2006年01月30日

悪いのはアメリカだけではなかったの 輸入を急いだ理由はどこに

 アメリカ牛肉問題が新たな展開を見せているようです。今日は書評を書くつもりだったのですが,この話題が出れば放っておくわけにはいきません。

(Jan/30/06 東京新聞より引用開始)
【米産牛肉 閣議決定守らず輸入再開】
 昨年十二月の米国産牛肉の輸入再開の決定に際し,事前に担当官を米国に派遣し処理施設を現地調査するとの閣議決定方針を守らなかったことが明らかになった。中川昭一農相は三十日午前の衆院予算委員会で「閣議決定通りにしなかった。この場でおわびさせていただく」と謝罪。(略)
 中川農相は事前調査しなかった理由について「現実には輸入プログラムが動きださないと視察に行っても意味がない」と説明した。
 これに関連し,民主党の前原誠司代表は同日午後,記者団に「農相の罷免は当然だ」と述べ,辞任を求める考えを示した。
 小泉純一郎首相は二十六日の同委で「日本は食品安全委員会の報告を踏まえてきちんと対応した。責められるべきは米国側だ。なぜ日本が責められるのか分からない」と答弁しており,首相の対応も問われることになる。
 民主党の川内博史氏から出された質問主意書に対し,昨年十一月に閣議決定された政府の答弁書には「輸入再開以前に,担当官を派遣して米国における食肉処理施設に対する現地調査を実施することが必要と考えている」と明記していた。
(引用終了)

 報道番組で特集されてましたね。自民党のみっともない部分が噴出している昨今,これもスルーするわけにはいかない大きな問題になっていきそうです。
 決められたことがきっちり守れないのはアメリカだけではありませんでした。日本は大臣がすっとぼけてたっていう大スキャンダル。閣議決定を守る必要がないのであれば閣議なんていらないわけで,どんな言い訳をしても自己保身にしか聞こえません。中川大臣には好印象をもっていたので残念ですが,かくなるうえは堂々と謝罪して責任をとってもらいたいものです。

 大臣の責任論は明日以降きっちり対処されることでしょうから,ここでは詳しくは踏み込みません。この,閣議決定されたとおりに任務を遂行しなかった結果の話をちょっとだけします。

 輸入再開が始まる事前にきっちり調査していれば,アメリカの杜撰な検査体制を見抜けたかもしれません。いや,見抜かれたら困るから「来るな」という指令がホワイトハウスから飛んだのかもしれませんが,逆にアメリカの検査体制の不備が明らかにならなければ,今回の件もこれほど大事にはなっていなかったのかもしれません。どっちにせよ,閣議決定どおりしなかったことの影響は結果論としては甚大であることは確かで,我々が安心してアメリカ産牛肉を食べるようになる機会はさらに遠のいたということは言えると思います。

 あれだけ反対論・慎重論が強い中,押し切って輸入再開が始めたわりにはワキが甘すぎましたね。簡単に民主党に攻撃されるようなウィークポイントを残しておくとは,秘書連中は何やってんでしょうか。隠したかったのに隠せなかった事態が二つも,しかも日米同時に露見したという前代未聞のスキャンダル合戦,非常に見苦しい限りです。自民党にとっては本当に苦しい国会になっていますね。

 ただしネットで情報を探っていると,まだまだスキャンダルの隠し球はたくさんあるようです。安倍官房長官と怪しげな宗教団体との関係だとか,ライブドア関連で自殺した野口氏は実は他殺で自民党議員が関連しているとか,武部幹事長の息子とホリエモンの関係だとか。いくつかはこのブログの左サイドにある「じねん」さんのホームページで詳細図が示されていますので,興味のある方はどうぞ。

 ライブドアの話が出たついでに書いておくと,法律を守っていれば何をしてもいいという言動で批判を受けているのがホリエモンですが,閣議決定すら守れないのが日本の行政でした。カネさえあれば何でも買えると言って反感を買ったのがホリエモンでしたが,疑惑の議員を喚問もせずに国民のカネ(税金)でインチキマンションの住民保障を決めたのが日本の行政でした。粉飾決算で投資家を騙して新聞にたたかれまくっているのがライブドアですが,改革者vs抵抗勢力という二者択一方式の勧善懲悪時代劇で国民の目を欺いて実態を粉飾して先の選挙で大勝したのが自民党でした。

 悪いことは悪い。しっかり反省して謝るべきところは謝った方が国民受けもいいと思いますよ,首相。



 明日の読売の社説が楽しみだなあ(笑)。
posted by 時をかける僧侶 at 00:00| 兵庫 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | アメリカ産牛肉問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月28日

大阪はそらもうあんたあれやがな 笑いしかないでいやもうほんま

 今日は手抜き。隣の県,大阪に関する話題を。

(Jan/13/06 asahi.comより引用開始)
【大阪市の負債7兆1928億円 外郭団体との連結決算】
 大阪市は13日,主な外郭68団体を含んだ「連結バランスシート」を初めて発表した。04年度末時点で土地や建物など12兆8460億円の資産を持つ一方,7兆1928億円の負債を抱える。市本体の負債は約3兆円だが,多額の借金を抱える地下鉄事業や第三セクターを加味したため負債が大幅に膨らんだ。
 昨年9月に国が示した手法に従い,地下鉄などの公営事業会計,土地開発公社など3公社,出資比率50%以上の財団法人,出資比率25%以上の第三セクターなどを連結の対象とした。最近破綻(はたん)した主な三セク5社のうち,出資比率20%の大阪シティドーム社は対象外。市のバランスシートと各団体の決算書の金額を単純合計し,団体間の出資や貸し借りを相殺して純計を示した。
 固定資産は,市本体が6兆8051億円▽公営事業が4兆3684億円▽外郭団体が7160億円。ほかに出資金や現金などが9553億円あった。負債は市本体が3兆1147億円。公営事業を含むと6兆4661億円,外郭団体まで含むと7兆1928億円。
(引用終了)

 国の財政がまともでない現在,地方公共団体のバランスシートが健全であるはずもなく,大阪なんかはとくにオリンピック誘致の失敗だとか,アンダーグラウンドがらみの不良債権だとかネタだらけですから,誰が市長を勤めてもうまいこといかんでしょう。考えれば考えるほど泥沼にはまりそうです。
 もうこんな小難しい話は抜きにして,大阪が世界に誇れる唯一の芸能「お笑い」で,しんどい人生を乗り越えましょう!

 というわけで,ちくっと笑いの効いた大阪サイトへLet's Go!
大阪民国ダメポツアー
posted by 時をかける僧侶 at 23:15| 兵庫 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 情報収集・サイト紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月26日

アメリカの景気は良いのか悪いのか 巻き込まれないよう逃げ道探そう

 今日はアメリカ経済の話。

 FX取引をしていると,嫌でも他国の景気や政治,軍事動向などが気になりますので,国際感覚を身に付けるのには大変有益です(外国語はしゃべれませんが)。そんな中,何度かこのブログでも採り上げたように,僕はアメリカの景気動向に最大限注意を払っています。日本の大地震が先か,アメリカ発の第二次ブラックマンデーが先かというような,考えてもわからないようなことに時間を使うことはしませんが,自らの資産防衛の方針を決定していくためには,大消費国アメリカの景気動向を無視するわけにはいきません。

 昨日ネットを徘徊していたら,田中宇氏のレポートを見つけました。→「アメリカ発の世界不況が起きる」
 この内容はけっこう濃いので,興味のある方は一読をお勧めします。この論理を信じるか信じないかの最終判断は我々読者に任されるわけですが,僕は以前からアメリカ経済の頭打ちを想起させるニューズをいくつか掴んでいましたので(ウラ情報とかじゃなくって普通の新聞記事),田中氏の指摘には概ね賛成です。結論から書けば,アメリカ経済の暴発要素はあちこちに転がっていて,いつ爆発してもおかしくないということ。いくつか記事を紹介します。
 
(Jan/18/06 NIKKEI NETより引用開始)
【米軍のイラク駐留経費,毎月45億ドルに拡大】
 米国防総省は17日,2005会計年度(04年10月―05年9月)のイラク駐留経費が毎月45億ドル(約5200億円)に上り,04年度に比べ1月あたり約3億ドル増えたことを明らかにした。米誌コングレス・デイリーが伝えた。
 この経費には毎月10億ドルを超える調達費や軍施設の建設費,情報収集活動にかかる費用などは含まれていない。イラクの反米勢力による攻撃の激化などが経費の増大につながったとみられる。
(引用終了)

 アメリカにとって,イランの大統領がイスラエルを挑発している真横で軍を撤退させることは敗北を意味しています。大量破壊兵器もなく,ビンラディンとイラクが何の関係もないことが明らかになってもなおイラクの一般市民を爆撃し続けたアメリカ軍は,ますます退くに退けなくなって泥沼にはまっているようです。ざまあみろで済ますことができればいいのですが,属国ニッポンは気味の悪い大国・中国と一緒になってアメリカ国債を買いまくっていますので,売るに売れない不良債権(券)がたまっていく一方であり,アメリカの景気の影響をモロに受けざるを得なくなっています。

 田中宇氏のレポートでは,アメリカの景気に重大な影響を与えるのは主に住宅ローンであるとしてかなり詳しく説明されています。ここでは同じことを繰り返しても仕方がないので,その他の重大なニューズを紹介しておきます。

(Jan/21/06 共同通信より引用開始)
【「米経済に大打撃」と警告 新型インフルで副大統領】
 チェイニー米副大統領は20日,鳥インフルエンザウイルスが人間同士で感染する新型インフルエンザに変異し米国で大流行すれば「米経済は大打撃を受けるだろう」と警告した。米ラジオ局とのインタビューで語った。(略)
(引用終了)

(Jan/18/06 NIKKEI NETより引用開始)
【米保険業界,鳥インフルエンザ大流行なら15兆円支払いも】
 米保険業界の団体,保険情報機構(III)は17日,鳥インフルエンザが米国で流行した場合に同業界が被る予想被害額をまとめた。米厚生省が想定する最悪シナリオの場合,業界の保険金支払い負担は1330億ドル(約15兆円)に達する見込み。財務基盤の弱い保険会社は,経営が行き詰まる恐れがあると警告している。
 米厚生省は鳥インフルエンザが1918年に全世界で流行した「スペインかぜ」に匹敵する感染病となった場合,米国内の死亡者は190万人に達すると試算している。(略)
(引用終了)

