」と否定的だ。公開すれば各社の数字が比較され、「この会社は3利源の利益が多く、保険料は高過ぎる」と、保険料引き下げ要求が噴出することを恐れている。
  • 3利源が経費の削減努力など、経営をチェックする重要な判断材料の一つになることは確かだ。誤解が生じないように、生保は公表する際に数字の意味を丁寧に説明すればいい。
  • 生保業界以外では、同じような保険を扱う日本郵政公社の簡易保険や一部の共済が3利源をすでに開示している。
(引用終了)

 僕は金融機関に勤めていたので「3利源」についての話にはなじみがあり,マル秘中のマル秘事項だという理解をしてきました。明治安田は自らのスキャンダルの汚名挽回を期して,このマル秘情報を公表するらしい。

 他の生保にとっては迷惑以外の何者でもない,明治安田の暴挙ということになるのでしょう。生保協会の会長の一言に全てが現れています。これを保守的と見るかどうかは契約者のリテラシーに依るのでしょうけど,僕としてはそこまでする必要はないのではないかと思います。

 理由は3つ。1つ目は,やるなら全生保に法令で義務づけさせないと,公表しない生保が後出しジャンケンで優位に立ってしまう恐れがあるから。アリコとかアメリカンファミリーが率先してやりますかね?やるはずないでしょう。そして手の内をさらけ出してしまった国内生保の弱点を突いて,ますます外資系カタカナ生保が幅を利かすようになってしまうでしょう。だから,やるなら義務づけて,やらない生保には国内で販売させないという方針にしないといけません。まあ,アメリカ政府に怒られるから,こんなことは無理でしょうけど。

 2つ目の理由は,保険のプロが各社の経営状態を知るための分析材料として「3利源」情報が使えるのはウェルカムですが,素人の契約者がこれらの数字を見てどんな判断を下すのか,かえって危険ですらあるなあと思えるからです。数字の独り歩きしてマスコミがそれを煽り,疑心暗鬼に陥った素人契約者が泣きつくのは,耳障りの良い広告をバンバン打ち出している外資系。広告をいっぱい出してくれて情報コントロールを受けざるを得ないマスコミがその片棒を担いで,最後にはアリコにいっぱい契約が流れる・・・。

 最後の理由。ちょっと陰謀論っぽいですが,アメリカの対日年次改革要望書でしつこく書かれてきた,日本の生保市場,とくに郵政の簡保資金を効率的に外資系に流すための一手なのかもしれないからです。すでに簡保は開示しているらしいのですが,日本の保険市場をごっそり持っていこうと考えている人達が海の向こうにいるとしたら,彼らはスキャンダルで青色吐息の明治安田をスケープゴートにして何もかもいただいてしまおうと考えているかもしれません。ま,これはいつものごとく考えすぎではありますが,可能性としてはゼロではないだろうなあと思っています。

 保険までもアメリカ人の裁量のままになってしまうことを危惧するのであれば,何でもかんでも情報開示を求めるべきではないと僕は思います。ま,改革が好きな首相ですから,意味も分からず竹中大臣が言うとおりに進めてしまうんでしょうけど。農協の共済だけは最後まで抵抗してくれるかなあ。

 さて,このエントリではアリコを目の敵にしましたが,ちゃんと根拠はありますよ。まずはこれ。

(Feb/10/06 YOMIURI ONLINEより引用開始)
【AIGが16億ドル支払いで和解へ…不正会計問題 】
 不正会計問題が発覚していた米保険最大手AIG(アメリカン・インターナショナル・グループ)は9日、制裁金など総額16億4000万ドル(約1950億円)を支払うことで米証券取引委員会(SEC)、ニューヨーク州当局などと和解した。
 1社が規制当局に支払う和解金としては、過去最大規模という。
 和解金のうち8億ドルは誤った財務情報で損失を被った投資家に支払われる。AIGは内部監査を強化することでも当局と合意した。
 AIGに対しては、保険金支払いに備える保険準備金を過大に見せかけたり、引き受け業務で発生した損失を隠したなどの疑いが浮上。SECが調査に乗り出し、ニューヨーク州の司法当局も昨年5月にAIGを提訴していた。
 AIGのトップに38年間君臨したモーリス・グリーンバーグ前最高経営責任者(CEO)はこの問題をめぐり昨年3月に退任したが、不正経理は認めず、今回の和解にも加わっていない。今後はグリーンバーグ氏らへの責任追及が焦点となる。
(引用終了)

