2005年12月29日

役人を太らせるために借金し 憂いも尽きぬ国の行くすえ

 朝食をとりながら読売新聞を読んでいると,出生率が1.26に低下したというトップ記事が目に留まりました。ページを繰ると団塊の世代にあたる公務員の退職金が足りないというニューズがあり(下記に引用),暗い記事ばかり続いている状況を考えると,いよいよ国の財政問題は待ったなしのようです。こんなことはずいぶん以前から識者によって指摘されていたので今になって驚くようなことではないのですが,いろいろな懸念が現実化してきたことは対策を怠ってきた結果であり,楽観視しすぎた結果でもあります。そして,先送りも最早許されないような状況にまできています。ということで,今日もやっぱり財政問題を採り上げます。

(Dec/29/05 YOMIURI ONLINEより引用開始)
【都道府県・政令市「団塊の世代」退職金1兆4千億円】
 1947〜49年に生まれた「団塊の世代」の都道府県・政令市職員は,2009年度に定年退職のピークを迎え,同年度に自治体が負担する退職手当は5万1245人分,総額1兆4029億円に上る見込みであることが28日,読売新聞社の全国調査で分かった。
 支払い義務のある手当総額は今年度(7468億円)の1・88倍に達し,過半数の自治体が現時点では全額支給の財源を確保できるかどうか分からないと回答しており,団塊世代の大量退職が地方財政に打撃を与える実態が鮮明になった。(略)
 退職者は47年の早生まれが定年を迎える06年度から急増。07年〜09年度にさらに増加し,この3年間に35都府県市がピークを迎える。団塊世代を大量採用した理由は「高度成長期の行政需要の多様化などに対応するため」(山形県など)という。
 退職者は10年度以降,緩やかに減少するが,70年代前半の第2次ベビーブームに合わせて採用した教職員の定年が目立ち始める14年度から再び増加。23道県は14年度がピークとなる。
 退職手当の財源(複数回答)は,「一般財源」が44都道府県市で最多。10府県市は,総務省が06年度から発行条件を緩和する地方債「退職手当債」を予定している。ただ,07年度に退職者数のピークとなる富山県を含む18府県市は「財源は未定」とした。
 財政面以外でも,ベテラン職員が培ったノウハウの継承への不安などを訴える声も上がった。
(引用終了)

 一般財源でなんとかなるところは良いとして,問題は「退職手当債」を発行する自治体と「未定」の自治体。「未定」って言っても最終的には地方債を発行したり,都道府県から支援をもらう(そのために都道府県はさらに公債を発行する)ぐらいしか方法はないだろうから,やっぱり問題は公債(借金)ということになります。国が国債の新規発行を30兆円以内に抑えようとしているそのウラで地方債発行額はどんどん増えるわけです。そして,その公債を引き受ける(買う)のは地方銀行だとか地域の信金・信組・農協が主要プレーヤーになりますから,彼らの財務状況もどんどん厳しくなっていくことになるでしょう。そしたらそこに預けている我々の預貯金は・・・。

 暗くなりそうだからこんな話やめたいんですけどね。でもこの議論は避けて通れません。景気回復して金利が上がったなら債券なんてどんどん価値が下がっていきますが,地銀や信金,農協は地域経済を支えるためには地方債を購入せざるを得ないということもありますから,彼らは天に祈るような気持ちで引き受けるのでしょう。資産査定のリスクウェイトも低く抑えれるし(要するに貸出を増やすよりも自己資本比率が上がるということ)見た目もごまかせます。でも,そもそも流動性の低い(=売りにくい)地方債を持っているということ自体がリスクなんですよね,本来は。金利が上がってるので損切りしたくても買い手がいないのなら暴落するのを黙って見ているしかないわけ。バブルがはじけた後の不動産みたいなもので,債券バブルがはじけて新たな不良債権がどんどん財務状況を蝕んでいくことになりかねません(もちろん売買目的の債券ではないので時価評価は制度上緩いんですけど)。
 こういう時は景気回復による資産インフレを期待して株を買えばいいわけですが,以前に竹中大臣と木村剛の進言で銀行は底値で株を放出させられてるし(外人がその底値で買っている)今から買いに入ってもどこで外人が引くかわからん状況ですから踏んだり蹴ったりです。

「退職手当債」の話に戻ると,これってそもそも,公務員の退職金のために積み立てていたファンドの今までの運用失敗した分を税金で補いましょうということと同じ意味ですよね。真面目に勤めあげた公務員の方には失礼な話かもしれませんが,結局はこういうことです。負担は次の世代に先送りして,お役人さまに豪遊していただくということなんですけど。これって納税者の理解をすんなりと得られますかね?

 ま,納税者でもこのあたりの仕組みを知っている人なんて少数だし,その少数の人たちも地方選に熱心に投票しにいくとは思えませんから,簡単に発行されるんだろうなあ。借りる側から見たらホントにありがたい話ですよね。
 ただでさえ財政赤字が膨らんでいる地方公共団体が多いんだから(減っているのは田中知事の長野県ぐらい?)ここでさらに借金を増やすなんて,借り手(ここでは地方公共団体のこと)はインフレを期待しているとしか思えません。借りるだけ借りて(公債を発行するだけ発行して)あとはインフレで金利が上がってくれるのを待てば,借り手は固定金利だけ支払っておればいいし,返さないといけないお金の価値がインフレでどんどん減っていきますから。で,割を食うのが公債を買っている銀行とか郵貯,生保。外人はほとんど買っていませんから傷つくのはまた日本人だけ・・・。

 もう暗い話はここまでにしよう。
 今年のラストエントリのつもりですし,改めてここに書いておきますが,僕は何度も負けるのは嫌なのです。戦争に負け,バブル破裂という経済戦争に負けた日本が,いよいよ国民の資産まで失おうとしています。重要な情報を提供してもらえず騙されたままもう一度一億総懺悔なんて考えただけでゾッとしませんか?どうにかして自分の周りの人間だけでも,資産を守っていきたいと思う毎日です。来年もその思いで動いていくつもりです。具体的に考えているのは・・・

  • 海外に口座開設
  • 海外の株取得(日本で売ってるファンドじゃないよ)
  • 住宅ローンの金利長期固定化

 一歩一歩実現していきます。
 ではまた来年お会いしましょう。
posted by 時をかける僧侶 at 22:00| 兵庫 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本財政問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年12月27日

日銀のバランスシートを見てみたら なんとびっくり国債がいっぱい

 財政改革の話題が世間にかまびすしい。新規発行国債が30兆円切るとか景気回復で税収が増えるとか,無駄が減って歳出が減るとか。ま,あくまで予算なので今の時点で詳しく論評することは避けて,財政赤字にスポットライトを当ててこの問題を考えてみようと思います。
 財政破綻問題は個人的にものすごく注目しているので,今日はちょっぴり専門的な見地から,といっても財務諸表が読める程度の知識でのぞきます。財務諸表?そう,今日は日銀の貸借対照表(バランスシート)を見ていきます。この他にもいろんな角度から論じると面白いので,ちょくちょくこの話題についてもエントリしていくつもりです。では早速,日銀のニューズから。

(Dec/20/05 NIKKEI NETより引用開始)
【日銀の保有国債,政府に売却を発表・来年度中5.5兆円】
 日銀は20日,保有する国債のうち5兆5000億円分を来年度中に政府に売却すると正式に発表した。今年度売却分(当初計画6000億円)も1兆4000億円追加し,合計2兆円とする。財務省の要請に応じるもので,政府は買い入れた国債を消却して発行残高を圧縮,利払い負担の削減につなげる。
 日銀によると,15日の政策委員会で決定した。来年度中に政府に売却するのは2007―08年度に償還期限を迎える利付国債。財務省は財政の健全化に向けて来年度中に総額12兆円の国債を償還期限前に買い入れ消却する計画。その半分近くを日銀から買い取るのは,債券市場の需給に影響を与えず相場の安定を維持するのが狙い。
(引用終了)

 小さな記事ですが内容はそれなりに濃い。1998年の小渕首相時代に大量発行した国債の行方を気にしないといけない時期になってきたということですね。財務省もタイムリミットが近づいてきたので本腰を入れ始めたのでしょう。手元資金があるうちに対処しておくということで,評価できることです。金額自体は巨額の国債に比べれば小さなもんですが,市場を通さない手法だし,やらないよりはやっておいた方がいいのは確かです。

 ではここで日銀のバランスシートを見ておきましょう。情報ソースは日銀そのものから(→日銀のサイト)。旬毎にバランスシートを発表しているなんて,サイトに行ってみないとわかりませんでした。もちろん速報値ですけどこの情報開示の姿勢はすばらしい。ただし今回は最新のデータ(12月20日現在)ではなく上半期のものを引用します。中間決算処理をしていて監査の承認も受けているものだからです。

平成17年 9月末  (単位:兆円)
  資産の部       負債・資本の部
金地金   0.4   銀行券   73.5
買現先   4.7   預金    40.5
買入手形 37.0   売現先   27.7
国債   97.9   債券損失引当 2.2
外国債券  4.7   その他    1.6
その他   3.4   ーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーー   負債計  145.5
資産計 148.1   資本計    2.6

 単位は「兆円」ですからお間違えなく。日銀のバランスシートなんて見たことある人は少数だと思いますが,すごく興味深い事実が見えてきます。例えば,

  • 銀行券(お札)の信用を担保しているのは日本国債である。
  • 手形を買って市中に資金を出しているが,量的緩和政策のため預金(銀行からの当座預金)にたまったまま。
  • (数字だけ眺めれば)売現先で調達した資金で短期国債を購入している。
  • 債券取引損失のための引当金は2兆円程度。
  • 資本はわずかに3兆円弱しかない。ちなみに資本金は1億円だけ。

 債券取引の引当金のくだりのようにちょっと意地悪く書いた点もありますが(引当金を積む基準を満たしていれば別に悪いことではないので),他は概ね事実に則した指摘です。どうですか?びっくりしましたか?