 えらいこっちゃなあ。まあアメリカにとってみれば,もしインフルエンザが流行したとしたら,罪のないイラクの人々を苦しめた天罰ってことになるんでしょうけど,日本みたいに国民全員が公的医療保険に入っているわけではないので,経済的な被害はさらに甚大でしょうねえ。さらにこんなニューズも。

(Dec/06/05 NIKKEI NETより引用開始)
【米自動車大手に「救済は不要」・大統領補佐官】
 ハバード米大統領補佐官(経済担当)は5日の記者会見で,経営不振に陥っている米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)やフォード・モーターに対して,米政府による救済策は不要だとする考えを明確に示した。
 補佐官はGMが今いくつかの大きな問題を抱えているとしたうえで,「その主因は彼らが燃費のあまり良くない車しか生産できていないことだ」と指摘。低燃費の車の研究開発で日本勢などに出遅れたことが,現在の苦境の背景にあるとした。
(引用終了)

「小さな政府」を日本に押し付けている手前,政府による私企業救済なんて,潰れる前から言えるわけないですもんねえ。実際に2社が破綻したら,LTCMの時みたいに最終的には奉加帳方式で救済するんでしょうけど。このようなセリフが竹中大臣に細かな指示を出しているハバードの口から出るということには注意しておかなくてはいけません。

 まだまだいろんなニューズはありますが,基軸通貨ドルを発行する皇帝の国の景気動向を今後も無視するわけにはいかないでしょう。ま,こんな状況だからこそアメリカの赤字ファイナンスのために日本に郵政民営化を急がせたわけでしょうけど,ますます日本はアメリカから逃げることはできなくなっています。個人としての財産防衛がどこまで機能するのかは,実際に危機が起こってからしかわかりませんが,いろいろと手を尽くしておきたいなと思います。



 おまけ。最後にこんなニューズを。

(Jan/16/06 NIKKEI NETより引用開始)
【米ウォール街,昨年のボーナスが最高に・当局推計】
 米ウォール街の金融機関の昨年分のボーナス総額はこれまで最高だった2000年分を20億ドル上回り,215億ドル(約2兆4600億円)に達したもようだ。ニューヨーク州の当局が推計した。米ネット株バブルの最盛期をもしのぐ水準に膨らんだ。(略)
(引用終了)

 うへっ。
posted by 時をかける僧侶 at 22:11| 兵庫 ☀| Comment(1) | TrackBack(0) | 日米従属関係 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月25日

ライブドア事件の本質わかるかな 一般国民損していないよ

 世間はホリエモン一色でなんとも騒がしい。川に落ちた犬を徹底的にいじめたおすマスコミの本領発揮というところですね。彼らは何も「本質」がわかっちゃいない。いや,わかっているけど上司の命令で仕方なく「本質」を隠すような報道やスキャンダル暴きに精を出しているんでしょう。何が重要で何が不要かがわからない一般のB層ピープルの目を逸らすには好都合な事件が発生しました(させた?)からね。

 優秀なサイトやブログでは「本質」が語られています。でも自分たちが買収されそうになった産経新聞はじめ大手の新聞は,いつぞやのホリエモンの「新聞は必要ない」発言にキレていたのかどうか一斉にパージを始めました。ホリエモン一味を悪者にしたてあげて本当のワルを逃がす,そういう役割をまたしてもマスコミは演じているわけです。そういう全体像を落ち着いて冷静に眺めていると,戦前の一斉プロパガンダに似た気色の悪い空気がなんとも不快になってきます。

 ま,今日は本当のワルという話は置いておこう。おなじみの名前が出るだろうし,それではつまらないから「本質」の話をしよう。
 この問題の「本質」とは何か。結論から書けば,ホリエモン事件で損したのは「投機家」だけという事実です(※)。損失とは全く無縁の我々一般市民が大騒ぎしないといけないことではなくって,ライブドア関連の株を買っていた「投機家」だけが自らの思惑が外れたことで株式投資において損失を出した,それだけのことです。まして赤字を黒字に粉飾して税金を払っていたわけですから(赤字なら払わなくていい),粉飾を正せば税金はライブドアに帰ってきます。国や国民にとってみれば,かえって自分たちの懐が痛むことになるわけです。ま,だからといって不正を見逃せと言う論理ではありませんよ,当然ながら。
※この問題に端を発したマネックスショックで「投資家」たちが被害を受けたという事実は忘れないでください。そこを混同して「ライブドアが悪い」と考えてはいけません。

 いやいや,ライブドアは偽計やら風説の流布やらの証取法違反で投資家を騙したじゃないか。そういう指摘はごもっともです。でも「投資家」を騙したのは犯罪であっても「投機家」を騙したのは犯罪ではありません(証取法上は)。証取法は「投資家」保護を目的としていますが,「投機家」を保護するものではありませんから。

 大事な虎の子を運用するにあたりわからない会社を信用するわけにはいかない,そう考えるのが「投資家」です。一方,金儲けできれば会社の中身なんて知らなくてもいいという人間,もっと具体的に言えばチャートを見るだけとか,怪しげな売買システムが買いサインが出たとか,巷の「5分でわかるネット株」とかの本を真に受けるとか,ホリエモンが有名人だからとか,およそ「投資」するには似つかわしくない理由で株を買うのが「投機家」です。「投資家」の行動はその後の投資教育に活かされますが,「投機家」の行動は何の教育にもなりません。だからこそ,決算書(単体の貸借対照表,損益計算書,キャッシュフロー計算書のほか,連結のそれらなど)をじっくり読み込んで,将来に期待して「投資」する人間は保護されてしかるべきだという発想で証取法はあるわけです。
※余談ですが,株式市場なんて中古品の売買市場なんです。こういうことすら知らない「投機家」が多いのにはうんざりします。株を買った代金がその会社に振り込まれるもんだと勘違いする人間がいかに多いことか。

 ライブドアの拝金主義に共鳴した「投機家」が,売れない株を握ったまま恨み節を吐いたところで,全く同情の余地はありません。残念でしたというだけ。それよりも深刻なのはマネックスショックの方ですが,不思議とマスコミはちょこっとしかとりあげません。ライブドアが崩壊しようが何しようがマザーズ市場が大荒れになるだけなのに,東証一部などの日本を代表する会社の株まで全面的に売られたのはマネックス証券によるライブドア関連株の担保掛け目ゼロ化が原因の一つでした。信用買い(借金して株を買うこと)の担保として差し入れていたライブドア株の担保価値が急にゼロになったので担保割れが生じて,追い証を入れるか信用買いを閉じるかを迫られた人が後者を選んだわけですね。「株式日記と経済展望」のTORAさんは,マネックス社長の松本大がユダヤの手先だからという話を紹介していましたが,ま,そこまで話を飛躍させなくとも,急落した東証一部の株を買っているのは外人のようですから何かウラがありそうではあります。同情の余地のない「投機家」が損した話なんて簡単に切上げて,こっちの方を話題にした方が面白いはずなんですけどねえ。

 ま,今回の騒動でもわかったことは,僕は株はやっぱりできないなあということ。ライブドアのような粉飾は多かれ少なかれどんな会社もやっていますから(銀行員としての経験談),今回と同じような展開は今後も起き得るでしょう。そういう前提で株式投資をする方を止めることはしませんが,少なくとも僕にはそんなリスクをとる勇気はありません。外貨投資だけで精いっぱいです。
※余談ですが,僕には,あれだけ頻繁にM&Aを繰り返すライブドアという会社が実際に伸びているのか縮んでいるのかわかりませんでした。実はこれは投資家というよりも債権者という観点でしか見れない僕の欠点でもあります。株式投資は難しいですねえ。
posted by 時をかける僧侶 at 00:01| 兵庫 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 投資一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月24日

ライブドア事件の本質わかるかな 一般国民損していないよ

 世間はホリエモン一色でなんとも騒がしい。川に落ちた犬を徹底的にいじめたおすマスコミの本領発揮というところですね。彼らは何も「本質」がわかっちゃいない。いや,わかっているけど上司の命令で仕方なく「本質」を隠すような報道やスキャンダル暴きに精を出しているんでしょう。何が重要で何が不要かがわからない一般のB層ピープルの目を逸らすには好都合な事件が発生しました(させた?)からね。

 優秀なサイトやブログでは「本質」が語られています。でも自分たちが買収されそうになった産経新聞はじめ大手の新聞は,いつぞやのホリエモンの「新聞は必要ない」発言にキレていたのかどうか一斉にパージを始めました。ホリエモン一味を悪者にしたてあげて本当のワルを逃がす,そういう役割をまたしてもマスコミは演じているわけです。そういう全体像を落ち着いて冷静に眺めていると,戦前の一斉プロパガンダに似た気色の悪い空気がなんとも不快になってきます。

 ま,今日は本当のワルという話は置いておこう。おなじみの名前が出るだろうし,それではつまらないから「本質」の話をしよう。
 この問題の「本質」とは何か。結論から書けば,ホリエモン事件で損したのは「投機家」だけという事実です(※)。損失とは全く無縁の我々一般市民が大騒ぎしないといけないことではなくって,ライブドア関連の株を買っていた「投機家」だけが自らの思惑が外れたことで株式投資において損失を出した,それだけのことです。まして赤字を黒字に粉飾して税金を払っていたわけですから(赤字なら払わなくていい),粉飾を正せば税金はライブドアに帰ってきます。国や国民にとってみれば,かえって自分たちの懐が痛むことになるわけです。ま,だからといって不正を見逃せと言う論理ではありませんよ,当然ながら。
※この問題に端を発したマネックスショックで「投資家」たちが被害を受けたという事実は忘れないでください。そこを混同して「ライブドアが悪い」と考えてはいけません。

 いやいや,ライブドアは偽計やら風説の流布やらの証取法違反で投資家を騙したじゃないか。そういう指摘はごもっともです。でも「投資家」を騙したのは犯罪であっても「投機家」を騙したのは犯罪ではありません(証取法上は)。証取法は「投資家」保護を目的としていますが,「投機家」を保護するものではありませんから。