 ガンガン広告料を払ってくれるAIG(アリコなどの元締め)の文句を日本のメディアが書けるわけがなく,テレビも扱おうとしませんでした。この1ヶ月前にホリエモンがたった50億円の帳簿の付替えをしただけで逮捕されて大騒ぎになったのにね。他にも下のようなブログを参考にすると,いろいろ見えなかったものが見えてくるようになりますよ。

【アリコだけではなかった!外資生保の実態!脱税、免責告知違反、ダミー会社、不払い、ケイマン諸島・・・】(Oct/01/05 在京マスゴミ最大のタブー、アリコ粉飾決算)

(雑記)
soudattanokajpg.jpg 生保業界に詳しい佐藤立志氏の『そうだったのか!「医療保険」の本当のところ』光文社は,まずまずお勧めです。
 この人はブログも書いているので,ちょくちょく僕も見に行ってます。ご参考まで。
http://www4.diary.ne.jp/user/429793/
posted by 時をかける僧侶 at 16:06| 兵庫 ☁| Comment(1) | TrackBack(0) | 日米従属関係 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月09日

早ければ良いというのは間違いよ 英語教育は出口が肝心

 明日から四国のお遍路巡りに出かけますので更新できません,と最初にお知らせしておきます。

 さて,今日は小学生に英語を習わせるべきかどうかという問題についての日経の社説を採り上げます。これは人それぞれ考えがあることでしょう。僕の考えもちょいちょい述べていきます。

(Apr/07/06 日本経済新聞社説より引用開始)
【小学校英語教育を前向きに考えよう】
 小学校で英語を必修科目にすべきかどうか議論が活発になってきた。文部科学相の諮問機関である中央教育審議会の外国語専門部会は先月末,必修化に賛成する報告をまとめた。日本が国際化時代を生き抜いていくために英語教育の充実は避けて通れない。小学校での必修化を前向きに考えるべきである。
(引用中断)

 日経はこのとおり,小学生から英語を学ぶということについて積極的です。ただし,このパラグラフには首をかしげざるをえない箇所があります。「日本が国際化時代を生き抜いていくために英語教育の充実は避けて通れない」という一文がありますが,これをいかに考えるか。

 僕の持論を述べますと,何も小学生の頃から「生き抜く」ことを目的にした教育を積極的に進めるべきではありません。目的が不毛です。こんな理由で英語教育が正当化されるのなら,「生き抜く」ために殺人ゲームを繰り返してさせるべきだし,「生き抜く」ために友人を騙す事を奨励すべきです。これは極論のようですが,本質は同じです。小学生に「生き抜く」ことを考えさせなければならないほど,世界で孤立しているわけではありません。どこまでもアメリカにシッポを振って世界で孤立したいと考えているのならこのような社説を出せば合格点がとれるのかもしれませんがね。

 日本人の全員が英語をしゃべる必要なんてないし,真の国際化とは日本語の国際化も含まれるわけで,何も宗主国の言語を不磨の大典のように扱う事ではありません。まして,日本語教育の充実を述べる前に異国の言語を小学生に強いるなど,ますます日本人の「日本離れ」「自虐史観」を助長させる事にしかなりません。日経は日本人の弱体化はまだまだ不十分だと言っているのでしょうか。

(引用再開)
 小学校の英語教育はすでに約9割の学校で実施されている。平均月1―2回,総合学習の時間などを使い英語で歌ったりゲームをしたり,簡単なあいさつを教えている。専門部会はこれを小学校高学年で週1回程度に授業数を増やし,必修にするよう提言した。
(引用中断)

 へえ。英語の歌を歌ってゲームをしたら「生き残れる」のかいな?

(引用再開)
 戦後の英語教育は大失敗に終わった。長い間習っても大多数の人には使い物にならないというのが悲しい現状だ。その反省に立てば小学校から英語に親しむ環境を整えることは一つの選択肢となる。
(引用中断)

 違う。学校で習ったあとに,社会が英語を使う機会をコンスタントに提供しなかった(あるいは自発的に求めなかった)のが原因です。じゃあ,お尋ねしよう。中学校で習った「ピタゴラスの定理」について数学的な証明をせよ。なぜ太陽は東から昇るのか理由を述べよ。モルワイデ図法とメルカトル図法の長所と短所をそれぞれ述べよ。即答できるかい?テストに出るから一度は覚えても,その後に使わなければどんな科目だって,せっかく覚えたものでも使い物になりません。小学校から英語を習っても,大半の人間が中学校なり高校を卒業したら英語を使う機会はめったにないでしょう。本質は同じです。問題は始める時期じゃない。コンスタントに使わせる機会を奪っていることが「長い間習っても大多数の人には使い物にならない」問題の本質なのです。