 金地金が4,000億円しかありません。日本円に限らないことですが,このようにいまや先進国の通貨に金との兌換制は見られませんから,通貨の信用は別のもので担保されないといけません。円が円として信用されるための背景ですから無茶苦茶大事です。
 日本の円では,数字をご覧になれば明らかなとおり,財務省が発行している国債の価値に依存しているということが分かります。っていうか,刷られたお札以上の国債を買っていて,それで通貨の信用としているという状況ですね。この状況の始まりがいつかは知りませんが,日銀のサイトで得られるデータで追える範囲においてはずっと続いています。ここのところ超低金利が続きました。つまり国債の価値が超高い状況が続いていました。日銀のバランスシートで見れば価値の高い国債に依存している「円」は円高であったとも言えます。実際,平成14年1月にはUSD/JPY(ドル円)の高値@135.15(ひまわり証券のビッドレートベース)をつけて,現在は@117.00付近ですから2割近くは円が強くなっていました。安値だった@104.00台で見たらもっとわかりやすいでしょう。ちなみにこれは,デフレ=通貨価値が上がるという式で理解することもできます。

 何が言いたいか,お分かりでしょう。円の価値は国債次第ということ。これは感覚的なものではないですよ。それを分かっていただくために日銀のバランスシートを引っ張り出して来たのですから。インフレになったら円が安くなるという根源的な証拠でもあります。ですからこの機会に,国債管理政策は円の威信にも関わってくる問題であるという認識を是非もってください。

 それから,わざわざ債券取引の損失引当金が2兆円しかないなんていう書き方もしていますが,これは,そんな金額で足りるのかい?どれだけヘッジできてんだい(そもそも日銀って債券先物市場などでヘッジできたんでしたっけ)?という気分を出したいがために書いたものです。無防備なわけはない(と思う)のでバッファはどこかに仕込んでいるのかもしれません。僕には見つけられませんでしたが。ま,この引当を越えるほどの損失が発生した場合,当然のことながら資本を食いつぶすことになりますので,日銀が債務超過になっちゃうってことも考えられます。時価評価しなくていいというルールがあるので,目に見える債務超過にはならんのでしょうけど。日本の円ってこんなに危うい状況なんですね。
※一般の会社なら倒産一歩手前ですが,日銀はお金を作れますから潰れません。円の価値は急落するでしょうけど。
 
 僕はこのように日本の経済基盤,金融の状態を理解しています。この見地から,国債管理政策を投げ出す形の小泉流の郵政民営化に反対しましたし,外貨投資を試したりしてきたわけです。
※小泉流の郵政民営化とは,財務省なら現行制度でもできるのにやらない財投改革の責任を郵便局に押し付けて,さらに国債を大量に保有している郵貯・簡保を民営化することで国債管理の責任を民間に押し付けるものです。マスコミは抵抗勢力と小泉大明神の対決という脚色でしか国民に語りませんでしたが。

 もちろん,経済は生ものですし理屈通りに動く確証はありません。でも,だからと言って全てをレッセフェールするのは無責任ですし,守らなければならないもの(僕にとっては日本の国,国民の富,家族たちなど)を守るのが男の役割だと思っていますから,その時その時でベターと思われるものをいろいろ試行錯誤しているのです。ま,あんまり財政破綻とか国家破綻を語ると総悲観論になってしまって気分は晴れませんし建設的ではありませんから,これからも極力暗い話は避けて「どうすべきか」というところを探っていきたいなとは思っていますが。

 やっぱりここでも国債を抜きには語れないことがおわかりいただけたと思います。日銀のバランスシートから円の価値を語るというエントリはここまでにしておきましょう。



(雑記)
 円の価値が他通貨と比べて安くなって何が困るの?という質問に答えましょう。
 日本の食料自給率は40%ないんですよ。人口は減っていきますけど,食料すら輸入に頼らざるを得ない国の通貨が安くなったら国民生活に与えるインパクト(インフレ)は強烈です。ただでさえ原油高になっただけでCPIがプラスに転じたニューズが今日出たばっかりですから(→記事)。そのかわり国内農業の重要性が再認識されることでしょうけど。

 欧米の先進国はそんなこと百も承知だから国内農業をしっかり保護するし(日本だけが保護政策とっていて非難されていると思い込んでいるアナタ,マスコミに洗脳されていますよ),だからこそ通貨安戦略をとって経済を復活させることができるんだけど,日本は事情が違うから人為的に円安にはもっていきにくいんです。だから地震とかテロとか,はたまた国債暴落というきっかけで「自然に」円安にならないといけない。でも円安にさえなれば資産効果も期待できるし,内需も活発になるし,借金の負担は減少するし,いいことの方が多いと思われます。次回はこういう話もできればいいなあと思っています。
posted by 時をかける僧侶 at 22:31| 兵庫 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本財政問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年12月25日

信心の深きによるべし所得額 うわべ心にマネー来ず来ず

 暗い話ばっかり続くとしめっぽいので,せっかくのクリスマスなんだし宗教の信心について興味深い記事を紹介しておこう。
 
(Oct/26/05 REUTERより引用開始)
【教会に通う頻度高いほど高収入=米研究】
 米マサチューセッツ工科大学経済学部のジョナサン・グルーバー氏は25日,教会に通う頻度が高いほど,世帯所得も高くなるとの研究結果を発表した。
 同氏は全米経済研究所(NBER)によって発表された研究論文のなかで,「教会に通う頻度が倍増すると,9.1%の世帯収入増につながる」としている。
 さらに,「おそらく信仰心が厚い人ほど,日常的な問題でストレスを受けることが少なく,結果として,就職や結婚などの場面で成功しやすいのだろう」との見解も述べている。
 また同じ宗教を信仰する相互依存的な民族社会で暮らす人々ほど,礼拝に赴く頻度が高いとしている。
 同研究は,教会を訪れる頻度と教育水準,収入,婚姻率などが相関関係にあるとしている。
(引用終了)

 この記事をフォローする情報が見当たらないので中途半端なコメントになってしまうことにご了承いただきたいのですが,どうやら信仰心と所得には高い相関があるようです。M.I.Tの研究では「教会」となっていますが,先進国であればという条件をつけておいて,彼らが信奉する宗教と読み替えれば,おそらく先進国にあてはめれば研究結果の普遍性は保たれるのでしょう。ま,気軽に書くブログであんまり緻密なことをうじゃうじゃ書いても仕方がない。これをぽーんと日本国民に当てはめてみよう。というのは,無宗教(多宗教?)と言われている日本国民についても面白い考察ができるんじゃないかなと思ったからです。

 大胆に下図のように日本国民を分類してみよう。

1.信仰心篤い |2.信仰心篤い
  かつ    |  かつ
  低所得   |  高所得
        |
 ーーーーーーーーーーーーーーー
        |
3.信仰心薄い |4.信仰心薄い
  かつ    |  かつ
  低所得   |  高所得

 研究結果に従えば,2は相関,3は逆相関なので説明はいらない。問題は1と4に分類される人たちは身近に探せば必ず誰かはいるという現象です。これをどうとらえたらいいか。坊主である僕自身の問題として「仏教の布教のためにどのように解釈して説法をすべきか」という観点からも考えてみたいと思います。

 で,僕なりの結論から言っちゃうと,1とか4というのは自分の単なる思い込みであるか,現時点の瞬間風速の話であるかということで,本質的には2か3に分類されるんだろう。どういうことか以下に簡単に書いておきます。でも1エントリだけですませるような話じゃないので,考えの断片のようなものを今日は書いておくことにして,最終的な結論はペンディングします。いろいろ考えていくと面白いテーマですし。

 まず共通の話題として,日本人の「信仰心」をどのように定義するかということはけっこう難しい。研究ではアメリカ人が教会に通う頻度を指標にしているわけですが,日本だったらやっぱり「教会」か「お寺」「神社」ということになるのかな。それとも,家に仏壇とか神棚があれば,それに向かうだけでいいのだろうか。・・・と逡巡ばかりしていても仕方がないので,そのような宗教行為を心をこめてできる人を「信仰心が篤い人」と定義してしまおう。全くしないか,嫌々ながら形だけしている人を「信仰心が薄い人」とします。宗教は仏教だろうとキリスト教だろうと幸福の科学だろうとなんでも良いとしよう。定義をしっかり定めておいて,さあ個別に見ていきます。

 まず1について。
 この層は,”私の信仰心は本物なのだろうか”という宗教への真摯な向き合いを改めてしてみることで,本質的には3なんじゃないかということが発見されるかもしれません。いわゆるマンネリ化が怖いということ・・・かな。毎日神棚に向かっています,仏壇を拝んでいます,でも暮らしは楽になりません!というようなときは,よくよく気持ちがこもっているかどうかを点検してみるといいでしょう。そもそも仏教は(特に浄土宗は)現世利益が第一義ではありませんから,高所得を求めて宗教活動をするというのは本当の信仰心ではありませんが。他の宗教はどうか知りませんが,気持ちがこもっているかどうかを点検すれば,実は3層だったということに気付くことが多いと思います。

 続いて4について。
 これは簡単。”今だけやん,ずっと高所得とは限らんよ。”ということ。瞬間風速で今現在は高所得かもしれないけど,本質的にはやっぱり3の場合が圧倒的に多いでしょう。今仮に成功して高額の所得を手にしていたとしても,己の力を過信したり,自然の力を軽視したり,拝金主義に陥ったりという状態が続いたらひっくり返るかもしれません。無宗教を自認する日本国民の多くがバブルの波に飲み込まれて,一気に4から3に遷移してしまった事実を思い起こすと分かりやすい(僕が説法するならこの例を頻繁に使うと思いますね。ほらね,信仰心がないと調子がいいのも一時だけだよって)。
 あるいは少数でしょうけど,例えば信仰心の篤い家族達の徳のおかげで高所得になっている,実質2という場合も考えられます。記事に戻っていただくと,研究では本人の所得じゃなくて世帯所得が云々と書いていますから,世帯ひっくるめてトータルで「信仰心が篤い」という場合は2です。

 そんなわけで僕なりに自分の周りに当てはめて考察した結果,本質的な部分で言えば,MITの研究結果はそのとおりだろうと結論付けることができます。心からの信仰心が結果的に永続的な高所得を生むというのは事実であろう,と。宗教家にとっても自分の説法に一層の説得力が備わるようで嬉しい。ま,こじつけって言われりゃそれまでなんですけど。

 さっきも書きましたが,こういう研究って興味深いですね。また採り上げていきたいと思います。
posted by 時をかける僧侶 at 22:36| 兵庫 ☀| Comment(0) | TrackBack(1) | 布教活動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年12月22日

消費者という言葉にはウラがある あんた達だけくず肉食っとけ

 昨日,有馬温泉でゆったりしてきたのでアップが遅れました。日付をさくっと変更しておいて米国産牛肉の話をしよう。

(Dec/12/05 毎日新聞より引用開始)
【<米国産牛輸入解禁>フードサービス協「解禁内容が不十分」】
 米国産牛肉の輸入解禁について日本フードサービス協会の横川竟会長は12日,「生後20カ月以下という部分再開では停止前の2割程度しか供給されず,消費者の要望には十分応えられない」と解禁の内容が不十分との認識を示した。「再開に2年間という無駄な時間を費やし,消費者,外食業界にとって残念だ」とも指摘した。
(引用終了)

 先日,正論を通して道路財源一般会計化に反論した車業界のトピックを採り上げましたが,今日は愚論を通して業界の利益優先で反論する食肉業界を採り上げます。
 ところどころでこのおじさん,「消費者」という名称を使って,さも国民の総意だみたいな雰囲気で話をしています。さて,実態はそうかな?