 大事な虎の子を運用するにあたりわからない会社を信用するわけにはいかない,そう考えるのが「投資家」です。一方,金儲けできれば会社の中身なんて知らなくてもいいという人間,もっと具体的に言えばチャートを見るだけとか,怪しげな売買システムが買いサインが出たとか,巷の「5分でわかるネット株」とかの本を真に受けるとか,ホリエモンが有名人だからとか,およそ「投資」するには似つかわしくない理由で株を買うのが「投機家」です。「投資家」の行動はその後の投資教育に活かされますが,「投機家」の行動は何の教育にもなりません。だからこそ,決算書(単体の貸借対照表,損益計算書,キャッシュフロー計算書のほか,連結のそれらなど)をじっくり読み込んで,将来に期待して「投資」する人間は保護されてしかるべきだという発想で証取法はあるわけです。
※余談ですが,株式市場なんて中古品の売買市場なんです。こういうことすら知らない「投機家」が多いのにはうんざりします。株を買った代金がその会社に振り込まれるもんだと勘違いする人間がいかに多いことか。

 ライブドアの拝金主義に共鳴した「投機家」が,売れない株を握ったまま恨み節を吐いたところで,全く同情の余地はありません。残念でしたというだけ。それよりも深刻なのはマネックスショックの方ですが,不思議とマスコミはちょこっとしかとりあげません。ライブドアが崩壊しようが何しようがマザーズ市場が大荒れになるだけなのに,東証一部などの日本を代表する会社の株まで全面的に売られたのはマネックス証券によるライブドア関連株の担保掛け目ゼロ化が原因の一つでした。信用買い(借金して株を買うこと)の担保として差し入れていたライブドア株の担保価値が急にゼロになったので担保割れが生じて,追い証を入れるか信用買いを閉じるかを迫られた人が後者を選んだわけですね。「株式日記と経済展望」のTORAさんは,マネックス社長の松本大がユダヤの手先だからという話を紹介していましたが,ま,そこまで話を飛躍させなくとも,急落した東証一部の株を買っているのは外人のようですから何かウラがありそうではあります。同情の余地のない「投機家」が損した話なんて簡単に切上げて,こっちの方を話題にした方が面白いはずなんですけどねえ。

 ま,今回の騒動でもわかったことは,僕は株はやっぱりできないなあということ。ライブドアのような粉飾は多かれ少なかれどんな会社もやっていますから(銀行員としての経験談),今回と同じような展開は今後も起き得るでしょう。そういう前提で株式投資をする方を止めることはしませんが,少なくとも僕にはそんなリスクをとる勇気はありません。外貨投資だけで精いっぱいです。
※余談ですが,僕には,あれだけ頻繁にM&Aを繰り返すライブドアという会社が実際に伸びているのか縮んでいるのかわかりませんでした。実はこれは投資家というよりも債権者という観点でしか見れない僕の欠点でもあります。株式投資は難しいですねえ。
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2006年01月22日

ヒューザーに武部にお肉にホリエモン 醜聞まみれの哀れこの世は

 僕にとっては想定外でしたが,小泉首相が米国産牛肉の輸入を全面禁止にすると発表したおかげで,読売は社説に牛肉問題を採り上げざるをえなかったようです。でも僕が予想したような記事にはなってませんでした(当たり前だけど)。というわけで,まずは読んでいない方のために,読売の社説を引用します。

(Jan/21/06 読売新聞社説より引用開始)
[米牛肉輸入禁止]「信頼揺るがす危険部位の混入」
 米国産輸入牛肉への信頼を大きく揺るがす事態である。
 政府は当面,米国産牛肉の輸入を全面的に禁止することを決めた。米国産牛肉に,BSE(牛海綿状脳症)の病原体が蓄積しやすい危険部位の背骨が混入していたからだ。
 米国産牛肉は昨年末,2年ぶりに輸入が再開された。その際,頭部や背骨などの危険部位を,米国側が完全に取り除くことなどが条件となっていた。
 米国側がこうした条件を守っていなかった以上,輸入禁止という厳しい措置を取るのも当然だろう。
 内閣府の食品安全委員会は,米国産牛肉の輸入再開を容認するに当たって,違反が発覚した場合,再び輸入を止める措置が必要だと,農水省などにクギを刺していた。
 日本側は,安全が確認されるまで,輸入禁止を続ける方針だ。米国側がまず取り組むべきは原因の究明である。なぜこのような混入が起きたのか,?$底的に調べる必要がある。その上で,再発防止に全力をあげなければならない。
 そうした努力なしに,日本の消費者の信頼を得ることは不可能であることを,米国側は認識すべきだ。
 米国では,2003年末に初めてBSE感染牛が確認された。日本はすぐ,米国産牛肉の輸入を禁止した。その後,米国側は輸入再開を強く求めてきたが,国産牛に義務付けていた全頭検査を実施していないことを理由に,日本側は拒否してきた。
 問題は,日本の全頭検査が世界でも異例な措置だったことだ。国内からも疑問視する声が上がり,食品安全委の長い議論を経て,ようやく解除された。
 日本ではBSEの新しい国内対策として,月齢20か月以下の若い牛に限り,特定危険部位を除去すれば,検査なしで出荷を認めることになった。
 米国産についても,この基準を適用することで,輸入再開にこぎ着けたばかりだった。
 ただ,米国では,食肉処理に当たる作業員の技術が一定せず,危険部位の除去が完全に行われるかなどについて,疑問視する声が根強かった。今回,その懸念が当たった形だ。
 国際的には,月齢30か月以上の牛を検査対象とすることが大勢だ。日本もこの基準を採用することが妥当だろう。危険部位が確実に除去されていれば,何の問題もない。
 ずさんな米国の対応が引き起こした危険部位の混入問題と,日本のBSE対策のあり方とは,分けて考えるべきだ。
(引用終了)

 この社説を読んで正直どのように感じますか?「そのとおりだ,読売よく言った」と感じましたか?僕はもちろん逆。
 途中でなぜか「問題は,日本の全頭検査が世界でも異例な措置だったことだ」になって,まるで検査官を惑わせるダブルスタンダードがいけないとも言いたそうな論調に変わり,最後は,まったく文脈がつながらないまま「国際的には,月齢30か月以上の牛を検査対象とすることが大勢だ。日本もこの基準を採用することが妥当だろう」で結ばれる。は?

「ずさんな米国の対応が引き起こした危険部位の混入問題と,日本のBSE対策のあり方とは,分けて考えるべきだ」って何を言ってるんだろう。安全委員会の議論で日本のBSE対策のあり方が議論されて,一定の条件のもとでアメリカ産牛肉の輸入を認めたんでしょうが。それを守れなかったんだし,はなから守る気もなかったんだから,分けて考えていいわけないでしょう。逆に「月齢30か月以上の牛を検査対象とする」基準(国際基準と決まっているわけじゃない)を採っていたら,今ごろは特定危険部位である脊柱が入ったまんまのお肉が吉野家に並んでいたわけだ。これが発覚したら日本のBSE対策のあり方は正しかったのか?ってことになりゃあせんかね。

 何をムキになってアメリカの牛肉を擁護したいのかさっぱり見当がつきませんが,そこまで国際基準に照らしたモノの見方が大事だと言うなら,国連が反対したというのにイラクに攻めたアメリカに言われるがままに派遣されちゃった自衛隊に,帰ってこいって呼びかけるぐらいの社説を書いてみろよ。ホリエモンがやってきた株式交換によるM&Aなんてアメリカでは普通にやられていることであって,200億ドルも粉飾したワールドコムの社長は無罪なのが国際基準なのだから,たかが10億円程度の粉飾はたいしたことない,西武の堤は株主構成にウソがあっただけで逮捕されたのは国際基準違反だし,ホリエモンも逮捕されるべきではない,ぐらいの社説を書いてみろよ。このご都合主義者めが。

 社説の内容もおかしい。
 ま,この社説を校了したときはまだ「検査官が日本の基準を知らなかった」というお粗末な事実は新聞社にも伝わっていなかったのでしょう。「なぜこのような混入が起きたのか,?$底的に調べる」必要はありません。この検査官はおそらく多数の牛肉を検査(?)していたけど基準を知らないためにスルーしていたわけで,全頭を検査しているわけでもないし,今回見つかったものは輸入されたものの中からピックアップされた検体にたまたま入っていたものでしょう。そう考えれば,これから多数の見逃された牛肉が脊柱が入ったまんま吉野家に入ってくる可能性もあるわけだ。でもこれが仮に見つかったとしてもマスコミ発表しないだろうね。吉野家としては早く輸入再開したいわけだからね。

「ただ,米国では,食肉処理に当たる作業員の技術が一定せず,危険部位の除去が完全に行われるかなどについて,疑問視する声が根強かった。今回,その懸念が当たった形だ」ってしゃあしゃあと書いてますが,懸念が当たる可能性が高かったから疑問視する声が強かったのであって,その逆ではない。輸入再開するリスクに見合うリターンを日本は得れないことがわかっていたのに,それでも押し切って再開したのだから,本気で責任問題になりますよ,これは。もちろん小泉政権へのパージにはつながっていくでしょう。

 ま,今回の読売の社説がどのように書かれるかは想定内でしたけどね。国際基準をとらない日本が悪いという結論にするだろうってことで。さあこれでアメリカの業界はどう言ってきたか,下の記事を読めばわかりますが,この記事を読んでもまだあなたは読売に同調できますか?