(引用再開)
 だが,必修化にあたっては様々な課題がある。
 第一は国語力との関係である。国際的にも日本の子供たちの国語の読解力の落ち込みが明らかになっている時に英語を持ち込めば,ますます国語力が落ち,思考能力そのものも弱まるとの懸念がある。
 確かに国語力の低下は問題である。しかし,英語と国語を対立する概念でとらえる必要はない。専門部会報告が指摘するように,英語教育を広い意味でのコミュニケーション能力を高める教育の一環として位置づけ,国語教育と英語教育を結び付ける工夫は可能だろう。
 それに週1時間程度の授業で国語力に支障が出るとも思えない。
(引用中断)

 全然ピント外れですね。敬語すらまともにしゃべれない子供たちに高度なコミュニケーション能力を求めるなんて,木に依りて魚を求めるが如し。社会に出たら英語しか使ってはいけないというような,戦前の朝鮮人のような(彼らにとっては日本語でしたが)制約があるのならまだしも,会社員になるほとんどの人間にとっては英語よりも敬語の勉強の方を優先させるべきでしょう。
 僕に言わせれば「週1時間程度の授業で英語力に効果が現れるとは思えない」。百人一首のカルタでもさせた方がよっぽど良い影響を与えることができると,僕なら自信を持って言えますね。

(引用再開)
 教える人材の確保も大きな課題である。英語の音に慣れさせるためには外国人による授業が望ましい。それによって外国人から直接その国の文化や地理について勉強するなど様々な付随効果も期待できよう。
 だが全授業を外国人が担当する必要はない。全国約2万3000の小学校に外国人を確保するには膨大な費用がかかる。限られた予算の中でも地域の住民のボランティアの活用など工夫の余地はある。インターネット,ビデオ,CDなどの教材を活用する道もある。
(引用中断)

 だ・か・ら?日本の47都道府県の位置も県庁所在地もスラスラ言えない子供たちによその国の文化や地理を教えてどうするの?順番が違うでしょう。自分の住んでいる県の特徴も歴史も知らない人がほとんどなんですよ,我が国の住民というのは。買いかぶってもらっては困りますよ。小学校から英語を勉強したい人は自費で英語教室に通ってお勉強したら良いだけの話です。

(引用再開)
 小学校で必修化する場合,成績をつける課目にするかどうかという問題がある。小学校から英語嫌いを増やさないためにも成績をつけない教育でよいだろう。
 英語教育の改善は小学校での必修化で終わる話ではない。使える英語をめざし,中学校,高校での見直しも進めなければならない。
(引用終了)
 
 僕が学校の先生なら,成績をつけなくて良いのだったら百人一首のカルタをさせますね。英語をやったことにして,ね。
 使える英語なんて,実際に使う場面を繰り返し繰り返し経験させないと身に付きませんよ。中学校・高校ではきちんとした文法を習わせるべきです。そのバックボーンがあってこその使える英語です。スラングまじりで文法むちゃくちゃの英語がしゃべれても,それは国際化などではなくって,単なる英語という他国語の冒涜でしかありません。これってものすごく失礼なことですよ。失礼な日本人は増やすべきではないと僕は思うんですけどねえ。
posted by 時をかける僧侶 at 23:03| 兵庫 | Comment(0) | TrackBack(1) | 社説批評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月06日

MacでもWinが動くソフトかな アップル自前で作ってるとは

 小池百合子大臣重病説を裏付ける病名をスクープした『週刊新潮』が出ました。って言っても小泉チルドレンには全く興味がないのでスルー。というわけで,今日は軽いけどグッとくるニューズを持ってきました。次の記事をご覧ください。

【アップル、Boot Campを発表】IntelベースのMacでWindows XPの利用を可能にするパブリックベータソフトウェア(Apr/05/06 ) 

 サブタイトルをご覧になればわかるとおり,Intel Mac(今年登場したインテルCPUを搭載したMacintosh機)でWindowsXPが動くソフトがAppleから提供されたらしい。ま,ベータ版なので保証はしないけどねっていういつもの但し書きはありますが,これってキラーもキラー。僕は間違いなく,次期MacOSX Leopardが出る頃(いつや?)にはIntel Macを注文しているでしょう。どうです?グッときたでしょう?