(Dec/06/05 WEB埼玉より引用開始)
【75%が米国産食べたくない 牛肉輸入再開で世論調査】
 政府が近く輸入再開を決める米国産牛肉を「食べたいとは思わない」とする人が75・2%に上ることが共同通信社が三,四日行った全国電話世論調査で分かった。牛海綿状脳症(BSE)問題による「安全性に不安が残る」との理由が62・5%と最も多く,根強い不安感が浮き彫りになった。国民の理解を得られないまま「見切り発車」の再開となるのは必至だ。
 輸入再開後の米国産牛肉を「食べたいと思う」と答えた人は21・2%。昨年十二月の電話世論調査と比べると,「食べたいと思わない」が2・7ポイント上昇,「食べたいと思う」が2・6ポイント低下と,ほとんど変わっておらず,国民の拒否感は一向に弱まっていない。
 「食べたいと思わない」とした人は,男性が67・1%に対し女性は82・9%に上り,「食の安全」への強い関心を反映した形。年代別では,「食べたい」とした人が,男性の二十代が29・0%,四十代も37・6%と,高かった。
 「食べたいとは思わない」とした人の理由は,安全性への不安に次ぎ「国産やオーストラリア産で十分」が20・6%。「牛肉は食べない」も9・7%あり,BSE問題による牛肉離れもみられる。
 輸入再開で行政に望むこと(複数回答)では,「全頭検査を行うよう米国に申し入れる」が56・5%と最多。「輸入条件の緩和」は3・3%にとどまったのに対し,「米国が輸入条件を守っているかどうかの監視を強める」が35・1%,「問題あるエサの規制強化」も26・1%で,安全確保を求める声の強さを示した。
 「レストランや外食産業にも産地表示」も31・6%に達した。情報提供への関心も高く,関係業界に一層の取り組みを促している。
(引用終了)

 WEB埼玉ってローカルなところから引用するなよってツッコミも入りそうですが,調査しているのは共同通信であって,たまたま引用しやすかったのがWEB埼玉だったということですのでご了承ください。大手紙も全紙が採り上げていますので。
 さてこの共同通信の調査がどの程度信頼できるのかという基礎的かつ統計学的に重要な問題はちょっとおいときますが,結果をリストにすると,

  • 4人に3人が「食べたくない」
  • 積極的に「食べたい」のは男性の20代で3割弱,40代で4割弱
  • 消費者の過半数はアメリカに全頭検査を求めている
  • 消費者の35%がアメリカの検査を信用していない(監視強化を望んでいる)
  • 3割強は外食産業は産地を隠すな!と考えている

 この調査結果を意図的に無視しないかぎり,あのような厚顔無恥な発言はできないということがわかります。結果から見たら「生後20カ月以下という部分再開では停止前の2割程度しか供給されず,消費者の要望には十分応えられない」というのは真っ赤なウソ。消費者の要望に答えていないのは,部分再開を決めた日本政府ではなくてアメリカ政府でだと国民は言っているわけですから。
 男性20代40代という一番お金がない人たちの声を一方的に「消費者」と理解する,この発言こそが劣悪くず肉を大量に売って儲けている外食業界の本音でしょう。「彼らにとっての」消費者という意味でしか,あの発言は理解できません。愚論による反論です。
 ただし言論の自由は保障されているので言うこと自体は悪ではありません。問題なのは,調査結果を知らずにあの発言を真に受けてしまう人たちがいるということです。ま,情報の取捨選択によって印象が変わるというテーマはこの問題に限りませんけどね。でも,自分たちの業界の利益を守りたいがためにあのような妄言をしてしまうわけですから,どうしようもない人たちだってことは変わりありません。

 ここで話を一般化しましょうか。
 僕が業界の人たちの発言を肯定するときは,国民の大半にとって利益(目に見えるか見えないかは別にして)をもたらすときです。発言を否定したり批判したりするときは,少数の人たちだけが利益を得るときです。
 道路財源の話にあてはめると,ドライバーのほとんどが,自分たちが支払っている道路の通行料とかガソリン税がいつのまにか公務員の給料とか政府の赤字国債に化けているという事態を歓迎するのかというと,そうではないだろうと僕は考えるので(注:僕の主観ですよ),財源の一般会計組入れに反対する業界の人たちの意見はもっともだと思うわけです。ドライバー達の大半が,公務員の給料を負担したいとか赤字国債発行して未来の自分の子供や孫達に負の遺産を残したいと考えるのであれば,業界人の発言は民意を反映していないということになりますけど。ま,そのときはそういう事態に対して僕は危惧すると思います。
 一方で米国産牛肉問題に当てはめると,(調査上)国民の4人に3人が「食べたくない」と思っているものをあえて急いで輸入する必要はないと僕は考えるので,業界人の発言は容認できないわけです。要するに,あんた達が儲からなくなるから反対してるんでしょ,その反論の肉付けのために「消費者」という言葉を自社商品(食品)の消費者に限定させて利用しているんでしょ,ということ。穀物の自給率が上昇して,かつ1ドル300円ぐらいの超円安になっても米国産牛肉にこだわりますかい?超赤字が続きますけど。
 
 ま,いじめるのはこれぐらいにしておこうか。得るものは何もないし。
 対案を出したいところだけど,ここまで話が決まってしまっている段階ではもう遅いな。まだ輸入再開が決まる前なら,税関を通ったらすぐに焼却すべしとか書きましたけど。肉食を控えることぐらいしか思いつかないなあ。次またこのトピックを採り上げるときまでに考えておきます。
posted by 時をかける僧侶 at 00:00| 兵庫 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | アメリカ産牛肉問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年12月20日

株が増えファンドが増えてもこの国の安全神話は揺るぎなきなり

 投資の話を続けよう。といってももうけ話じゃなくって統計データを詳しく読み解くという話。

(Dec/15/05 読売新聞より引用開始)
【個人金融資産1454兆円,過去最高を更新】
 日本銀行が15日発表した資金循環統計(速報値)によると,今年9月末の個人(家計部門)の金融資産残高は前年同期比3・3%増の1454兆円となり,1979年度末の調査開始以来の過去最高を更新した。
 株価上昇で株式の評価額が上がったことが主要因だ。
 内訳を見ると,最近の株高を背景に,株式が24・8%増の96兆円,投資信託が28・4%増の45兆円と過去最高。個人マネーがリスク資産に向かっている様子をうかがわせた。(略)
(引用終了)

 この数字を確認するには,日銀のサイトを直接見るとよいでしょう(→リンク,日米比較データはこちら(PDFファイル直リンク))。餅は餅屋。いろいろ見ていくとおもしろいことがわかります。2005年9月末の数字ですが,発表されたデータで興味深いものを上げてみると,

  • 個人金融資産1,454兆円とはグロスの値であって,負債(ローンなど)を控除したネットで見ると,1,073兆円である。
  • 現預金は774兆円で全体の53.2%を占めている。アメリカはなんと13.4%!
  • 次いで大きいのが保険年金準備金387兆円で26.6%。アメリカは日本よりも大きくて30.6%。
  • 株式出資金が142兆円で全体の9.8%(記事では株式のみにスポットを当てている)。アメリカはなんと33.8%!
  • 投資信託も全体の3.1%に過ぎない。ちなみにアメリカは13.2%。
  • 国債は25兆円。ちなみに昨年度末は21兆円。

 新聞は断片しか伝えませんが(紙面が限られているので仕方がない)情報を受けとる我々はいろんな方面への興味があるわけですから,原典にあたることは決して無駄なことではありません。新聞が公表しない隠された「何か」を発見することもありますし,ここでの日米比較などのデータは興味深い雑学のネタとしても使えます。
 と同時に,日米での統計の取り方や定義の違いなどがあるので単純に比較してしまうのは要注意です。日本では「家計」に個人事業主も入っているとか,母集団自体が変わってしまうと本来ならそれらを調整して比較しないといけません。ま,それらを区別する手だてがない以上,そういう定義の違いなどがあるという事実を知ったうえで補足事項として脚注表記するぐらいしかできませんけど。

 個別に見ていきましょうか。
 個人金融資産がどんどん増えていているということはよく新聞などでも採り上げられているので社会人ならもう常識でしょう。それがついに1,454兆円にまでなったようです。10月以降の株高を考えればさらに増えていることだと思います。ただし注意がいるのは,そのままの金額が家計の金融資産ではないということ。「日本の家計は1,400兆円ももっているから日本の国の財政がまっかっかでも大丈夫なんだ」というような使われ方をしてしまうといけません。上記のようにグロス値なので,住宅ローンなどの返さないといけないお金も考えて,そのうえで論じないと間違います。まあでも銀行借入323兆円などを控除したとしても,ネットで1,073兆円もあるっていうのはすごいことですね。外資系がこぞってやってくる理由もわかるというものです。

 次は現預金。グロスの比で53.2%で,ネットで見れば72.1%ですから,株ブームといってもまだまだ安全指向な国民性があぶりだされますね。この数字を向こう側から見たら,日本は今でも間接金融主体だということもわかります。アメリカと比べれば面白いぐらいに違いが鮮明になりますね。これはもう民族性だね。良いとか悪いとかじゃなくて。

 保険年金の準備金はまあいいでしょう。将来の不安をカバーすることは大事なことですし,それなりに金額がないとかえって心配になります。これが大きく減っていたり(毀損していたり)すると要注意なんですが,株高だし調子は良いようです。

 株式・出資金もようやく日本で10%程度まで上がってきました。ブームですからねえ。で,これが昨日のエントリのように素人相場になっているのだとしたら要注意なんですよね。とはいえバブル期は20%を越えていたようですから,見方によってはまだ大丈夫なのかも。隣のおばちゃんまでネットトレードし始めたら,それが売りサインになるんだと思っていて間違いないでしょうけど。

 投資信託は思ったより少ないなあという印象。増加率で見たら記事のとおり大きく伸びているんだけど,グロソブとかMMFの人気でもっと増えているんだと思っていました。手数料高くて運用実績が低いファンドが多いから,そろそろ投資家も飽きてきた(騙されていることに気付いた)のかもね。

 で,注目すべきは国債。順調に伸びています。調子に乗って固定金利型の国債も売り出したぐらいですから,来年もこの調子で増えていくのかもしれません。景気がよくなって金利が上がったら元本割れするってことも知らずにね(当然満期まで持てば元本が帰ってきますけど)。景気回復を願うのであれば国債なんて買えないはずなんだけど,まったく日本人はお人よしが多いですねえ。

 さて,今日書きたかったのはこれだけではなくて,こうやって徐々に増加してきた個人の金融資産を狙って各金融機関の競争も激化しているという事例もあげてみます。少し前に新聞に出ていた三井住友銀行の独禁法違反の件で大きな話題を呼びそうなニューズが入ってきました。金融商品を売る側もバブル期のような低モラルに戻ってしまって,税金を大量に入れてもらって救っていただいた国民に恩をあだで返すようなやり口がとうとう公取委の逆鱗に触れてしまったようです。