(Jan/20/06 共同通信より引用開始)
【米食肉業界,再禁輸に不満 早期再開求める】
 対日輸出した牛肉から脊柱(せきちゅう)が見つかり日本が再び米国産牛肉の輸入を停止した問題で,米食肉業界や議会関係者からは20日,「米国の規制では危険部位ではない」(全米肉牛生産者牛肉協会)など,不満の声が相次いだ。
 日本の消費者への遺憾の意は聞かれず,逆に「日本が直ちにすべての米国産牛肉の輸入を停止したことは非常に残念」(米国食肉協会のボイル会長)として,日本へ早期の貿易再開を求める考えを強調。「(問題の肉は)農務省が検査し,安全と認めた製品だ」として,食肉処理工場からの出荷の際,輸出条件違反を見逃した同省の検査制度にも批判を向けた。
(引用終了)

(Jan/21/06 時事通信より引用開始)
【日本は冷静な対応を=過剰反応警戒−米上院委員長】
 グラスリー米上院財政委員長は20日,日本が輸入した米国産牛肉に特定危険部位が混入していた問題で,米農務省が再発防止策を打ち出していると指摘,「日本人が今回の事態に過剰反応しないよう促したい」と述べ,日本の消費者に冷静な対応を求めた。
 同委員長は,農務省が新たな検査体制を約束しており,「日本が市場を閉ざさないよう望んでいる」と語った。また,「米国産牛肉は安全だ」と強調し,米国は日本製品の輸入で良識ある態度を取っており,日本側も同様に対応すべきだと主張した。
(引用終了)

(Jan/21/06 時事通信より引用開始)
【米国産牛肉は安全=調査は「技術的違反」が対象−酪農家団体】
 酪農家らで構成する全米肉牛生産者協会(NCBA)は20日,日本による米国産牛肉の再禁輸について声明を発表し,事態を深刻に受け止めるとしながらも,「調査されているのは技術的な違反であり,牛肉の安全性ではないことに留意すべきだ」と強調し,日本に冷静な対応を求めた。
(引用終了)
posted by 時をかける僧侶 at 17:21| 兵庫 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | アメリカ産牛肉問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月20日

あらやだわ見つかっちゃった危険部位 読売さんに助けてもらわなきゃ

 世間がホリエモンとヒューザーに注目している間に興味深い記事が配信されました。下の記事を読んで明日の読売新聞の社説を予想しよう。

(Jan/20/06 共同通信より引用開始)
【危険部位混入の疑い 米国産牛肉,成田で発覚】
 中川昭一農相は20日の記者会見で,成田空港に到着した米国産牛肉に,牛海綿状脳症(BSE)の病原体がたまりやすい特定危険部位の脊柱(せきちゅう)が混入している疑いがあると発表した。農水省動物検疫所成田支所によると,これは日本の商社が見本として米国から空輸した牛肉だった。
 米国産牛肉の輸入は,脳などの頭部や脊髄(せきずい),脊柱,回腸といった特定危険部位の除去や生後20カ月以下の牛への限定を条件に,政府が昨年12月に再開したばかり。
 農相は「確認されたら重大な問題だ」と強い遺憾の意を表明。混入が事実であれば,疑いの出た牛肉を扱った米国の食肉処理施設について,再び輸入を停止する意向を示した。
 政府が輸入再開を決めてからわずか1カ月で,安全確保のための輸入の前提条件が大きく揺らいだことになり「見切り発車」との声もある中で再開に踏み切った判断の妥当性が厳しく問われるのは必至だ。
(引用終了)

 これまで数々のトンチンカン社説をばらまいてアメリカ食肉業界に媚を売ってきた読売新聞なら,この事態を受けてどんな社説を書いてくるのでしょうか。ちょっとシニカルに予想してみよう。
※ちなみにアメリカ産BSE牛肉関連で読売が扱ってきた社説については,昨年12/14のエントリ(→リンク)で採り上げましたので,こちらも見ていただけると良いかと思います。

 読売ならこういう主旨で書いてくるかも。ま,ライブドアかヒューザーか所信表明演説を採り上げて,牛肉問題は避けるかもしれませんけど。

  • 日本はようやく米国産牛肉の輸入を再開したというのにあら探しばかりに執着している。たった1件の違反行為が発覚しただけだというのに,またしても輸入が全面的に禁止される恐れが出てきた。
  • せっかく,横須賀の女性に対して強盗殺人を犯した米兵の事件について,治外法権を認めて日本の警察の手が及ばない特権を有している米軍の司令官自らが「雨降って地固まる」と謝罪して,日米同盟の強化が見込まれていたというのにである。
  • 国際的に見ても突出する「思いやり予算」で日米同盟を維持してきたのだ。1頭のBSE牛や1人の日本人の犠牲程度で関係悪化をさせてはなるまい。
  • とはいえ社説子としては違反を犯したアメリカの業者にも苦言を呈したい。せめて解禁3ヶ月ぐらいは気をつけたまえと。ライブドアとヒューザーがお茶の間を賑わしているどさくさに紛れさせたのは名案であったが,いくら忘れっぽい日本人でも,容赦なく襲いかかる増税に耐えようと努力しているサラリーマンの懐を直撃する話である。不注意が過ぎたと言えよう。
  • 強烈なデフレで280円の牛丼を昼に食べないと生活できないサラリーマンの群れが狂喜乱舞して歓迎しているのが,アメリカでは食べない「くず肉」,吉野家カットの米牛肉なのである。彼らは下流社会で負け組が決定している人々である。せめて彼らが美味しいと言っているくず肉ぐらいは食べさせてやるべきなのだ。
  • こんなちっぽけなことでアメリカとの同盟関係を悪化させてはなるまい。郵政民営化によって郵貯・簡保資金でアメリカ国債を買い支えることがようやく決まったところであり,首相が靖国参拝して中国・朝鮮を挑発することでアメリカの指示どおり防衛庁が省に編成される時期にきている。
  • 日米同盟の強化のためには,世界基準による牛肉検査の実施を急がねばなるまい。様々な日本ローカルの条件をつきつけてアメリカを怒らせてはならない。
  • ハゲタカ・サーベラスグループは毎日新聞に地上げ屋だと侮辱され,名誉棄損で1億ドルの損害賠償金を求めている。アメリカのお金持ちもお怒りである。間違ってもこのように国益を損なうような事態を自ら引き起こすようなことはしてはならない。

 ここまで書いたら逆に「あっぱれ」をあげますか(笑)。


(参考記事)

(Jan/18/06 asahi.comより引用開始)
【横須賀の強殺,米司令官ら「雨降って地固まる」と謝罪】
 神奈川県横須賀市で女性(56)を殺害し,所持金を奪ったとして,米空母乗組員ウィリアム・リース容疑者(21)が強盗殺人容疑で逮捕された事件で,ジョナサン・グリナート第7艦隊司令官とジェームズ・ケリー在日米海軍司令官が18日,日本国民と横須賀市民あての公開書簡を発表した。「日本には『雨降って地固まる』ということわざがあるが,この事件が触媒の役割を果たし,日米同盟がより強くなる結果をもたらしてくれるといいと思う」などと述べている。
 「雨降って地固まる」について「非核市民宣言運動・ヨコスカ」メンバーの広沢努さん(51)は「謝る側が使う言葉ではない。市民感覚が分かっていない証拠だ」と話している。
 書簡で2人は謝罪して再発防止に取り組むことを約束し,「日本に駐在している海軍関係者が善良で人の気持ちがわかる人間であることを理解してほしい。彼らは有事の際には危険な場に身をさらすことをいとわない」と強調している。
(引用終了)

(Jan/13/06 共同通信より引用開始)
【米空母の家宅捜索断念 治外法権で,神奈川県警】
 米兵が逮捕された神奈川県横須賀市の女性強盗殺人事件で,県警は13日までに,米兵が乗務していた米空母キティホークに対する家宅捜索令状を請求したが,空母は治外法権が認められており,請求を取り下げた。
 ウィリアム・リース容疑者(21)が「犯行時に履いていたズボンを空母内のごみ箱に捨てた」と供述したため,県警は裏付けのため空母の捜索令状を請求したという。
 県警によると,捜索を求めたのは米海軍横須賀基地に停泊するキティホーク艦内のリース容疑者のベッドやロッカーなど。基地内に係留されている兵員宿泊用船舶内の捜索も予定していた。
 県警は12日,横須賀簡裁に捜索令状を請求したが,簡裁は「1996年の最高裁見解で米軍艦は治外法権とされている」と回答,県警は請求を取り下げた。引き続き基地内のリース容疑者の関係先捜索を検討する。
(引用終了)

(Dec/08/05 琉球新報より引用開始)
【“思いやり予算”日本突出 負担率,世界の50%超】
 米国防総省はこのほど,米国外に駐留させている米軍の駐留経費で,世界中の同盟国による2002年度の負担額をまとめた。それによると,同盟国全体での負担合計額約85億ドルに対し,日本の負担額は44億1134万ドルと50%以上を占め,世界的に見ても在日米軍の存在に突出した費用を負担している現状が明らかになっている。
 国防総省がまとめた報告書「共通の防衛に対する同盟の貢献」によると,日本は在日米軍駐留経費全体の74.5%を負担しており,米軍駐留経費の負担額の比率で見ても,他同盟国の中で最も高い割合となっている。
 世界全体で見ると,各同盟国が拠出した総負担額85億ドルは,米国外の米軍駐留経費総額の50%以上に当たるといい,そのうちの半分以上を担う日本は世界の米軍の他国駐留費用の約4分の1を負担していることになる。
 同報告書によると,在日米軍駐留経費で日本は,直接経費負担が約32億2800万ドル,税金や各種手数料の権利放棄などによる間接経費負担が約11億8300万ドルとなっている。
(引用終了)

(Jan/20/06 asahi.comより引用開始)
【米サーベラス,毎日新聞を名誉棄損で訴え】
  米ヘッジファンド,サーベラス・キャピタル・マネジメントは19日,傘下にある日本の不動産会社と暴力団の関係について報道した毎日新聞を名誉毀損で訴えた。サーベラスは,毎日新聞に1億ドルの損害賠償を求めている
 訴状によると,毎日新聞は1月12日付の朝刊の一面で,サーベラス・グループ系列の不動産会社「昭和地所」(東京都中央区)が行った東京都港区南青山の一等地の地上げに,山口組系暴力団と親しい関係者が関与していた疑惑が浮上した,などと報道。
 これについてサーベラスは,地上げとは「極めて軽蔑的,かつ中傷的用語」とし,毎日新聞の報道はサーベラスの評判に悪影響を与えるものだと主張している。
 毎日新聞のニューヨーク支局は,東京本社の幹部が対応できるまでコメントを差し控える,としている。
 サーベラスは近年,日本に巨額の投資を行っている。
(引用終了)
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2006年01月18日