 思えば,MacOS上でWindowsを動かそうというエミュレーションソフトが過去にいくつかあり,僕は「VirtualPC」というのをしょっちゅう利用していました。銀行員時代は嫌でも会社でWindows機(IBMのThinkPadシリーズ)を使わざるをえませんでしたので,家のiMacG4(当時)に載せた「VirtualPC」を動かしてMicro$oftのExcelで稟議書を書いて,次の日にUSBフラッシュメモリに入れて持っていくというようなことをしょっちゅうやってました。情報流出リスクはもちろんありましたけど,当時みんなやってたし,時効だから許してね。

 その「VirtualPC」ですが何回もアップデートを繰り返して,速度もまずまずっていうぐらいまでの水準には到達していましたが,突如,ソフト制作会社(名前忘れた)を,なんとMicro$oftが買収してしまい,Micro$oft嫌いの僕は当時ぼう然としてしまった記憶があります。それ以来「VirtualPC」は使っていません。いいソフトだったんだけどなあ。

 でもWordはともかくExcelがなければ仕事にならないので,泣く泣くMac用のExcelを買ってきてインストールして使ってました。互換性は現在でこそ十分なものですが(マクロは動かないものが多い)当時は文字化けしたりレイアウトが崩れたりと散々。しばらくしてOpenOfficeを組み込んで(Macネイティブ版じゃなくてUNIX向けパッケージね)使ったりしてましたが,不便きわまりありませんでした。それでもWindows機は意地でも買いませんでしたけど。

 Intel Macが出ると決まったときにはすでにMacOS上でWindowsを走らせる計画があちこちで始まってましたし,今月号の『MacFan』でも完動したという報告がありましたので,別にAppleががんばらなくても実現したことなのかもしれません。でも,時代は変わったんですねえ。まさかApple自身がWindowsXPが動くソフトを作っていたとは!こりゃあAppleも本気やで。Windowsのシェアをちょっとでも崩すためのキラーソフトになるでしょう。いつでるかもわからないWindows Vistaなんて放っておいて,Mac派はますます元気付いてきました。

 心配するとしたら,日本での動き。Windowsは日本ではちょうどWinnyや情報流出やと騒がしいように,ひょっとしたらMacにスイッチした人が「Boot Camp」を使ってWinnyを走らせて,キンタマウィルスに罹患してしまったら・・・。今から心配するほどのことでもないか。

 ちなみに,このニューズはマーケットでもかなり好意的に迎えられたようです。

(Apr/06/06 NIKKEI NETより引用開始)
【米アップル,株価10%上昇・「ウィンドウズ対応」好感】
 米アップルコンピュータは5日,自社のパソコン「マック」でマイクロソフトの基本ソフト(OS)「ウィンドウズ」を利用可能にすると発表,株価は前日比9.9%高の67.21ドルに上昇して引けた。市場では,9割以上のシェアを持つウィンドウズ搭載パソコンからシェアを奪う機会になるとの見方が台頭した。
 証券アナリストやハイテク専門家の間では,ウィンドウズ対応ソフトも使える安心感が生まれ,マックの販売増につながるとの見方が大勢を占めた。「マックのデザインや操作のしやすさに顧客の目が向き,パソコン最大手デルやヒューレット・パッカード(HP)にとって脅威になる」(フォレスター・リサーチ)との指摘も出ている。
 マイクロソフトは同日,「アップルの顧客がウィンドウズ利用を望み,アップルがその要求にこたえるのは喜ばしい」とのコメントを出した。世界のパソコン市場でのアップルのシェアは2005年で2%強。
(引用終了)
 2%のシェアが4%になるだけでシェア倍増!っすからねえ(ちょっと自虐的な嫌味)。

(参考)
【Intel MacがWindows XPにネイティブ対応--アップルの動きに好評価】(Apr/06/06 CNET Japan)

【アップルの「Boot Camp」、Macユーザーからも賞賛の声】(Apr/06/06 CNET Japan)

【もうみんなMacを買えばいいと思う――Apple純正「Boot Camp」をさっそく試した】(Apr/06/06 ITmedia)
posted by 時をかける僧侶 at 22:46| 兵庫 ☁| Comment(0) | TrackBack(2) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月04日