(Dec/20/05 東京アウトローズWEB速報版より引用開始)
【三井住友銀行,「公取委・排除勧告」応諾の波紋=z
  三井住友銀行が,金融派生商品の販売で公正取引委員会から排除勧告を受け,応諾した問題が波紋≠呼んでいる。すでに本誌12月16日付のミニ情報で,この排除勧告の背後には,「西川善文・同行特別顧問の郵政民営化会社トップ就任に反対する三菱UFJ銀行サイドと金融庁首脳の影が見え隠れする」と報じたが,一部マスコミでも同様の報道がなされている。
 今回の排除勧告は,三井住友側が融資をエサに変動金利を固定金利に変える金利スワップ商品を販売,その際,支店の担当者が融資決済権限を持った上司を帯同していたことなどから,「優先的地位の乱用」を禁じた独禁法に違反した,というもの。
 では,三井住友側は何故,あっさりと排除勧告を受け入れたのか。排除勧告の応諾は,刑事事件で言えば,罪を自供した≠ノ等しく,「審判」で争うことも出来たハズだ。その辺りの事情について,ある関係者は次のようにいう。
「公取委からヤリ玉に挙げられた10数件のうち一部に関して,三井住友の内部文書が流出した。動かぬ証拠を公取委,金融庁に押さえられてしまったため,三井住友は認めざるを得なくなった」
 三井住友の金融派生商品の販売は,数千件に達すると見られている。今回の排除勧告応諾を受けて,すでに日弁連を中心に損害賠償を請求する民事訴訟の動きも出ているという。場合によっては,三井住友は相当の出血≠覚悟せざるを得なくなるかもしれない。
(引用終了)

 三井住友はロスチャイルド系(日銀と同じ系列)ですから,郵政民営化で一番おいしいところをかっさらっていった西川らへの反撃をロックフェラー系の三菱が仕掛けているという見方ですね。低モラルで無茶苦茶な売り込みをしているのはもちろん三井住友だけではありません。どこだって似たようなことをやっています(やらないとノルマを達成できない)。なのにこういう情報をリークされて,しかも証拠があちらさんに挙がっているという状況ができあがって三井住友だけが悪者にされたとなると,こりゃあまだまだいろいろと起こってきそうな雰囲気ですね。郵政公社の主導権争いがこれからますます激化するということでしょうか。ま,どっちにせよ国債は売られるのは既定路線でしょうけど。インフレ・円安には放っておいてもなりそうだ・・・と,いつもの結論を出して今日は終わり。
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2005年12月18日

暴落の怖さを知らぬ素人に危ぶむ声も届くはずなし

 今日は相場の話。僕の先週のFX取引は散々なものでしたから偉そうに書くような話ではないのですが,失敗から学ぶ中で気付いたことがあったので書き留めておこうと思います。ただし前もって書いておきますが,以下に述べるのは僕の独り言です。相場の世界は相手が見えにくいので,まして個人投資家に本当の情報が届くかどうかなんて不明ですから推察しかできませんのであしからず。あくまでも投資は自己責任で。投機はご勝手に。

(Dec/05/05 asahi.comより引用開始)
【「バブルのような雰囲気」 株価急上昇で奥田経団連会長】
 日本経団連の奥田碩会長は5日の記者会見で,東京株式市場で株価が急上昇していることについて「日本全体がバブルの時期のような雰囲気になっているのではないかと思う。株価が上がることに乗り遅れるのではないか,という焦燥感から買いが買いをよんでいるような状況だ」と述べ,株価が経済の実態以上に上昇しているとの警戒感を示した。
 奥田会長は,雑誌やテレビなどで株式投資をあおる記事や番組などが最近増えていることも指摘し,「カネ目当ての国になるのではないかと思う」と憂慮を示した。そのうえで,「二度と前回のバブルの轍(てつ)を踏まないように日本人として考えなければならない」と警鐘を鳴らした。
(引用終了)

 このニューズは日経などでも採り上げられていましたからご覧になった方も多いでしょう。経団連のトップが異例の苦言。おっしゃる通りで,僕も常々思っていたことなのですが,それでも呼びかけの客体が間違っているように思えます。
 というのは,バブル期に痛い目にあった人たちはいまだにトラウマをひきずっていたりリスクに過剰反応したりして用心深くなっているので,今回のビッグマーケットの主役にはなっていないだろうという点,またネットトレード主体の個人投資家たちは株式投資で痛い目にあう機会が少なかったであろう点(ネットトレードがはやり出してからはほぼ右肩上がりの株価ですから)を考えたら,本当の相場の怖さを知っている参加者は少ないんじゃないかなと思っています。勝っている人が残っているという側面から見ても,負けた人は相場にはとどまっていないだろうし,どっちにせよ奥田会長が危惧する意図はわかるんだけど,痛い経験をしていない(あるいは少ない)人にバブルのときの話をしても馬の耳に念仏のような気がするということです。
 さらに言えば,バブル期の轍というのは,原因の半分が証券会社とか銀行の無茶苦茶な営業姿勢にあったのですから,ネットトレード主体の現在とはまた環境が違うと思います。ま,雑誌やテレビで煽っている状況は怖いぐらいにバブル期とそっくりなので,奥田会長もこういう苦言の呈し方をされたのでしょうけど。

 奥田会長はさすがに世界のトヨタを率いていた方ですから抜群の勘をおもちです。12/5の会見です。一方,平凡な坊主である僕でも今の株式相場について現実的に危惧する段階に到達したのは,この記事から10日以上過ぎた12/16の次のような記事を見てからです。

(Dec/16/05 Sankei Webより引用開始)
【誤発注のジェイコム株,27歳無職男性が20億円の利益】
 みずほ証券によるジェイコム株の大量発注ミスで,今度は千葉県市川市在住の無職男性(27)が問題の株を7100株売買し,少なくとも20億3500万円を超える利益を得ていたことが16日,関東財務局に提出された大量保有報告書で分かった。
 前日には,東京都港区の会社役員が約5億6000万円の利益を得たことが判明しており,今回のトラブルに乗じてデイトレーダーなど個人投資家の一部も“荒稼ぎ”していたことが裏付けられた。
 報告書によると,無職男性は発注ミスのあった8日に34億3661万6000円の自己資金を投入して7100株を取得し,同日中に1100株を市場で売却した。その際の差益は明らかになっていないが,13日には強制決済で残り6000株を54億7200万円で売却し,少なくとも取得総額との差額である約20億3538万4000円を超える利益を得たとみられる。
(引用終了)

 このニューズを読んで「俺(私)も同じようにうまいことやってやろう」と考えるか,「こんな世の中になったらおしまいだ。終焉近し」と考えるか。
 前者の考えの人はどうぞ同じようにがんばってください。
 僕は後者の考えです。富士通のシステムで大事故になったみずほ証券の誤発注事件と同じで,ありえないことが重なっているし,モラルの崩壊がピークを越えてしまっているからです。具体的に問題だと思われる箇所を羅列してみると,

  • 27歳の無職の人間が他人のミスに乗じて利益を得ている。
  • 会社役員という従業員の模範になるべきポストの人間が他人のミスに乗じて利益を得ている。
  • 27歳の無職の人間がなぜか34億円超の資金をもっている。
  • 彼の全財産がいくらなのかは不明だが,そのうちの34億円以上が証券口座にあって運用されている。

 レバレッジを効かした信用取引ではなく(IPO銘柄なんだから当たり前か)現物買いだからそれなりの資金が必要なのに,この無職の27歳の男性(拙僧より1つ下)はありあまる資金をもっていました。なぜかは知りませんが。非難轟々だったハゲタカ外資もせいぜい4500株しか買っていないのに彼は7100株も買っています。
(参考)
モルガンスタンレー  4522株(41億2千万円)
日興コーディアル証券 3455株(31億5千万円)
リーマンブラザーズ  3150株(28億7千万円)
クレディ・スイス   2889株(26億3千万円)
野村証券       1000株( 9億1千万円)
(※モルスタなどはストップ安で自動的に買うようなコンピュータ売買をしていたのでしょう。だから上がってから売れたので4500株の売買でも,強制売買されてしまった27歳の男性よりは利益が大きい。)
 
「無職」がいけないとか固いことを言うつもりはないですけど,株の売却益にかかる税金は10%だから,今回の彼の利益が20億3500万円だったとしても税金は2億円しか収めなくていい。サラリーマンで20億円も所得があれば地方税も含めて10億円は納税するのにですよ(実際は定率減税で8億円ぐらいか)。ルールだから仕方がないのですが,みずほ証券に返金する必要もないし,18億円がまるまる彼のものになるわけだ。
 会社役員だってそう。こんなモラルの劣悪な役員の下で働く従業員も可哀想なものです。で,こんな企業に限って「お客様第一」とか言っているんだろうなあ。
 普通の感覚を持っている方なら,こんな世界がいつまでも続くとは思わないでしょう。

 もう一点。他人の投資スタイル(この場合は典型的な投機ですが)についてとやかく言いたくないですが,34億円を株式投資につぎ込むってのは普通では考えられないですね。リスク感覚が現実を超越してしまっていて,チキンな僕には考えられない大バクチでしかしびれないんでしょうかね。

 20億円も一瞬で儲けてしまう人は素人ではありません。しかしこの記事を読んで「俺(私)も同じようにうまいことやってやろう」と思う人がいっぱいいれば,この株式相場は素人相場であることがバレバレになります。バレてしまったらどうなるか・・・これを僕は実際に先週FXの世界で体験したのでした。詳しくはあっちのブログで月曜日に書こうと思いますが,ゼロ金利の円売りで高金利通貨をキャリートレードしていた個人投資家でレバレッジをガンガン上げていた人は先週えらい目にあっています。僕は長期投資目的なのでレバ抑え目だったのですがあまりの下落のすごさに9月以降の利益がすべてふっとびました。それぐらいの体験をしました。僕も含めて素人ばっかりの相場だったんですね。12月という流動性が細くなる時期にヘッジファンドが円買いを仕掛けて,円売りポジションをとっていた日本の個人投資家たちのストップロスやらマージンコールやらが次々とヒットして,ずっと下落が進んだわけです。いい勉強になりましたけど怖かったですねえ。
 ひょっとしたら株も同じことが起こるかもしれません。奥田会長が危惧されるとおり,乗り遅れてはいけないという焦燥感から株価が上昇しているのであれば僕はその確率は高いと思っています。素人が参加してきて,相場の下落の怖さをしらないとしたら,バブルの轍をふむことになるでしょう。僕は株については素人だから手は出していません(為替についても僕は素人に近いのですが,油断してやるべきことをやらなければ今回みたいな失敗を犯します)。FXで味わった恐怖を体験しましたので,ここで忠告をしておこうと思った次第です。ま,このブログは大半の人の目には留まらないわけですけどね。
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2005年12月16日

キジを見せカラスを売るのは詐欺ですよ道路も同じ本質は同じ

 道路財源の一般財源化が決まりそうです。方向性としてはすでに決まっていて,全部を一般化するには法改正がいるが,改正せずにできる範囲の500億円ぐらいはすぐにやってしまおうということらしい。この動きに対して,ちょっと古い記事になりますが正論を紹介します。