ホリエモン捕まる前に言っちゃえよ あんなこととかこんなこととか

 阪神大震災から11年目にして経済界に激震が走っています。
 言うまでもなくライブドアとヒューザーですが,この2社が破綻するのは市場の健全化のためには必要だとしても,他社(者)への影響にはさらに注視していく必要があります。特にライブドアから重要書類が検察に渡るようになれば,ヒルズ族も片っ端から芋づる式にお縄ってこともありうる話ですし,昨日しれっと経団連に加盟した孫さまにだって司直の手が伸びるかもしれません。

(Jan/17/06 asahi.comより引用開始)
【ソフトバンク・首都高速道路など6社が経団連加盟】
 日本経団連は17日の理事会で、ソフトバンクの加盟を承認した。このほかに、不動産賃貸仲介業のエイブルや首都高速道路、徳島銀行など5社の加盟も承認した。
 情報技術(IT)関連企業としては、楽天が04年に加盟。16日に証券取引法違反容疑で強制捜査を受けたライブドアも昨年12月に加盟している。
(引用終了)

 ま,ジャパンハンドラーズの孫さまが餌食になることは今のところ考えられないでしょうけど,ホリエモンが居直っていろいろ自分たちIT長者の悪事を暴きたてるのなら,それはそれで面白いのでちょっぴり期待しています。どっちみちホリエモン逮捕はかなりの確率であるでしょうから,最後に大暴れしてもらいたいもんです。

 ヒューザーがらみでは,今日の大手新聞が一斉に社説で採り上げたとおり,あのまま終わるはずがありません。政界の疑惑キャラは伊藤公介だけじゃなくて安倍官房長官まで広がってきたのも気になります。ホリエモンと同じで「出る杭は打たれる」ので,政敵が馬淵議員にリークして小嶋社長が認めたという構図はありうる話ですから(推測にすぎませんが)疑惑を追及していけばすごい疑獄に発展するってことも考えられます。ただし,マスコミが正常に機能していたらという前提条件が必要にはなりますが。

 前回のエントリで,ヒューザー小嶋社長への証人喚問に合わせた爆弾としてのライブドア強制捜査は明らかだと書きましたが,今のところ自民党にとっては諸刃の剣として,やってもーたモードに突入しています。これをどうくぐり抜けるか。これをうまく捌くことが出来れば安倍長官の評価は揺るぎないものになって,ポスト小泉は当確になるでしょう。さて,坊ちゃん育ちの彼がどれほどの手腕を見せられるか,見物ですね。

※冷静にライブドア事件の本質を見極めたい方は下リンクにあるサイトが勉強になります。このブログのサイドバーでも紹介している「小泉の波立ち」というサイトです。
http://www005.upp.so-net.ne.jp/greentree/koizumi/main.htm
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2006年01月16日

年金と保険のしく知らないと 聞こえてくるよ負け組の足音

 本題に入る前に。
 ホリエモンが強制捜査を受けているらしいが,明らかに明日のヒューザーの小嶋社長証人喚問を世間の目からぼかすためでしょう。何年も前の風説の流布疑惑を今出すわけだから狙いは明らかです。飯島か世耕か指示した人間は知らないけど,まったくうまくやるもんですね。各メディアも知ってか知らずかヒューザーそっちのけでホリエモンの特集番組流してる。同じようなことしてきたソフトバンクとか楽天には捜査は入らないんだろうけどね。しょせんはホリエモンは使い捨てだったってことで。

 さて,気を取り直して前エントリのつづき。こんな記事もありました。

(Jan/04/06 YOMIURI ONLINEより引用開始)
【年金未納なら医療費は全額自己負担に,厚労省が検討】
 厚生労働省と社会保険庁は3日,国民年金の長期未納者と長期未加入者について,国民健康保険(国保)を使えなくする措置を導入する方向で検討に入った。
 国保が使えなくなると,医療機関に受診した場合の患者負担は全額自己負担になる。年金の未納・未加入者に対する事実上の罰則規定を設けるものだ。実施の具体的な基準を詰めたうえで,早ければ2007年度から実施したい考えだ。(略)
 国民年金の納付率は05年度上半期(4〜9月)現在で,61・2%(社保庁調べ)にとどまっており,4割弱が未納だ。(略)
 一方,国保の滞納世帯の割合は04年6月現在で18・9%で,年金よりも納付率は高い。国保が利用できない場合,医療費が全額自己負担になり,影響が大きいという意識が強いことが原因と見られる。このため,年金未納者らへの“ペナルティー”として,国保利用を制限する案が浮上してきた。(略)
(引用終了)

 全文が気になる方はリンクからご覧ください(引用文が長いと読む方もしんどいでしょうからところどころ略しています)。
 前回は高齢者が支払う保険料を年金から天引きしてしまえという乱暴を批判しました。年金運用に失敗した厚生労働省や財務省(旧大蔵省資金運用部,いわゆる財投)の責任は一切問われず,大幅に減額された年金を押し付けられる「戦後死に物狂いでがんばって日本の繁栄を下支えしてくれた」老人達の尊厳を損なう「天引き」という一方的なやり方は,国が公権力でやるようなことではないという原則論からの批判でした。それに比べると,引用した記事の中身,とりわけこの施策が実施されるとしたら,それに伴う様々な影響をじっくりと考えていく必要がありそうです。

 以下のようなシナリオが考えられます。

  1. 国民年金の保険料を払えるのに払わない人間には国保を利用させないという罰則なので,恐怖におびえる未納者・未加入者はこぞって加入・納入する。
  2. 一方,国保が使えないというデメリットを甘受すれば国民年金にも加入する必要はなくなると考える人が出てくる(僕もそうなるかも)。
  3. そういう人たちは民間の医療保険に加入することになるが,こっちは保険料が高いが先端医療技術による医療行為を保険で受けることができる(国保では無理)。
  4. 結果,少子高齢化でボロボロになっていく国民年金・国保は「国民皆制度」が維持できなくなり破綻する。
  5. 民間の医療保険はますます盛況になって,金持ち(二極化された後の上層部)は健康を維持できるが,そうでない人たちは・・・ということになる。
  6. 財政投融資は保険料を集めて運用していた日本国債を売らざるを得なくなる。
  7. 郵貯・簡保も民営化されてしまって国債を買ってくれるとは限らない。
  8. 長期金利暴騰(国債暴落)。銀行破綻。ペイオフ発動・・・

 最後はちょっと煽りすぎたかな(^^;
 結局,いま強権発動してもいいことにはなりそうにないと僕は考えます。お役人の偉いさん達が自分たちの誤りを認めないばっかりに,ゆがんだ制度を余計にゆがませようとしているわけですから,2のような考えが出てきても彼らは文句は言えなくなるはずです。超お金持ちが国民年金の保険料を滞納していたら差し押さえ,という制度ができつつありますが,税金とは性格が違うのでよほど酷い場合でない限り簡単には差し押さえなんてできないでしょう。

 やっぱり金融敗戦でアメリカ流グローバルスタンダードを受け入れた以上,国民皆保険・年金制度は機能しなくなるのは当然で,あがけばあがくほど傷口が広がっていきそうな気がします。貧富の差が開くのがアメリカ流です。もう無茶言わんから戦後の日本型社会主義のような幻想は捨てて,新しい仕組みを構築しましょう。

黄金の人生設計.jpg 僕も保険・年金に関しては無知に近いのですが,最近読んだ本で日本の年金・保険の制度をさらっと学習しました。橘玲『世界にひとつしかない「黄金の人生設計」』講談社+α文庫です。住宅ローンの怖さとか教育費の真実とか,かなりいい勉強になりました。興味のある方はどうぞ。

 さて,では一般のサラリーマンはどうすべきなのかを考えないといけません。働き盛りのサラリーマン世代は間違いなく自分が拠出した金額以上の年金はもらえませんし,国民保険も大変な病気・事故には適用してもらえなくなるでしょうから,いろいろと対策を練る必要があります。それだけでなく,サラリーマンを狙い撃ちにした大増税も実施されますので,所得を増やすというのは「いっぱい納税します」という意味にしかなりません。納税するのは国民の義務であり当然進んででもすべきなのですが,今のような無駄金(感謝もされない中国へのODAだとか役人の高額な退職金だとかドル暴落を支えるための米国債購入だとか)が多くてそれを改められない現状では,すすんで高額の納税をするのもバカらしいです。それならどうしましょう,ということで考え出された方法が一つあります。

サラリーマン法人の本.jpg この話をすると長くなるので結論だけ。「サラリーマン法人」を作ることです。敷居はやや高いですが効果は抜群です。政府税調が昨年6月に公表したプランによれば,いままで給与所得の3割ぐらいがサラリーマン経費として控除されてきたのが,7%ぐらいに引き下げられる予定です(平均的な年収630万円のサラリーマンに認められる経費は年間42万8千円のみ)。背広・コート・ワイシャツなどを買っても控除できる金額は年間2万8千円まで(年間ですよ!)とか,どう考えても国民思いではない一方的な大増税,あれです。この理不尽な増税を「サラリーマン法人」なら合法的に回避できます。詳しいことが知りたい方はいろいろと調べてみてください。僕は,小池洋,高橋節男『サラリーマン法人で年収150万円UP!―年収を増やす魔法のテクニック』双葉社を読んで知りました。

 ま,そんなわけで,まだまだ泣き寝入りするのは早い。いろいろと知識武装して苛政に立ち向かいましょう。
posted by 時をかける僧侶 at 23:53| 兵庫 ☁| Comment(0) | TrackBack(1) | 日本財政問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月14日

天引きで自由をなくす新制度 未納が悪いと簡単に言うな

 いまから坊さんの集まりがあるので手短に。日本のアメリカ化の進行度合を計るのにもってこいの記事です。

(Jan/07/06 日本経済新聞より引用開始)
【国保保険料,年金から天引き 2008年度から新制度 厚労省 高齢者の未納防止】
 厚生労働省・社会保険庁は2008年度から,公的年金の受給者が国民健康保険に加入している場合,国保の保険料を年金から天引きして徴収する仕組みに変える。年金を受け取った後,国保の保険料を改めて納める仕組みでは加入者の手続き忘れなどで未納が起こりやすいためだ。年金から直接天引きし,拡大する未納を減らし,医療保険の財政悪化を防ぐ。
 政府は医療制度改革の一環として08年度から75歳以上の高齢者が入る新医療制度を作り,その保険料を加入者の年金から天引き徴収する。これにあわせて,新制度の対象とならない74歳以下の国保加入者に対しても年金からの保険料天引きを始める。老齢年金だけではなく障害・遺族年金を受け取っている加入者も対象とする。
(略)
 国保保険料の年金から保険料を天引きが始まると,年金受給が始まる65歳以上の人は原則として全員が年金から保険料を天引きされ,65歳以上の人の未納はなくな見通し。未納の減少で国保保険財政が好転するほか,市町村は未納者への自宅訪問など徴収事務のコストを削減できる。
 国保は退職者や自営業者ら会社員・公務員以外の人が加入する。低所得の加入者増に伴い保険料の納付率が年々下がり,04年度は全国平均で90・09%と90%割れ寸前まで下がっていた。
(引用終了)