情報はカネで買うものもらうもの タダより高いものはなきかな

 僕の好きなサイト「ストレイ・ドッグ」の山岡さんがついにブログを有料化されることを決定したようです。
該当ページ

 二階堂ドットコムでも話題になっていましたが,やはり既存の新聞やテレビをはじめとした大手マスコミの報道姿勢から疑問符が取れない以上,そろそろ我々も考えを改めて,余分なお金を払ってでも有用な情報を得るという行動に出なければならない,そんな時代がやって来たのだなあと感じています。大手マスコミの限界については僕のこのブログでもしょっちゅう書いてきていますとおり,多額の広告主の顔色を慮った記事や特集に偏り,官邸からの圧力に容易に屈し,中国からの内政干渉には過敏に反応するくせにアメリカからの年次改革要望書などを無視するなどというポチぶりが目に余るので,僕も本格的に本物の情報にお金を投じていこうと思うようになってきました。

 幸い,僕は書籍にだったらいくらでもお金を投資しても後悔しない人間ですから,1年間の購読料がわずか9,000円ですむのであれば喜んで投資します。思えば,そのように考えて一昨年ごろから「これは!」と思うものにどんどん情報料を投じてきました。例えば,

  • 副島隆彦の学問道場(→サイト
  • 日垣隆「ガッキィファイター」(→サイト
  • 日刊ベリタ(→サイト
  • J−CIA(旧nikaidou.com →サイト
など。

 まだ無料で読めるけど,有料になっても読むだろうなあというサイトで代表的なものは,

  • 株式日記と経済展望(→サイト
  • 小泉の波立ち(→サイト
  • 田中宇の国際ニュース解説(→サイト
  • 経済コラムマガジン(→サイト
  • 国際戦略コラム(→サイト
  • 宮崎正弘の国際ニュース・早読み(→サイト
など。

 もちろん,これらのサイトに書かれてある事が全て正しいとは思っていませんが,クオリティの高さでは新聞を追い抜いているところばかりですし,遠慮のない歯に衣着せない論評が読めるので,新聞のように何が言いたいのかさっぱり見えてこない報道とは違った分析が参考になって実に有益です。僕は今まで約2年間,これらのサイトをくまなく毎日読み続けて来たおかげか,随分と知識の幅や柔軟性が身に付いたなあと思っています。無料で読ませていただいたサイト管理人の方々に感謝感謝です。

 これからも「これは!」と思うサイトにはお金を支払ってまでも情報を求めるつもりです。有益でなければ読者も減るだろうし評判も落ちるだろうから,有料サイトの管理をする人達はかなり真剣にならざるをえず,ますます洗練された情報提供が期待できるだろうと思います。政府のプロパガンダしかできない大手マスコミの言論だけを信じて一億総玉砕,総懺悔なんていう歴史を繰り返したくありませんので,僕は例え有料であってもコストに見合った効用が得られるのであれば惜しみなく投資を続けるでしょう。やはり良い情報は無料で簡単には手に入りにくいですから。
posted by 時をかける僧侶 at 23:18| 兵庫 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 情報収集・サイト紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月02日

世界一読まれる社説がこのレベル 何必死こいて読者騙すの

 約1ヶ月前のネタになりますが,読売の社説を紹介します。

(Mar/09/06 読売新聞社説より引用開始)
[国の資産売却]「財政再建の切り札にはならない」
 国の資産を売却すれば,財政再建が一気に進むかのような幻想を振りまいてはならない。
 自民党の財政改革研究会(会長・中川秀直政調会長)が,国が持つ資産の売却を急ぐ方針を打ち出した。中川政調会長は資産総額の6割は売却できると語っている。
 だが,それは無理な話だ。資産には国に不可欠な施設が含まれており,総額の6割など,売却できるわけがない。資産売却が財政再建の切り札にならないことは明白である。
(引用中断)

 すごい。読売もやっとまともなことを書くようになりました。ここまで読んで,僕はそう思いました。でもこのあとちょっと変な方向に逝きます。

(引用再開)
 国有資産を売りさばき,売却益で財政赤字を減らす。その結果,近い将来予想される消費税率の引き上げ幅を抑制し,引き上げ時期も先送りできる。中川政調会長はかねてからそう主張している。
 財務省によると,国の資産総額は696兆円に上る。一方,国と地方を合わせた長期債務は,来年度末で775兆円と見込まれる。資産がすべて処分できれば長期債務の大半が消える計算だ。だが,それは絵に描いた餅(もち)とすら言えない。
(引用中断)

 中川の経済音痴ぶりを指摘するとは,読売もなかなか腕を上げたなあ。でも,待てよ。何も中川は696兆円全部売り払って借金を返すとは言ってないぞ。読売・・・暴走開始ですか?