(Nov/13/05 産経新聞より引用開始)
【道路財源の一般財源化,「納税者裏切る行為」 自工会・石油連盟,反対署名活動/税率下げ要求】
 小泉純一郎首相が指示した道路特定財源の一般財源化をめぐり,自動車や石油関係の業界から反発する声が高まっている。両業界とも「道路以外への転用は納税者に対する裏切り」(日本自動車工業会)などとして,一般ドライバーに対して反対を呼びかける署名活動などに乗り出している。政府・与党は年内に一般財源化を決める見通しだが,こうした関連業界との調整は難航しそうだ。
 税収の使途を原則として道路建設に限定する道路特定財源は,ガソリンにかかる揮発油税のほか,車検時に徴収する自動車重量税などで構成されている。小泉首相はこの道路財源について,使途を限定しない一般財源に組み替えるように指示し,政府・与党では一般財源化に向けた議論が本格化している。
 道路財源は,道路を使用する人が道路整備費用を負担するという「受益者負担」の原則に基づいており,いわば“目的税”との位置づけだ。このため,使途を限定しない一般財源化に対しては日本自動車工業会が先月,「道路整備以外への転用は,政治に対する納税者の信頼を裏切るものだ」として反対する姿勢を表明した。その理由の一つとして,税負担をめぐる地域格差の問題を指摘した。(略)
 石油連盟も今月十日には「道路整備以外への転用は,制度の趣旨に反し,自動車ユーザーの理解を得られない」と一般財源化に反対する声明を発表した。その理由の一つにあげているのが暫定税率の問題だ。
 揮発油税と地方道路税からなるガソリン税は本来,ガソリン一リットル当たり二八・七円。ところが,道路建設を促進する目的で昭和四十九年四月に暫定分が上乗せされ,現在の税率は揮発油税が二倍になるなど合計では同五三・八円まで負担が重くなっている。このため,石油連盟は「財源に余裕があるならば,暫定税率を引き下げ,自動車ユーザーの負担を軽減すべきだ」と主張する。(略)
(引用終了)

 まったくもって正論。でも正論は必ずしも為政者の耳には届きません。今のような独裁体制で,かつマスコミが用心棒として機能している間は,馬でも鹿と言わざるを得ない信念の弱い政治家ばっかりで,これでは日本が良くなるわけがありません。ですから業界の人たちがいくら反対しても決める権限をもっていない以上は無駄でしょう。でも無駄だからといって行動を起こさないというのはもっといけない。ポーズだけに終わったとしても,反対しない=賛成と解釈されたのでは次の手が打てないからです。「あの時,反対意見を出さなかっただろう?今更反対するな」と言われてしょんぼり反論できないようでは業界人間の意義がありません。
 僕の心境も同じ。個人のブログでぴーちくぱーちく吠えたところで影響力はもちろんありません。影響力を及ぼすにいたった立派なブログもたくさんありますが,趣味というか片手間でやっている僕のブログでは世論が動くことはありません。でも,だからといって反対意見を述べない,あるいは意見表明しないというのは,政策に賛成していると見なされるわけですから,それが嫌な僕はこうやって自分の意見を公表しておくわけです(アドレスさえ打ち込めば誰でも僕の意見を検証できる)。もちろん飲み屋で友人とそういう話をしてもいいんだけど,頭の中が整理されていない状態で時事問題の意見を交換してもまとまりがないし,得るものも少ない。いったん文章の形で残しておいて自分の頭を整理すれば,いざ自分の意見を誰かに言う必要が出てきたときには,より深く自分の意見が相手に伝わるものです。僕も銀行員時代はこの手法で人脈を広げました。何事も段取りが大事だということでもありますし,そのためにブログを利用するというのもいいかなと思うのです。だから僕はブログを続けているわけですね。

 前置きはこれぐらいにしよう。
 道路財源は特別会計で管理されています。これについての問題点は

  • 国会議員の審議を経ずに官僚達の権限で予算が決められる。
  • 大目に徴収するもんだから大幅な黒字になるが,予算消化のために無駄なものを作り続ける。
  • 官僚とつるんだ道路族が幅をきかせる。

 こんなところですか。小泉政権は,古賀誠などの道路族の力をそぐことと日本の財政悪化に歯止めをかけることのために財源を一般化しようとしています。それはそれで理念としては間違ってはいないのですが,本質を見誤っています。結果的に本質をついてくる論者と言論で戦うことができず(姉歯事件の証人喚問で自民党の情けなさは露呈しましたね),力づくで法案を通すしかなくなっているわけですが,このエントリで僕が本質を書いておきます。

 本質はズバリ,用途を決めて集めた金を集まりすぎたからっていって違うことに使っていいのかという点。業界の人たちはまさにこの本質論で戦うわけだけど,権力で言論を押さえ込む手法が好きな,というより言論では戦えないことをしっかり自覚している(笑)小泉首相はかわしてきます。彼らを抵抗勢力と呼んで,マスコミにもそう呼ばせて,正しい情報が伝わっていないのに自分は勝ち組だと勘違いしているB層の方々は問題の本質すら理解できずに,ころっと小泉マンセーを叫んで,抵抗勢力の力はしぼんでいきます。そうなっては元も子もないので,比較的分別がいいというか要領がいいというか,業界の人たちもゴリゴリと抵抗することはしないでしょう(郵政民営化に反対した議員がどうなったかを考えればさもありなん)。この程度の反対意見を述べて,せいぜい一般人から署名を集めておしまい。最後に「遺憾である」旨の記者会見を発表すれば,反対したけどダメだった,でも戦ったんだというイメージが残せます。ま,これはこれでよろしい。

 絶大な政治力で必ずしも正しいと思われることがなされないのは現実論として仕方がありません。問題は我々が本質を知らないままでいいのかということ。少なくとも僕は,政府の情報操作で本質を知らされないまま自己責任と言われて納得できるようなお人よしではありません。じっくり物事を考えれば本質は見えてきますし,本質論から考えれば特定財源の一般化なんてありえない話だと誰でもわかるはず。本質を知れば政府の本当のねらいもわかります。つまりなぜ政府は本質論を避けてまでやりたいのかということがわかります。ちなみにこの事例で言えば政府がやりたいのは道路族云々という話と赤字財政についてでしょう。

 もちろん,本質にこだわりすぎずにそっちの対策をとった方が国のためになるという場合はあります。一般化はありえないと書きましたが,例外はあるのです。ただし特定財源,徴収を受けた国民が納得した場合です。この事例で具体的に見ると,

  • 用途を変えていいわけはないという原則は保持。道路のメンテナンスのために支払っている税金で国債買ったりODA出されたりしていいはずがない。キジを見せてカラスを売るような詐欺は許されない。
  • だから官僚のさじ加減で決まるような杜撰な特別会計を一旦解散(?閉じるってこと)する。余ったお金はドライバーに返金。車両税を減免する形にすればいい。
  • もちろん国の財政悪化の歯止めに貢献したいというドライバーがいればその意見は尊重して減免しなくてもよい。
  • そのうえで道路のメンテナンスについても一般財源の中でやるという形で,あらためて財源を一般化する。この時点であれば車両税とかガソリン税などは一般化しても全く問題はない。カラスを見せてカラスを売るのだから。

 キジを見せた以上はキジを売らないといけない。カラスを売りたいのならカラスを見せよという当たり前のことですね。これを政府はごり押しでキジを見せて集めた金でカラスを売りつけようとしているわけ。詐欺です。だから,キジを買うつもりでお金を出した人に一旦お金を返して,カラスを売るのでもう一度お金を出してねという手順を踏まないと,本当に詐欺になるのです。

 実はもう一つ解決策があります。特別会計の予算も国会審議にしてしまうことです。これなら国民の代表である国会議員の決議で特別法なり何なりを作って財源委譲はできるでしょう。国民のチェックが入ったわけですから。
 でもなぜか今回はその手すら使いません。理由はわかりませんが,面倒なだけなのですかね。官僚が抵抗しているんでしょうか。こっちの方が簡単なように思えますけどねえ。まあもうちょっと調べないとわかりませんが。

 とりあえず今日はここまでにします。この問題はけっこう奥が深いからこの先もちょいちょい見ていきたいと思います。
posted by 時をかける僧侶 at 23:54| Comment(0) | TrackBack(1) | 日本財政問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年12月14日

読売の相も変わらぬバカ社説読んで師走も過ぎてゆくなり

 アメリカ産牛肉の輸入再開が決まりました。引越し前のブログ(→リンク)で何度も意見表明してきたとおり,僕は今でも反対の立場です。なぜ反対なのかという理由はもういちいち挙げません。決まったことですし,僕のこれからの行動は「できるだけ」アメリカ産だと思われる牛肉を食べないという段階に移ります。
※「できるだけ」と書いたのは,いろいろ知らないものにアメリカ産牛の形が変わったものが入っていて,とても全て排除することは不可能だろうと思うからです。コンソメスープとかインスタントラーメンのスープなどは気をつければ避けれますが,ちょっと外食したときなんかは店が使ってたらもうアウトです。

 で,今日はすでに輸入再開が決まったのにグダグダ言っている各紙の社説について批判していきます。
 まずは日経から。

(Dec/09/05 日本経済新聞社説より引用者による要点箇条書きにて引用開始)
【米産牛肉,信頼回復に努力を】

  • 米国でのBSE(牛海綿状脳症)発生で止まっていた輸入は2年ぶりの再開となるが,安全性への不安を払拭(ふっしょく)できなければ,消費者を米国産牛肉に呼び戻せない。
  • 条件順守にこだわるのは米国・カナダのBSE感染実態が明らかでないためであり,関係者は条件から逸脱しないよう神経をとがらせてもらいたい。
  • 米国産牛肉の輸入量は禁輸前に年間約26万トンあり,国内牛肉市場の4分の1を占めていた。
  • 外食・小売業では輸入再開で約6割が使う意向を示している。
  • 牛肉輸入問題はともすると政治圧力につながりやすいが,少なくとも感染実態の把握を進めて科学的根拠を示さないと条件緩和の議論は進むまい。
(引用終了)
 
 全然あたりさわりのない「面白くない」社説。”何を今更”の典型。「条件順守にこだわるのは米国・カナダのBSE感染実態が明らかでないためであり」って,だったら認めるなっていう社説をもっともっと以前に書いておくべきです。感染実態すらわからないのに輸入再開するという無茶苦茶な論法になぜ正面から向き合って反論しないのか。いや,してこなかったのか。証拠ならいくらでもあるじゃないの。鶏・豚への肉骨粉使用を禁じていない先進国はアメリカだけだし,今日のNHK「クローズアップ現代」でも解説されていたように,その肉骨粉を食べさせた鶏の排泄物(要するに糞)を牛に食べさせているという実態があるんだから。そんなことも知らずに「感染実態すらわからない」なんていい加減なこと書くな。今更こんな社説を出してジャーナリズム面するなよ。

 毎日新聞も日経と面白くない点では同じ。虚偽情報がないだけましだけど,やっぱり面白くない。

(Dec/13/05 毎日新聞社説より引用者による要点箇条書きにて引用開始)
【牛肉輸入解禁 消費者の信頼をどう得るか】

  • 今後の米国・カナダ産牛肉の牛海綿状脳症(BSE)に関する安全は,リスク管理者である両省と米国・カナダの当局に委ねられる。
  • 今回の米国・カナダ産牛肉のリスク評価については,諮問自体が,月齢20カ月以下に限り,特定危険部位を適切に除去した場合という前提がついていた。その前提が適切に守られるか,というリスク評価は要請されなかった。
  • 輸入解禁で,日本の消費者が米国・カナダ産牛肉をどれだけ受け入れるかは,消費者が日・米・加のリスク管理者と食品業者をどれだけ信頼するかにかかっている。
  • 米国・カナダの畜産業者やリスク管理当局は,日本市場の回復ではなく,新市場の開拓というぐらいの気持ちで,日本の消費者の信頼確保に取り組む必要がある。
(引用終了)