 日経は「低所得の加入者増に伴い保険料の納付率が年々下がり」なんて無責任に書いていますが,そういう国にしてきたのが小泉・竹中でしょうが。日本人の精神構造を考えずに無責任にアメリカ流の自己責任をぶたないでいただきたい。「老齢年金だけではなく障害・遺族年金を受け取っている加入者も対象とする」とあるように,有無を言わさぬ天引きで弱者をさらに徹底的に痛めつける政策を押し付けてくるのが国のやることでしょうか。竹中大臣が信奉する新自由主義における政府の役割は弱者保護のはずです。

 競争社会が過度に進めば自然と勝ち組と負け組に分かれます。それはいけないことではない。問題なのは必然的に発生する負け組をいかに救ってもう一度土俵に立たせるかという政策です。これが競争社会における本来の国の役目です。一方で,アメリカのように失敗することは悪いことではないという文化が根付いている国においては,特別国がいろいろと気をもむ必要性は薄いのですが(最低限の社会保障で十分立ち直れるということ),失敗=人生の落伍者という図式がきれいにできている我が国において,アメリカの施策をそっくりそのまま真似てればいいというものではありません。

 もともと農耕民族なんですから,欧米と同じような競争を持ち込んで同じような弱者保護政策だけでカバーできると考えるのは非常に浅はかです。負けた方は簡単に社会復帰できないのが日本であり,日本人の精神構造は「失敗は許されない」という一念が強く影響しているのです。だから年に3万人も自殺するんです。負けた方はそこで人生おしまいだから,生きていても仕方がないという考えになるのです。

 ではどうするべきなのか?これについては時間がきたので,また今度に意見をまとめたいと思います。
posted by 時をかける僧侶 at 17:31| 兵庫 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本財政問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月12日

個人向け国債買って喜んで 新聞読まぬ浅はかさかな

 やはり国債関連のニューズが出たら触れないわけにはいけません。

(Jan/11/06 FujiSankei Business iより引用者による要点箇条書きにて引用開始 ※原文はリンクへ)
【国債個人販売が過去二番目の高水準 】

  • 財務省は,十六日に発行する「冬の個人向け国債」の販売額が十年満期の変動金利型と五年満期の固定金利型あわせて一兆九千二百八十六億円に達したことを明らかにした。個人向け国債の販売額としては過去二番目の高水準。
  • 十年満期が八千一億円。今回新たに設定された五年満期が一兆千二百八十五億円と一兆円を突破。
  • 販売した証券会社は「満期が五年と短期でありながら銀行などの定期預金と比べ,利率がかなり高いため人気化した」(大手証券)とみている。
  • 長期国債の多くが発行時の金利を満期まで据え置くのに対し,個人向け国債は市場で取引される長期金利の動向に合わせて半年ごとに見直される変動金利型。
  • しかし,国債の受け皿の多様化を図るため,今回から五年満期で金利が変動しないタイプを加えた。好調な販売となったことについて,財務省は「五年固定型を新たに設定したことで,選択肢が広がったのでは」(国債業務課)と分析している。
  • ただ,国債発行残高に対する個人投資家の保有比率は〇五年六月末時点で3・6%にとどまっている。
(引用終了)

 最初にまずお断りしておきますが,この記事を読んで,僕も(私も)国債を買おうって思った方はこれ以上読む必要はありません。投資教育を受けることなく大人になってしまっている人間が多いという事実を冷静に受け止めれる方だけ読んでいただければ結構です。

 債券はどういうときに投資すべき商品なのか,お分かりでしょうか。デフレが進む,言い換えれば景気が悪くなると予想するときに買うのが債券です。金利が下がることを見越して買うわけです。
※ここで言う金利というのは固定金利であるクーポンのことです。デフレが進む=現金の価値が上るわけですから,固定金利の収入がどんどん得られるのです。バブル崩壊直後ぐらいに9%程度のクーポンが付いただけでなく半年複利でさらにお得だった金融利付債「ワイド」の恩恵を受けることができた方は間違いなく勝ち組でした。

 景気が悪くなるんじゃないかというときに株を積極的に買う人はいませんよね(個別判断で投資するのは別ですが)。株を売ったお金はどこで運用しますか?現金のまま置いておきますか?個人投資家ならそういう選択もありですが,銀行や生保,ヘッジファンドなど機関投資家と言われるプロ達は運用収益を上げないと逆ザヤになりますし,放漫運用を続けていたら顧客は逃げますし,ファンドマネージャーは給料が下がります。だから運用効率の観点から,現金のまま置いておくなんていう選択肢はとれませんので,何がしかの運用商品を新たに買うことになります。海外に目を向けるプロもいるでしょうし,商品先物とか他の投資をはじめるプロもいるでしょう。
 企業に貸出しますか?まあすぐに貸すことはできないという時間的制約もあれば,企業も景気が悪くなるのに借金しようとは思いませんから貸出で運用するのも限度があります。
 そんな中で一番手軽に買えるのが国債なのです。
※一時的な短期運用なら短期金利マーケットはありますが,ただいまゼロ金利です。

 国債(債券の代表的な商品)は景気悪化が見込まれるときに価値が上がって買われることになります。しかも機関投資家による大口の買いが入るので値段もそれなりに動きます。日本は不景気(デフレ)が10年以上も続きましたから,国債はどんどん買われて長期金利が一時期0.43%に落ちるところまで国債価格は暴騰しました。
※10年国債をその時点で買って10年間持ち続けたとして毎年の利回りが0.43%ということです。ここで買った人(個人ではないでしょうけど)はさらに金利が下がると思って買っているわけです・・・。

 さて今,新聞をご覧になればおわかりのとおり,デフレ脱却かと言われているところなわけです。景気が回復し始めている(という宣伝がされている)のです。日銀が量的緩和政策の解除を示唆していますし,景気回復が本当であればゼロ金利も解除されるでしょう。景気回復なら資産インフレを期待して株などが買われますが,さあ買おうと思ったら今まで運用していた国債を売ってお金を作るしかありません(すぐに預金を集めるのは無理ですから)。国債が売られて金利は上がります。

 こんな状況で"固定金利"の5年国債が1兆1200億円も売れているわけです。
※変動金利の個人向け国債については今日はとりあげませんが,これは自動継続契約付きの期間半年の国債(半年間は固定金利)です。僕なら信用リスクは多少高くて手数料とられてもMMFを買いますね。金利は上がり出したら簡単には収まらないだろうから,半年間も金利が固定されたんじゃあねえ。

 財務省のサイトから商品の条件を読めば(→サイト)クーポンは0.80%固定のようです。実際は20%の源泉徴税がありますから0.64%なのですが,もちろんそんなことは財務省は書いてくれていません(笑)。それはともかく,大手銀行の5年もの定期のレートが0.10%ですから,これと比べたら8倍もお得,しかも銀行はペイオフ制度で定期預金は保護してくれませんから,そりゃあ国が元本保証してくれる国債買うでしょ!ってことになるわけですね。

 その選択は正しい。た・だ・し,金利上昇(景気回復)が見込まれるときでなければ。

 上から読んでこられた方はもうおわかりでしょう。金利がどんどん上がっていく中で固定金利しか受け取れない悲哀を。いくら元本保証だからって言っても,隣の家の奥さんが半年遅れて国債を買ったために自分よりも3%も高い金利収入をもらっていたら悔しいでしょう(笑)。5年間も低金利(ゼロ金利の今と比べたら高金利ですけど)に甘んじないといけない機会損失を負うリスクをきっちり理解したうえで投資するのなら僕も文句は言いませんけど,投資教育を受けたことのない大半の投資オンチの日本人がどこまで理解できているのでしょうか。

 ちょっとだけ補記。
 この個人向け5年固定金利国債については2年以上経過したら売却できるという特約がついています。し・か・し,100万円で買った国債が100万円で売れると思ったら大間違いです。そう思っていたのなら投資家失格です。国債は買わない方がよろしい。
posted by 時をかける僧侶 at 20:14| 兵庫 ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | 投資一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月10日

産経よしっかりせんかい国民を ミスリードして利するはどこぞ

 今日は久しぶりに産経批判。

(Jan/06/06 産経新聞社説より引用者による要点箇条書きにて引用開始)
【露のG8議長 異質な国に任せられるか】

  • ロシアが今年から主要八カ国(G8)首脳会議の議長国になった。
  • プーチン政権の強権的な統治手法に対し,議長国としてはもとより,G8の成員としても民主主義国にふさわしい資格があるのか,国際的な懸念と疑義を招いている。
  • 世界を騒がせたロシアのウクライナに対する天然ガス供給の一時停止問題は,両国が新たな売買価格で合意し,ひとまず決着した。
  • 旧ソ連の中で親露の白ロシアなどへの優遇措置は変えず,親欧米を鮮明にしたウクライナやモルドバにだけ一方的に価格をつり上げるやり方は「政治的懲罰」の謗(そし)りを免れまい。
  • 今夏のサミットでプーチン大統領は快調な石油・天然ガス輸出を武器に「エネルギー安全保障」を主要テーマに据え,ソ連時代の軍事超大国から「エネルギー超大国」への存在感を誇示したい思惑だ。
  • 今回の騒動はクレムリン自らが,信頼に足るエネルギーの安定的供給者とはなりえない現実を世界にさらした感がある。
  • 昨年末,経済担当大統領顧問を突然辞任したイラリオノフ氏は「ロシアにはもはや政治的自由も,経済的自由もない」と切り捨てた。
  • プーチン政権はスターリン時代以来という「国家総動員」令下で次々とソ連流の強権措置を発動してきた。言論統制強化,地方の首長の中央任命制度導入,石油大手「ユコス」解体,内外の非政府組織(NGO)活動制限…。
  • サミットで日米欧はロシア流統治が結果的にはCIS(独立国家共同体)をも「嫌露」に回して孤立する危険性を悟らせ,結束して「ロシアの民主化促進」の包囲網を強めるべきだ。
(引用終了)
 