(引用再開)
 資産のうち,貸付金は290兆円あるが,大半は財投債など,長期債務に計上されない借金で調達されたものだ。80兆円の外貨資産も,政府短期証券による借金を原資とする。貸付金の回収や外貨の売却で得た資金を返済に充てても,長期債務の削減にはつながらない。
(引用中断)

 中川が「長期」債務の削減ができると言ったか言ってないかは未確認ですが,長期だろうが短期だろうが債務を減らすのは僕は悪い事だとは思いません。むしろ金利上昇局面なんだから償還が来る国債の借換えとか運転資金的な短期債務を返済するのは悪くないと思います。金利が上がって(目先で)困るのは,償還を迎えた借金の借換えの時に予算を越えてしまう金利での借り入れにならざるをえなくなるときですから,5〜10年先に償還を迎える長期債務の心配なんてしなくてもいい。その間は固定金利のクーポンだけ払ってたらいいんだから。ま,借換え債の額が来年から130兆円を超えてくるから,額の大きさという意味で心配はしないといけないんだけどね。

 80兆円の外貨資産についてはもっと解説が欲しいですね。日銀法では長期国債の引受は禁止されているけど短期証券の引受はOKっていう理屈で日銀に引受けさせているやつでしょう?ようするに中身はアメリカ国債でしょ?これ売っちゃえばいいんじゃないの?

(引用再開)
 131兆円の公共用財産は,道路,港湾,河川などで売却は不可能だ。その他の不動産も多くが庁舎,防衛施設などに使われており,売れる物件は少ない。
(引用中断)

 中川は道路とか川とか防衛施設まで売れって言ってたのか?それだったら読売が怒るのは当然ですね。原文未確認の僕がギャアギャア言うのも何ですけど。

(引用再開)
(略)研究会は資産売却の候補として,まず国家公務員宿舎を挙げた。東京都心の宿舎などを視察し,今後の売却基準を明らかにした。
 都心の宿舎は,近隣の民間物件よりも家賃が破格に安く,国民の批判を浴びている。一等地の豪華物件はもちろん,売却を急ぐべきだ。だが,宿舎の大半を処分するのは行き過ぎではないか。
 民間でも転勤者用に社宅を用意している企業は多い。公務員宿舎もある程度は必要だ。研究会の視察は“官僚たたき”に便乗したパフォーマンスに見える。
 仮に宿舎が高値で売れたとしても,巨額な国と地方の長期債務に対して,焼け石に水でしかない。
 財政再建の王道は,歳出削減と消費税率引き上げなどによる税収の拡大だ。責任政党として王道を歩むことが自民党の役割であるはずだ。
(引用終了)

 民間の社宅うんぬん以外に公務員宿舎がある程度必要だとする論理的な理由が読売の社説には書かれていません。“官僚たたき”を逆手にとって非論理的な役人擁護を語るのはセンスのなさが露呈しています。借上げのマンションなりアパートなりで済ませられない理由は何なのか,僕はそれが知りたいです。民間だって例えば上場企業だったら,社宅などという1円も収益を生まない資産を持っていたら株主からおしかりを受けるから,確実に費用化できる「借上げ」への移行を進めてるでしょう?行き過ぎでも何でもない,至極全うな提案だと僕は思うけどなあ。

 しかも「巨額な国と地方の長期債務に対して,焼け石に水でしかない」なんて書いちゃだめ。歳出削減って言っても予算は86兆円からどれだけ減らせると思ってるんでしょうね。せいぜい数兆円程度でしょう。消費税引上げだって,上げすぎたら消費が急減して不況に逆戻りするでしょう。食糧・エネルギーなどの生活必需品の消費税まで上げたら地獄ですよ。前エントリで書いた通り二極化が進んでるんだから。生活保護を受けている人からも消費税をむしりとるっていうのは憲法13条に違反しまっせ。消費税は嗜好品税化して,例えばレクサスには20%の消費税とか,ヴィトンのバッグには30%だとかの形にしないと,全くの逆効果になりますよ。
 こう考えたらこれらの「王道」にしたって焼け石に水ですよ,額だけで考えたらね。そうじゃなくって,お役人の理不尽な特権をまず見直す目的で可能な範囲で資産売却してからでないと,「王道」のはずの消費税引上げなり歳出削減なりは国民の支持は受けられませんよっていう書き方にしないと。読売の社説はホントに浅いなあ。
posted by 時をかける僧侶 at 22:37| 兵庫 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 社説批評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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