 つまらん社説が続きました。次に批判する読売の他も同じようなつまらない「何を今更」社説ばかりでしたので,満を持して読売の社説いきます。要点しぼるのもバカらしい社説だから全部引用します。

(Dec/13/05 読売新聞社説より引用開始)
【検査対象を国際基準に合わせよ】
 国内でのBSE(牛海綿状脳症)検査を,国際水準に合わせるきっかけとしたい。
 米国,カナダ産牛肉の輸入が2年ぶりに再開されることになった。内閣府の食品安全委員会の答申を受け,農林水産省などが禁輸の解除を決めた。
 近く,米国産牛肉が牛丼店で復活し,販売店の店頭にも並ぶ。日米間の“とげ”が取り除かれ,悪化しかけた日米関係の改善に役立つものと期待したい。
 だが,これで問題が完全に解決したわけではない。国内では,BSE検査を免除する牛の月齢を,20か月以下としている。このため,今回輸入が認められる米国産も,20か月以下に限られる。
 欧州など多くの国で,検査対象は30か月以上だ。日本が突出して厳しい姿勢で検査していることに変わりはない。
 国内のBSE対策を,危機対応から正常モードに切り替えるには,検査基準の格差是正が欠かせまい。農水省などは,対象を月齢30か月以上とするよう食品委に改めて諮問し,早急に議論を始めるべきである。
 2003年末に,米国でBSE感染牛が確認され,日本は牛肉の輸入を禁止した。その後,米国の要求に対し,輸入再開を拒否し続けてきた。日本が義務付けていた全頭検査を,米国が実施していないことが主な理由だった。
 国内の全頭検査は,2001年9月に初めて感染牛が見つかったのを契機に,全国的に広がったパニック的な牛肉離れを鎮めるために導入された。
 当時,他国並みに月齢30か月以上だけを対象にすべきだ,との意見があった。だが,農林族議員らの声に押され,世界でも異例の措置が採用された。
 全頭検査は今年の春,ようやく見直された。ただ,国内で確認された感染牛で最も若かったのが21か月だったため,検査免除の対象は20か月以下という,国際的には依然として厳しい水準になってしまった。
 国内ではこれまで,21頭の感染牛が見つかった。しかし,BSEが初めて確認された直後から,牛に対する飼料の規制が強化されている。その後に妊娠して生まれた牛で感染がわかった例はない。
 専門家の間では,今後,日本で月齢30か月未満の牛で感染が確認される可能性は極めて低い,との見方が大勢だ。
 米国は日本に対し,月齢30か月未満の牛肉の輸入を認めるよう要請している。世界貿易機関(WTO)のルールでは,過剰な検疫などで輸入を妨げるのは違反とされる。無用な摩擦を避ける意味からも,国内基準を見直すべきだ。
(引用終了)
 
 この新聞が日本で一番多く読まれているのかと思うと・・・何だかなあ。インチキばかりの社説。ホントに日本の新聞なの?

日米間の“とげ”が取り除かれ,悪化しかけた日米関係の改善に役立つものと期待したい。

 国民の健康を犠牲にしてアメリカの牛肉業界を儲けさせることが日米関係の改善だと読売は言いたいようです。国民あっての国でしょうが。郵政民営化のようにお金とられておしまいっていう話ではなくて,狂牛病のリスクが子孫累々にまで及ぶんだぞ。BSEがヒトに感染したクロイツフェルトヤコブ病の患者がアメリカで急増している事実だとか,そういう大事な報道をせずに何が日米関係だ。日本が独立国として(アメリカの対等な同盟国として)立派にやっていかないといかんというときに,若い世代やさらに次の世代の健康を損なうような決定を喜んでどうする。

欧州など多くの国で,検査対象は30か月以上だ。日本が突出して厳しい姿勢で検査していることに変わりはない。
 国内のBSE対策を,危機対応から正常モードに切り替えるには,検査基準の格差是正が欠かせまい。農水省などは,対象を月齢30か月以上とするよう食品委に改めて諮問し,早急に議論を始めるべきである。


 この理屈で言えば(後段で読売自身が書いているように)日本で全頭検査の結果見つけることができた21ヶ月とか23ヶ月の狂牛は見つからないってことになります。ホントにバカだな。

当時,他国並みに月齢30か月以上だけを対象にすべきだ,との意見があった。だが,農林族議員らの声に押され,世界でも異例の措置が採用された。

 農林族を簡単にバカにするな。彼らは悪い側面もあるけど日本の食料自給率の低下に歯止めをかけるために既存の農家を発奮させる手段としていろんな利権を使っているだけです。読売のような売国新聞ごときが批判していいことではないってことぐらい分かれよ。「他国並みに」ってことにこだわるんなら,他国並みに食料自給率を100%近くにすることを提言しろよ。牛の検査なんていう小さな話題で「他国並み」とか,しらじらしい言葉を使って国民を誘導するな。

国内ではこれまで,21頭の感染牛が見つかった。しかし,BSEが初めて確認された直後から,牛に対する飼料の規制が強化されている。その後に妊娠して生まれた牛で感染がわかった例はない。
 専門家の間では,今後,日本で月齢30か月未満の牛で感染が確認される可能性は極めて低い,との見方が大勢だ。


 いつの間にか「国内」の話にすりかえられて,30ヶ月がいけないという論調に変わっています。ここまでやるか。アメリカでは牛に対する飼料の規制は全く強化されておらんだろうが。相変わらず,SRM(特定危険部位)を砕いて作った肉骨粉を食べた鶏の糞に糖蜜をかけて牛に食わせているじゃないか。NHKですら,今日の番組で「鶏の排泄物を牛に食べさせている」と言ってたんだぞ。
 
 ホントにどうしようもない新聞ですね。大事な事実を伝えずに,やたらと小さな世界基準にこだわる。そうやって国民の目を欺いて間違った世論を作り出そうとする。もっと大所高所からの社説をビシッと載せられんのかね。ま,このBSE問題をめぐる数々の社説とかジャイアンツを見れば,読売グループがいかに時代の流れを読めていないかが分かりますね。

(参考)
 読売新聞のアメリカ産牛肉輸入問題についての社説を掲載しておきます。自説がぶれていないという点は評価してあげてもいいけど,間違いを認めないっていうのは醜いですね。

(May/27/05 読売新聞社説より引用開始)
【米国産牛肉 輸入再開の条件は整っている】
 米国の対応策は,日本が牛肉の輸入再開を認めるのに必要な条件をほぼ満たしている。食品安全委員会は迅速に結論を出すべきだ。
 農林水産省と厚生労働省が,米国産牛肉の安全性について,食品委に諮問した。米国産牛肉の輸入再開には,日本産と同程度に安全である,と食品委が判断することが必要だ。実際の審査を担当する食品委の専門家グループが,近く検討に入る。
 2003年末に,BSE(牛海綿状脳症)に感染した牛が米国で確認されたことをきっかけに,米国産牛肉は1年半近く,輸入が禁止されている。
 米国は,感染牛がカナダから購入されたものであることなどを理由に,輸入再開を強く求めてきた。日本は,すべての牛についてBSE感染の有無を調べる全頭検査を米国が実施していない,として要求を拒んできた。
 食品委は今月初め,日本が続けてきた全頭検査を見直し,20か月齢以下の牛の検査を免除しても問題はない,と結論付けた。検査で確認された最も若い感染牛が,21か月齢だったためだ。
 この結論を出すまで,半年以上の時間がかかった。当初は2,3か月で終了すると見られていた。だが,専門家グループが3週間に1回程度しか会議を開かなかったうえ,一部の委員が過剰に資料提出を求めたことなどで,手間取った。
 いたずらに時間を費やす事態を繰り返してはなるまい。専門家グループは,場合によっては集中審議を開くなど精力的に議論し,早期決着を目指すべきだ。
 日本の検査システムの変更で,輸入再開のハードルは大きく下がる。
 検査なしでも構わないとする20か月齢以下の牛を確認する手法については,肉質による判定で十分可能,との認識で日米当局が一致している。
 米国は,日本に輸出する牛肉から,脳や脊髄(せきずい)などの特定危険部位を日本同様,すべて除去することを約束した。
 専門家グループの検討課題は,政府間協議などで事実上,決着済みだ。
 家畜に関する国際基準を決める国際獣疫事務局(OIE)は,骨を取り除いた牛肉について,無条件で輸出入を認めることを,週内に決める見通しだ。
 OIEの決定は,加盟国に対する拘束力はないが,世界貿易機関(WTO)での紛争処理の判断基準になりうる。日本が牛肉の輸入許可に当たって月齢を条件とすること自体が,提訴された場合,問題になる可能性もあるということだ。
 日本の関係者は,こうした動きも考慮に入れて政策判断をする必要がある。
(引用終了)

(Jun/26/05 読売新聞社説より引用開始)
【米BSE2頭目 輸入再開の議論は粛々と進めよ】
 米国内でBSE(牛海綿状脳症)に感染した2頭目の牛が確認された。
 しかし,日本が検討中である米国産牛肉の輸入再開問題に,直ちに影響する事態とは言えまい。審査を担当する食品安全委員会の専門家グループは,粛々と議論を進めるべきだ。
 米国での最初のBSE感染牛は,カナダから輸入されたが,今度は米国生まれの可能性が高い。カナダと米国の牛肉市場が密接な関係にあることを考えれば,米国生まれの感染牛が出ることは,ある程度予想されたことだ。しかも,8歳を超える高齢の肉牛である。
 日本が輸入再開を認めるかどうか検討しているのは,20か月齢以下の若い牛が対象だ。
 米国側は,対日輸出分については,20か月齢以下であることを保証し,BSEの原因となる異常プリオンがたまりやすい脳や脊髄(せきずい)など特定危険部位を完全に取り除くことを約束している。
 そうであれば,日本側の輸入再開の条件は,基本的に満たされている。
 米国の2頭目の感染牛は,昨年11月に簡易検査で陽性となった。確認検査に回したところ,その時は「シロ」と判定された。その後,米農務省の内部監査局の勧告で再検査し,日本や欧州で実施されている「ウエスタンブロット法」という高精度の手法で調べた。
 その結果は陽性で,英国の専門機関の検査で最終確認された。
 米国の確認検査に問題があることがわかり,米農務省は今後,日本などと同じ手法で検査する方針を示した。正しい判断と言えよう。BSE汚染がどれだけ進んでいるかを正確に知ることが,対策の第一歩となるからだ。
 精度を上げれば,感染牛の確認数が増えることが予想されるが,肝心なのは,危険な牛肉を市場に出さないことだ。米国でも,特定危険部位を除去する対象の牛を広げることなどが,消費者の信頼を高めるのに重要だろう。
 日本では,2001年9月に初めてBSE感染牛が見つかって以来,全頭検査が行われてきた。これまで450万頭を検査し,20頭の感染を確認した。
 最も若い感染牛が21か月齢だったため食品委は先月,20か月齢以下の牛について,検査しなくても問題はないとの報告をまとめた。全頭検査という,世界でも異例の措置を解除するのは当然だ。
 国際的には30か月齢以上の牛をBSE検査の対象とするのが普通だ。日本の検査対象を世界標準にそろえることも,今後の検討課題である。
(引用終了)