 産経がことさらロシアに噛みつかないといけない理由がわかりません。そもそも,メルマガ「ロシア政治経済ジャーナル」の1/6記事(→該当記事)でウクライナへの天然ガス供給問題の詳細を知ることができた僕にとっては,間違った事実に基づいてトンチンカンな社説を出した産経の方がタチが悪いんじゃないかと思います。仲良くしようという国を優遇するのはいけないことなのか?欧米と仲良くすることを選んだ国への優遇を打ち切るのがいけないことなのか?そもろもウクライナへの天然ガス供給価格はヨーロッパと同じ水準に戻しただけであって,「懲罰」と言われるようなプレミアムを乗っけたわけではありません。産経ともあろう大新聞がこの事実を知らないわけがない。要するにそのような重要情報を国民に知らせないままこんな社説を載せれば,読者の100人のうち99人が「ロシアってのは酷い国だ」と思うでしょう。

 確かにロシアという国は僕も好きではありません。日ソ不可侵条約を破棄して満州に攻め入って樺太や北方領土を分捕るような民族ですから(あれはソビエト時代の話だと言われりゃそれまでですが)。僕が好きなのは日本という国であり,日本が好きだからこそ,理屈の通らない言論(もしくは意図的に国民を間違った方向に誘導しようとする言論)に対して批判してきたわけです。キライだったら無視すりゃあいいので,僕はこれまでロシアについていろいろ語ったことはありませんでした。今回とりあげたのは産経の態度があまりにも幼稚だったので放置しておけない,こんなことでは二流メディアから抜け出せないぞと感じたからです。

 それはともかく,僕には産経の気持ちはよくわかります。要するに産経としては,日本はアメリカと同盟を結んでいるんだから敵国ロシアのやること為すことは全て悪であり,アメリカ様を讚えるために率先してロシア批判をさせていただいているということでしょう。僕からみれば,学会批判を封じたり政界疑獄に繋がるような事件を隠ぺいするなど言論統制を強化したり,金融大手の郵政公社を解体したりしているどこかの国のことには目をつぶっているくせに,わざわざ国民にウソをついてまで他国の批判なんてしなくてもいいのにと思ってしまうわけですが。

 もっと踏み込んで言うと,産経には「愛」がない。判断基準は日米同盟にとってプラスかマイナスか。いや,アメリカ様にとってプラスかマイナスかという基準しかない。そこには日本国民の安全を守るとか資産を守るという視点,つまり「愛」がない。もちろん相手が北朝鮮とか中国といった同じ黄色人種に向かっては勇ましく立派なことを言ってきていますが,相手が欧米の白色人種だったら,相手の非すら批判せずに見事に論点をすり替えて国民を欺こうとする。国民への一貫した「愛」がない。あるのは隠そうともしない白人コンプレックスだけ。

 一通り書きたいことは書きました。でも誤解していただきたくないのは,僕は産経が好きだからこうやって批判しているんだということ。僕なりの「愛」の表現がメディアへの批判なのです。前述したように,どうでもいい嫌いなメディアなら無視すればいいんです。朝日の社説をまともに評論する気なんかないわけで,国民をしっかりとリードしてくれる良質な言論を期待するからこそ,この社説のような愚かな主張は放っておけないということです。

 蛇足ですが,無視を通り越して怒りを覚えるメディアがあります。読売です。アメリカ牛肉の輸入再開をしないのは国際ルール違反だとかなんだとか繰り返し社説を載せているからです。僕の読売への批判は,産経に対する「愛」と同じではなくて,「滅」です。こんな三流新聞が日本で一番売れているっていう事実だけでも末期的ですけど・・・。
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2006年01月08日

ガキンチョに投資の何がわかるんじゃ ゲーム感覚潜む危うさ

 こんな記事を見つけました。

(Jan/07/06 Sankei Webより引用開始)
【小中学生が株売買の実戦 マネックスが10万円提供】
 「株のことをもっと勉強したい。ライブドア株をもっと買いたい」。東京都在住の小学5年生(10)は,パソコンの画面を見つめて目を輝かせた。
 インターネット専業証券のマネックス証券グループは,10万円を元手に小中学生にネットを通じた株式売買を体験してもらう「株のがっこう」をこのほど開校した。
 元手の10万円をマネックス側が提供し,現金を参加者の口座に振り込んで株取引に臨んでもらうのが目玉で,生徒募集には約600人が応じた。
 1月下旬に始める株取引に備えて東京証券取引所で開いた授業には,課題の作文で選ばれた小5から中3の子どもと保護者ら28組が参加。授業は「お金の上手な増やし方」や株の売買の仕方といった基礎編から,日本マクドナルドホールディングスやモスフードサービスの収益や株価の推移を例に投資のポイントを学習する実践編まで,本格的な内容。
 先生役を務めた内藤忍(ないとう・しのぶ)マネックス・ユニバーシティ社長は「(金銭を大事にし過ぎる)拝金主義に陥らず,お金の使い道に明確な目的を持って投資してほしい」と話した。
 4月下旬の卒業まで,毎月1回のリポート提出の宿題もある。10万円から利益が生まれて参加者の懐に入るのか,損失が出るのか。運用成績が卒業証書代わりだ。
(引用終了)

 実にふざけた記事です。高校を卒業して「自己責任」という言葉の意味をよくよく理解した人間が良質な投資教育を受けるという提案なら大賛成ですが,小中学生に投資の何がわかりますか?働かずしてクリック一つで儲ける(あるいは損する)という生き方を,人生経験の少ないお坊ちゃん達に見せつけて一体どんな教育にするつもりなんだろうか。先生役の内藤忍氏の本は先日買ったばかりですが,こんなにモラルの低い人間だったとはガッカリです。小中学生がお金の使い道に明確な目的をもっているわけないでしょうが。何をマジにコメントしてるんだか。

 先日もこのブログで27歳の無職の男がみずほ証券の発注チョンボに乗じて大もうけしたという話を批判しました。確かに世界的な資産インフレが進んでいて,遅れて上昇しだした日本株に投資資金が集まって株式市場が盛況なのは理解できます。でも,本当にみんな株のことを理解して投資しているのか?甚だ疑問です。こういう警鐘を鳴らすメディアも出てきています。

(Jan/02/06 Nevada経済速報より引用開始)
(略)株式市場では,バブルそのものの動きが活発化し,いまや小学生・家庭の主婦までもがリスクを忘れて株取引に熱中するという有様であり,これはバブル期そのものの動きとなっています。
これだけ株取引が活況なら,さぞ会社四季報は売れて書店からなくなっているだろうと書店に行きますと,そこには山積みにされた四季報がおいてあります。
横で見ていますと,立ち読みさえしないのです。
バブル期の株ブームとはまた違った一面がそこに見て取れます。
バブル期には,多くの国民が株に熱中しましたが,多くの投資家は会社四季報を買い,勉強していました。
それでも,膨大な損を出したのです。
今のネット取引をしている個人は,そのような会社四季報など必要ないのです。
ネットでの書き込み,そして動く銘柄に飛び乗り,飛び降りるだけなのです。
村上ファンドが買ったからと言って飛び乗り,そして,超高速回転売買を行っている為に,会社の内容を知る必要がないのです。
株式投資という次元ではなく,数字の売買にしか過ぎません。
それでも,『儲ければ何でも良い,儲けて何が悪い』ということかも知れませんが,確かにお金に色はついていません。
しかしながら,果たしてそれで良いのでしょうか?
この審判がこの2006年,しかもごく初期の段階でつくと思います。(略)
(引用終了)

 健全な投資教育を受けておらず巷にあふれる『サルでもわかる〜』『絶対儲かる〜』風の投資本を読んで経済が分かった気になっている,財務諸表すら読めない投機家が多数いることでしょう。彼らは投資家ではありません。中身を知らずに他人の勧めにホイホイ乗って儲けようと考えている単なる投機家です。馬を見ずに予想屋の予想だけを信用して馬券を買うような行為となんら変わりないということに早く気付かないといけません。
 バランスシートじゃなくて株価チャートを見て自分のお金を賭けるなんて僕にはできません。儲かりゃいいっていう理屈は底が浅すぎますし,ましてや投資経験が人生の構築に全く活かせません。儲けようと思って経済に興味をもって日々勉強するから投資経験が活きるのであって,チャートを見てテクニカル分析だけして経済の何が分かるんですかね。

 今年の株価はどうなるかわかりませんが,損しても謙虚に学べる人だけが来年も株式投資を続けていることでしょう。とは言っても,ひょっとしたら外人さん達が日本株を大量に買い占める年になるかもしれません。そしたらこんなことになるかも・・・

(Dec/29/05 Sankei Webより引用開始)
【政治献金 外資規制撤廃を,経団連次期会長が意向】
 来年五月に日本経団連会長への就任が内定しているキヤノンの御手洗冨士夫社長(経団連副会長)は二十八日,産経新聞のインタビューに応じ,外国人持ち株比率が50%超の国内企業による政治献金が事実上規制されている問題について,「ないほうがいい」と指摘し,規制のあり方を見直すべきだとの考えを示した。経団連は政治献金を社会貢献と位置づけて会員企業に積極的な献金を呼びかけているが,会員企業の外国人持ち株比率が高まる中で規制を疑問視する声が高まっている。
 御手洗社長は「グローバリゼーションが進む中で,主要株主が外国人であるからといってその企業が社会貢献に参加できないというのはおかしい。米国にはそうした規制はない」と指摘し,現行の規制を批判した。
 政治資金規正法二二条第五項では「外国人,外国法人または主たる構成員が外国人もしくは外国法人である団体,その他の組織から,政治活動に関する寄付を受けてはならない」としている。同法には外資持ち株比率に関する記載はないが,「発行済み株式の過半数を外国人または外国法人が保有する株式会社からは献金を受けてはいけない」との解釈が浸透しており,事実上,企業による献金の可否判断の基準となっていた。
 もともとこの規制は,日本の政治家が外国勢力からの影響を受けるのを排除するために設けられた。しかし,産業界では「いまや企業トップが積極的に海外の投資家に自社株を売り込む時代。外資の持ち株比率の意味はかつてとはまったく異なる」(大手商社首脳)との声が高まっている。
 とくに最近では,国際優良企業ほど外資比率が高くなる傾向があり,この規制が優良企業の社会貢献活動を制限することにもつながる。このため,御手洗社長は「近く規制は変わるのではないか」とも述べ,見直しが進むとの見通しを示した。
(引用終了)