(Oct/25/05 読売新聞社説より引用開始)
【米国産牛肉 輸入再開を遅らせる政治の怠慢】
 過去2年間,禁止されてきた米国産牛肉の輸入が,年内に再開される見通しが強まった。
 安全性を審査している食品安全委員会の専門調査会が,「日米の牛肉のリスク差は非常に小さい」とする答申原案を示した。今後,リスク評価について詰めの議論を行い,近く決定する見込みだ。
 食品委は,原案が決まればそのまま正式答申とする方針だ。それを受け,農林水産省などが年内に禁輸措置を解除する運びとなる。
 だが輸入再開までに,あまりに時間がかかり過ぎているのではないか。この間に日米関係は,米軍基地の移転問題などに牛肉問題も加わり,良好な関係が失われつつある,との見方もあるほどだ。
 専門家の議論も大切だが,重要な政策課題には政治の出番が必要だ。「政治が前面に出て対応すれば,これほどの時間はかからなかった」との指摘を,重く受け止めるべきだ。
 2003年末に,米国で初めてBSE(牛海綿状脳症)の感染牛が確認され,日本はすぐ輸入を禁止した。輸入牛肉の約半分を米国産が占めていただけに,牛丼チェーンなどに大きな影響が出た。
 米国は再三にわたり,輸入再開を求めたが,日本が国産牛に義務付ける全頭検査を実施していないことなどを理由に,日本側は拒否してきた。
 問題は,世界で全頭検査を導入していたのは日本だけだったことだ。国内からも疑問視する声があった。米国との摩擦をきっかけに議論が始まり,半年もかかって,ようやく解除にこぎ着けた。
 その過程で,米国は対日輸出分について,日本の基準に合わせる譲歩案を提示してきた。脳や脊髄(せきずい)など特定危険部位を完全に取り除いた20か月齢以下の牛に限る,という内容だ。
 輸入解禁の是非について食品委には,米国が危険部位の除去などを確実に実施するかどうか,疑問視する声が依然としてあるのが現実だ。
 だが,米国側が約束を守るかどうかは農水省などが厳しく点検すべきことだ。約束履行を前提に食品委が議論すれば,容認の結論が出るのは自然の流れだ。
 輸入が再開されたとしても,BSE問題が全面解決するわけではない。国内の検査対象は21か月齢以上だが,国際的には30か月齢以上が大半だ。それでも安全上の問題は起きていない。
 日本の基準は,国際標準から突出している。米国に限らず,どの国から見ても異様に映るだろう。こうした問題の是正には,政治が責任を持って対応しなければならない。
(引用終了)
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2005年12月12日

情報収集論をちょっとまじめに語ろう

 横のリンクでも紹介している「クラブ9」というサイトがあります。
 この人が書いた相場見通しはけっこう当たるし,書いていることは一番筋が通っていてわかりやすいし説得力があります。毎週月曜日に更新されているようなので,経済通になりたい方はのぞいてみることをお勧めします。
 ちなみに最新号は,→ 【2006年の相場を読む(その一)株式続伸、国債急落、円反騰】(Dec/12/05 )

 今日はこのような秀逸なサイトに出会って勉強させてもらえるという好運に感謝するという意味で,僕の情報収集についての話をちょこっと語ろう。ちょこっとと書くのは別にもったいぶっているからではなくて,語り出すとうるさくて長くなるからです。ま,そんなに堅い話はしないし,長くもならないと思うので気楽に。

 このブログの最初のエントリでも書いたのですが,最近は大手メディアが日々起こってくる問題の本質を避けて(故意なのか無知なのかは話題による)国民を欺こうという姿勢がやけに目立ちます。特に最近の報道でひどいのが「米軍再編・安保問題」「米国産牛肉輸入解禁」「道路財源の一般財源化」「年次改革要望書」「耐震偽造設計」「郵政民営化」など。これらの本質についてきっちりと説明している大手のメディアは一つもありません。大体の論調が「小泉大明神がワンフレーズ託宣を述べられた。ご託宣に逆らう者は抵抗勢力だ。我々メディアは真っ先に大明神をあがめ奉るので,愚民どもも自分達に習って”ミンエイカカイカク”という呪文を唱えて大明神をあがめたまえ。」っていうもので,時間のない忙しいサラリーマンは新聞のこういう論調を頭からたたき込まれ続けて,いつしか自分が洗脳されていることにも気付かないまま,そして自分が勝ち組にいるという幻想を抱いたまま小泉マンセーを叫ぶわけです。しかも隣のチョーセン国を笑いながらね。

 僕も世の中の酸いも甘いも知らない新入社員で日経新聞を読むのが常識だと思い込んでいた銀行員時代は同じような感覚でした。忙しいということが理由というか言い訳として都合が良くて,そんな忙しいサラリーマンにウソを教えて本質からそらそうとするような人間は悪だと,「騙す方が悪い」と考える青二才でした。でも,銀行員を続けてはっきりわかったことがありました。「騙される方も同じぐらい悪い」。

 要するに,情報を得ようと思って時間をかけてじっくり調べれば決して騙されようのない話題なのに,そういう面倒なことがきらいな人たち(以前の僕も含む)は言葉巧みな言動につられて見事に騙されるわけです。あとから検証したり事件が起こってみて初めて「騙された」とわかる,典型的な情報オンチ。調べれば知識も増えるし,騙そうとした相手のレベルとかねらいも分かるし,いいことずくめなのに面倒でやらない。それで人のせいにして騒いで・・・それなのに一つも自分は成長しない。幸い僕はこれではいかんと目覚めたのでした。

 情報ソースに偏りがあるという事実。これこそが僕の目覚めの契機でした。なぜこんな簡単なことに気付かなかったんだろうと思いました。皆が読んでいるから,常識だから,売れているから・・・そんな理由でメディアを選んで記事を読んでたら,そりゃ偏りますわな。人の行く裏に道あり花の山ってのは相場の有名な格言ですが,本質をいち早くつかむ人は多数派にはなびきませんね。一定割合の人たちが同じ方向を見出したときに変化は訪れるのでしょう。僕は幸いこの事実に気付くことができた。そして次のステップに進むことができました。

 大手メディアが国民の目を本質からそらそうとしているねらいは何か?株式会社で広告収入に頼っている彼らをおびやかしている存在,要するにメディアにそういうことをさせている人たちは誰か?なぜそれが必要なのか?本やインターネット,雑誌,友人など様々な手段を通じて得た情報を自分の頭で分析して,ある仮説をたて,その仮説が正しいのかどうか矛盾点を一つ一つつぶしていくわけです。新たな矛盾点にぶつかるときもありましたし,全く反対の意見が妙に筋が通っていて自分の軸が揺らぐという経験も何度もしました。未熟な未熟な書生論ぶった世間知らずでした。そういう数々の経験をこなして自分の頭を徹底的に駆動させてみて,情報の目利き(メディアリテラシー)になっていくわけですね。面倒ですけど僕もこの1年はそれをずっと続けてきました。結果的に自分が考えていた仮説は正しかったこともあったし間違っていたこともあった。でも大事なことは「自分で考えた」ことであって,失敗の中からも学べたので大きく成長できたなあと思っています。

 何でもかんでも疑えとか,いつも少数派でないといけないとか,もちろんそういうことではありませんよ。「このニューズは僕の仮説に組み込んだら筋が通るかな?」というアンカーをわずかゼロコンマ何秒という期間に脳みそに打ち込むわけです。そこで電流が流れてひっかかりがあったら,その時点でじっくり考えることになります。こんなことの繰り返しです。

 ゼロコンマ何秒ってのもちゃんと伏線があります。実際にはそんな神業的なことは不可能ですが,情報ってのは質のいいものを自分で選び取らないと,すぐに無駄に多くの情報に埋もれてしまうことになりますから,効率良くかつ大量に情報に向き合って自分の磨き上げたリテラシーに照らして判断していくわけですね。僕も限られた時間を情報収集にあてるのですが,サイトを回ったりRSSリーダで一気に読み込んだりスクラップしたりと,本当に効率良くこなさないとすぐに時間がたってしまいます。スクラップしても結局はその情報をアウトプットする時期を逃してしまったとか,さらにわかりやすい説明をしているサイトがあったとかで無駄になってしまうことも多いのですが,何もやらずにいきなり金山を掘り当てるなんてことは奇蹟に近い確率でしょうから,やはりコツコツと毎日時間をかけてやるしかない。作業を効率化するために最新の機械を買うこともあるし,ソフトで解決することもある。限られた時間を最大限に使って収集するわけです。

 そして集めるだけではなく,自分の仮説を誰かに発表します。僕の場合はこのブログだとか,家族とご飯食べているときに発表してアウトプットを自分の中で義務づけるのです。これは絶対に大事なことで,集めた情報が生きるかどうかってのはアウトプットがあるかないか,上手か下手かにかかってきますから。人間はアウトプットすることで成長できるのです。日ごろから説教ばかりしている坊主が言うのだから間違いない。考えてても言葉にしないと伝わらないし,せっかく口がついているんだから使ってあげないともったいないってことです。

 アウトプットするために情報を収集するんだというのは日垣隆氏とか斎藤孝氏がよくおっしゃってます。構成力を磨こうと思えばアウトプットするより他にありませんし,コメント力ってのはまさにアウトプットそのものですし。大多数の人に影響を与えるメディアに騙されないためにも独自のアウトプットを温めて,メディアが展開する議論と比べてみるのは非常に勉強になります。これからもこの手法を続けるつもりです。慣れれば面白いし,自分の話題のレパートリーが増えてウケもいいですよ。

 長くならないといいながらけっこう書いてきたなあ。反省。最後にもう一度一番言いたかったことをつづって終わります。
 大事なことは「自分でやる」こと。いくら忙しくても自分でやらないと目は育たないでしょう。Yahooのトップページの記事のように,第三者の主観が入ってるのにもかかわらず,何だかオーソライズされてしまっている感がある情報の集められ方は,便利なのですが何も自分の知性を磨く術にならないですね。今風に言えば個性がない。自分で苦労していろいろと読み込んでみるという面倒な工程を踏んでこそ,真実を見極める目が育つんだろうと思います。と,いちびってエラそうなことを書いてさっさと寝ることにいたします。
posted by 時をかける僧侶 at 23:23| Comment(0) | TrackBack(1) | 情報収集・サイト紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年12月10日

いよいよ年次改革要望書の季節になりました

 今日はまずこのニューズをお届けしよう。詳しい中身はまだアップされていないので引用するほどのこともなく,見出しとリンクだけ。
【日本政府に規制改革要望提言書を提出】(Dec/07/05 )