 金さえあれば政治すら動かせる。あっそうか。マネックス証券は小中学生にこういう事実を教えたかったんだね。
posted by 時をかける僧侶 at 23:42| 兵庫 🌁| Comment(1) | TrackBack(0) | 投資一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月06日

少子化の勢い止まらずこの国の 元気のなさはどこまでいくの

 年末年始にかけて少子高齢化時代に向けた提案が各紙でなされていました。今日はそのうち,事実を並べただけの読売の社説を引用しておきます。僕も考えていることをまとめておきたいのですが,考えもまとまっておらず時間もないので今回はパス(仏大レポートに追われているので手抜きです ^^;)。

(Dec/23/05 読売新聞社説より引用者による要点箇条書きにて引用開始)
[人口減少]「予想より早かった転機の訪れ」

  • とうとう日本の人口は,ピークを越えて下り坂に入った。
  • 「自然増加数」は,1万人のマイナスだ。在日外国人を含めても4000人減ったと見られている。
  • 出生数が昨年より4万4000人減り,前年の減少幅を3万人も上回った。主因は少子化の加速である。
  • 内閣府が今月公表した「少子化社会白書」は,日本の現状を「超少子化国」と表現した。
  • 少子化対策として,政府は,10年前に「エンゼルプラン」,5年前に「新エンゼルプラン」,そして今年度は「子ども・子育て応援プラン」を打ち出した。だが,施策の総花的な寄せ集め,という域を出ていない。
  • これまでのプランに,効果があったのか,なかったのか。総点検して,施策の選択と集中を図るべきだ。
  • 人口減少は今後さらに加速する,という厳しい前提に立って,社会保障制度を基礎から再構築する作業も,急がなくてはならない。
(引用終了)
 
 この社説こそ「総花的な寄せ集め」なのですが(つまり僕でも書けるってこと)まあそんなことは置いておこう。
 箇条書きの3点目がこの問題のキモになっていることがおわかりになると思います。ややこしい日本語になっていますが,去年生まれた赤ん坊の人数は前年対比で14,000人の減少で,今年はその減少幅を3万人上回った44,000人減少ということです。確かに生まない傾向が加速していると言えます。どこで歯止めがかかるか分からないものの,この急激な減少幅の増大は不気味です。

 ただ,本屋を歩いていると,人口減少は必ずしも悪いことばかりじゃないといった論調の本に出くわすのです。例えば下のような本がそうです。
人口減少で日本は繁栄する.jpg人口減少ミ会の未来学.jpg人口減少ミ会は怖くない.jpg「人口減少経済」の新しい公ョ.jpg
 一冊ぐらい読んでみようかと思ってパラッと立ち読みしたら,どうも少子高齢化による人口減少について肯定的なものではない。ヨーロッパでペストが流行って人口が減少した後にルネッサンスが始まっただとか,江戸時代もそうだとか,要するに一時的な人口減少の後には文化的な華が咲くんだという話になっていました。僕が望む答えはそんなことではなくて,少子高齢化は違う角度から見ればメリットもあるのではないかという説明が欲しかったので,かなり残念。やっぱり少子高齢化はデメリットしかないのかなあ。
posted by 時をかける僧侶 at 23:22| 兵庫 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本財政問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月04日

税金もクレジット決済できるかも なかなか妙案支持いたします

 あけましておめでとうございます。今日からブログ再開します。とはいってもまだ正月気分抜けきれないのでちょっとだけ。
 
 今日の読売新聞のトップに興味深い記事が出ていたので紹介します。

(Jan/04/06 YOMIURI ONLINEより引用開始)
【大阪府「カードで税金納付」導入へ,全国初】
 ◆07年度にも自動車税から
 大阪府は,クレジットカードによる税金の納付を2007年度にも導入する方針を固めた。金融機関などの窓口に並ばなくても,自宅のパソコンから納税できるようになる。06年度中には,府立高校受験料などの公金のカード納付も認める方針だ。府は公的手続きの電子化を進めることで,利便性の向上を図るとともに,事務経費などの削減を目指す。
 カード納税の導入は,国税も含め,全国初のケースとなる。(略)
 パソコン経由の納税は,04年からインターネットバンキングを利用して一部可能になっているが,インターネットバンキングの口座数はクレジットカードの発行枚数(2億6000万枚)の1割で利用率も低い。(略)
(引用終了)

 最初に断っておくと,僕はクレジットカードってのは必要悪だと思っています。これがなくなればGDPは明らかに減少するでしょうし(個人の借金大国アメリカでは特に顕著でしょう),使い方さえ間違わなければ自分を律することができる人間は今のような低金利の間は積極的に使うことでかなり得することがありますから(具体的には後記)。ただし,買い物依存症だとか,欲しいモノを買わなければ気が収まらず毎月莫大な金額の請求がきて支払いに汲々してしまうような人間にとっては悪であり害でしかありません。そういう意味で必要悪です。

 そのクレジット機能で税金が納められるというのはありそうでなかった話。記事によればインターネットバンキングで一部可能だったようですが,僕は知りませんでした。省略した記事の中に,カード会社への手数料支払いとコスト削減額を天秤にかけて総合的に得だと判断したから踏み切ったという部分がありましたので,やはりネックは手数料なのでしょう。

 国なり地方公共団体がそのカードの加盟店になったときにどれぐらいの手数料を支払うのか,具体的にはもちろんわかりません。僕も銀行員時代は子会社のカード会社の加盟店確保なんていう目標をかかげて営業したこともあるのですが,デフレの真っ最中に余計な手数料を払うことになるような選択を取引先企業がするはずはなく,未達に終わったことを思い出します。確かに売上のゼロ点数%という手数料じゃあ「なめとんのか」という反応も仕方ないところです。それなのに大阪府は人件費削減などのコストカットとを天秤にかけて,採用に踏み切ったということです。

 僕はこの大阪府の英断を支持します。うまくいけば皆が得をするシステムになり得るからです。こういう発想をできる,文字通りの「公務員」がいるということは意外でしたが。
 具体的に言うと,

  • (自分を律することのできる)納税者は簡単にカードで納税できる。支払いは来月に回せるので資金繰りに余裕ができる。
  • 公共団体は徴税事務を大幅に軽減できる。未納の場合の徴税はカード会社が引き受けてくれる。
  • カード会社は公共団体からの確実な手数料収入が期待できる。
  • カード会社は事務負担が増えるが,団塊の世代の退職者や銀行の窓際族の良い再就職先となって雇用確保にもなる。
  • 銀行はカード会社への与信が増加するが,景気回復(とメディアが言っている)に合わせて融資額が伸びるので願ってもないチャンス。

 もちろん善良で自分を律することができる利用者が多数いてもらわないと成り立たないわけですが,これはやり方次第でしょう。利用者にとっても最初の登録が面倒なだけで,信用に問題があってカードを使えない人はともかく,カードをもっていない一般人なんて少ないと思いますから,うまく誘導してあげれば十分可能だと思われます。

 税金の取り立て代行を民間にやらせるということも画期的です。小泉さんに言えば褒めてくれるでしょう。大阪府に限らず,これが全国的に実現すれば日本のクレジット決済の比率も伸びてくるでしょう。ちなみに今日の日経には,「アイスランドでは,若い人でもクレジットカードやデビット(支払い)カードを持てるようにし,電子決済への移行に力を入れている。日本でのカード使用率は消費支出の約8%だが,アイスランドでは70%を超え,決済面での効率向上を追い求めている。」という社説が載っています。日経としてもクレジット決済をどんどん増やしたいみたいで,大阪府は日経にも褒められると思います。・・・ってそんな単純な問題じゃないか。

 とにかくクレジットで納税できるようになるっていうのは僕は期待しているということで話をまとめます(兵庫県でもやってくれないかな?)。

 最後に,低金利時代のクレジット決済が得だというのは,単にポイント還元率がけっこう高いからという意味です。もちろん金利ゼロで借金できて好きなものが今買えるというお得度では高金利時代の方が恩恵は大きいのですが,ここではそういう話ではなくて,ポイントも無視すべきではないですよという話。
 例えば僕はネットで本を注文するときは迷わずクレジットを使いますし,携帯電話の支払いなどもクレジットで済ましています。毎月カードを使ってたらボーナスポイントももらえたりして,なんだかんだと使って一年で結構なポイントが貯まります。これをモノに換えてもいいのですが,商品券などに換えれば金券ショップで換金できてお得なわけですね。これを金利と見なせばすごいもんですよ。支払いを先延ばしして事実上借金しているのは自分なのに最後は金利をもらえるわけですから(金額はわずかですけどね)。クレジット決済だからって高い金額を払うわけではないし(店によりますけど),現金で買ってたらポイントなんてつかないので,クレジット=怖いと短絡的に決めつけるべきではありません。

 実際,僕は調べてみると去年だけで156万円もカード決済しています。その前の年でも146万円。1,000円1ポイントで計算すれば1年で1,560ポイント。僕が使っているカード会社の場合,10ヶ月連続で使ったら100ポイントおまけしてくれるし,1,000ポイント超えた時点で100ポイントおまけしてくれるので,だいたい年間1,700ポイントぐらいあるわけです。200ポイントで500円の商品券がもらえるとしたら1,600ポイントで4,000円。現金決済ならゼロ円なのにクレジットなら4,000円くれるわけですね(実際は金券ショップで値引きされますけどね)。

 4,000円ってバカにできませんよー。
posted by 時をかける僧侶 at 23:07| 兵庫 ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | 投資一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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