 いわゆる「年次改革要望書」ですね。
 僕がこの文書の存在を知ったのは関岡英之『拒否できない日本』文春新書を読んでからです。ほとんどの人がそうだと思いますが,そもそも大新聞・テレビが採り上げてこなかったこの文書はすでに1993年に宮沢・クリントン合意で翌年から日米交換の形で出されてきたものだったらしい。実際はサブタイトルが「アメリカの日本改造が進んでいる」となっているとおり,アメリカからの一方的な内政干渉であり,これを糾弾するのが怖いマスコミは一斉に口をつぐんで国民に知らせなかったというわけです。産経・読売のポチ保守言論は中国・韓国から干渉されたらピーチクパーチク騒ぎ出すくせに,白人からの干渉だったら知らん顔。白人コンプレックスむきだしでみっともないですよね。ま,朝日も毎日も知らん顔してのは同じですけど。

 この本は今年の「ベスト新書」に選ばれてもおかしくないものです。このブログで気になった方は是非買って読んでみてください。手ごろなところでは今月号の文芸春秋に関岡氏が寄稿しているので概要を読むこともできます。

 大新聞とテレビしか情報入手のチャンネルを持っていない大多数の人たちは未だにこの文書の存在なんてしらないでしょう。中身にはすんごいことが書いてあるんだけどなあ。例えばこれが出された当初は建築基準を緩和せいとか(今になって問題が起こってるやん)一昨年になってからは郵政民営化しろとか牛肉買えとか,来年は医療改革せいとか言ってるわけ。ちょっと引用しようか。

(先のリンクより引用開始)
「米国企業が日本市場に供給している先端医療機器および医薬品の膨大な数を考慮すると,日本政府が検討している医療政策および医療改革にこうした企業が十分かつ有意義な意見具申の機会を得ることは,重要である。その中でも特に特に重要なのは,日本の医療価格設定政策が,革新性を評価するにことが重要であるを与えるということである」
(引用終了)

 変な訳だなあ(サイトにアップするんだからもっと校正しとけよって)。もったいぶった書き方ですけど,要するに日本の医療市場にもっとアメリカに口出しさせいということ。日本に変わって我々がいいように改革してやるってこと。タミフルで大もうけしているロシュとかギリアドがさらに儲かる仕組みにせいってこと。
※参考記事 → 【ラムズフェルド、鳥インフルエンザで大儲け】(Nov/14/05 暗いニュースリンク)

 ま,こんな感じで毎年アメリカ様は属国に対して干渉してくるわけですけど,この関係はしばらく続くでしょう。そして刃向かえないかよわい羊は従うしかないでしょう。在日米軍の再編で日本の自衛隊はアメリカの指揮系統に置かれちゃったわけだし,厚木には原子力潜水艦が入ってくるわけだし,グアムへの米軍引っ越し費用は日本がもたされるわけだし,郵政民営化で国債が売られてアメリカ国債を買わされるだろうし(その資金でアメリカ国民の年金破綻が防げる),鶏の糞に糖蜜かけたエサを食べた牛が吉野家に並ぶわけだし・・・。いつの間にかいろんな不平等条約を結ばれて,ホントに情けない国になっちゃったなあって感じですね。

 でも諸々の事件の本質をつかむことが出来ればリスクは回避できますよ。肉食べたり外食しないで有機野菜食べてりゃ大丈夫だろうし,医者にかからんように毎日体操してりゃいいし,郵便局の口座解約してハワイ旅行したついでに口座開いたらいいわけだし。竹中大臣が昔自慢していたように1/1に日本に住所がなければ住民税払わなけりゃいいわけだし,坊主になりゃ戦争も免除されるだろうし(ちょっと不安ですが)。向こうがその気ならこっちも対策練らないとね。

 そんなカネねえよって方。そんなときこその投資じゃないですか。何もラクして金儲けするのが投資というわけではありません。僕は生活を豊かにするために投資しているのであって,少々高くても有機野菜を食べたいし,海外で口座開いて日本の破綻リスクを切り離したい。そんなときこそ日本売り(笑)高金利通貨買い。
 こんな状況で円を買うっていうことはファンダメンタルズで考えればありえないことです。外人がいっぱい日本の株を買ってくれていますが,円安が進んでいるせいで彼らのリターンも抑えられています(彼らはドルベースで収益考えますから)。ここへきて第三クォーターの日本の名目GDPがマイナスっていう報道が出ましたし,そろそろ売ってくる準備をしているとも考えられます。相場の勢いがありますから日本人が高値でつかむことになるんでしょうけど・・・。
 資産を守ろうと思えば外貨とか海外のファンドに投資しておくべきですね。ただしテクニカルで見れば中国元の切上げなどで円も買われることはあるでしょうけど,今年の7月のときのように一時的なものですぐに戻ってくるんじゃないかな。ま,投資は自己責任ですが。
※参考記事 → 【GDP改定値、年率1・0%増に成長率を下方修正】(Dec/09/05 YOMIURI ONLINE)

 ほかにもいろんな興味深いニューズがあったのですが,また次回に。
posted by 時をかける僧侶 at 18:40| Comment(1) | TrackBack(0) | 日米従属関係 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年12月08日

誰だ!国債が安心だとか貯蓄だとか言っているヤツは!

 今日はみずほ証券がやってもうたみたいですね。空売りした分を買い戻したら1,000億円の損失だってさ。黒木亮の『トップ・レフト』のハイライトを思い出しちゃったよ。ま,そんな話はどうでもいい。今日は投資ブームに乗って財務省が調子こいて発売しようとしている個人向け国債の話。

(Nov/30/05 共同通信より引用開始)
【本木さんが新キャラ 個人向け固定型国債】
 財務省は30日,固定金利型の新型個人向け5年物国債を来年1月から発行するのに合わせて,新イメージキャラクターにタレントの本木雅弘さんを起用すると発表した。大量発行が続く国債を安定的に消化するため,購入層の拡大を目指す。
 本木さんと2003年発行の変動金利型10年物国債のキャラクターを務めるタレントの小雪さんが同日,谷垣禎一財務相を表敬訪問。本木さんは「固定金利(の国債)は安心感があります」とし,小雪さんは「貯蓄についての知識が深まり,勉強になります」と述べた。
(引用終了)

 芸能界の皆さんに金融の専門的な話(って言っても僕がするぐらいだから初歩的な話ね)をしても仕方がないし,理解してもらう必要もないのですが,モックン,誰から言わされてるのでしょうか?知らないなら知らないって言っておいた方がいいと思いますけど。「固定金利(の国債)は安心感があります」かぁ。インフレ来たらパァやないけ。来春には日銀の量的緩和策が解除されるかもしれないってときに固定金利商品の紹介するのに「安心感」はないやろ。

 固定金利で安心できるのは金利上昇局面でお金を借りているときだけです。これ以上金利は下がらんだろうという水準で固定金利で借入できれば,そのあと金利が上昇しても固定金利の支払いで済まされるからです。でもモックンが話題にしているのは借金じゃなくて投資。お金持ちに国債買ってねっていうアピールをしないといけない立場です。しかも,政府が言うには経済が回復局面にあるということなので,これから金利が上がる可能性が高いってときなの。大金を投資している機関投資家達がこぞって国債を売って株とかオルタナティブに投資しようと待ちかまえているときに,暴落必至の固定金利国債をバカな,いやいやネギをしょったジジババに売らんといかん立場なの。郵政民営化で郵貯・簡保も国債のたたき売りを始めようかってときに,その国債をはめ込む先として何も知らないジジババに何としても買ってもらわないといけない事態なの。名目元本にしか理解が及ばないお年寄りを保護しているような余裕はないっていう瀬戸際なの。そういった諸々のことを理解したうえで「安心感」っていう発言なんだよね?さっすが役者やのぅ。

 はい次。小雪さん。国債は貯蓄じゃないからねー。10年持ち続けて国が破綻しなければもちろん元本保証で貯蓄みたいなもんだけど,10年後帰ってきた100万円で何が買えるようになっているんだろうね。インフレって怖いよ。大卒の初任給が200万円ぐらいにインフレが進んでても元本保証って喜んでいられるかなあ?
※このたとえ話で,「金利が上がると債券の価値が下がる」っていうことが直感的に理解できましたか?

 ああ悲しき客寄せパンダ達。僕が芸能人ならこんなキャンペーンのイメキャラにはならないな。モックンにせよ小雪にせよ,まだまだ他にも仕事回ってくるんだから,仕事なくて困っている芸人さんに回してやってよ。

 ここからは個人的な所感。
 これまで財務省は「変動金利型個人向け国債」を売り出して無茶苦茶な人気を集めました。何しろ金利が上がっても(インフレになっても)半年ごとの金利見直しで利息も増えてくれるのですから。もちろんこのようなオプションが付いている分,他の10年もの固定金利の銀行の定期預金とかに比べると低めの金利設定になっていますが。
 財務省はこの人気に味を占めて,どさくさに紛れて「固定金利型」の国債を個人向けに売ろうとしているようです。変動型だと勘違いして買っちゃうお年寄りも出てくるでしょう。だって変動型はすぐに売り切れちゃうぐらい人気だから。銀行・証券会社の担当者はノルマ消化のために,「変動型」を買いに来るおじいちゃん達にうまいこと言って「固定型」を買わせるんでしょうね。で,それが社会問題化するまで続けられて,NHKのクローズアップ現代に採り上げられる頃には,逃げ口上もしっかりと準備が整っていることでしょう。そんな匂いがぷんぷんしますよ。

 逆から見れば,これほどまでに国債の消化が大変な事態が迫ってきたということです。そりゃそうです。相変わらず構造改革っていうデフレ推進政策しかとらない政府,一方で株高に踊り狂って高まる国債売り圧力,折り返し地点を過ぎちゃった少子高齢化問題,年金破綻,皆保健破綻,アメリカ国民の年金資金のために米国債を買ってあげる郵政民営化などなど。国債バブルはいつはじけてもおかしくないでしょうね。大きな地震が来たりテポドンが東京に命中したりってことになったら暴落は免れないだろうなあ。ま,国民の個人資産を強奪して国債と相殺しちゃえば海外に飛び火はしないから,財務省はいつでも預金封鎖などができるように準備は整えてあるでしょうけど。で,そんなことしたらお金持ちがざーっと海外に逃げちゃうので(インサイダー情報を持っている本当の金持ち達はすでに海外に資産を逃がしているでしょうけど),国体を守る人たちもいなくなって,信濃町の住民とか真っ赤な人たちとかが力を発揮するかもしれませんね。極論ですが。

 僕も借金さえ返済し終わったらハワイあたりに逃げますよ。ハワイで浄土宗の真髄を布教してきます(ウソ)。
 何があっても困らないように食料だけは自給自足できるように準備しておきたいですね。
posted by 時をかける僧侶 at 23:07| Comment(0) | TrackBack(2) | 投資一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年12月07日

ブログ移設完了!

 ライブドアブログから引っ越し完了!って言っても過去ログを引き継いだわけではなくブログサービスを乗り換えての新装開店。過去ログはしばらく,元のところに放置しようと思います(→リンク)。

 ブログの題名は知る人ぞしる水滸伝からの引用です。ま,そんなささいなことはどうでもいいか。このブログを運営する目的を書いておくと,

  • 無知ゆえに騙されることの多い大衆(自分も含む)の啓蒙
  • 本質的議論を避けようとする大手メディアの弾劾
  • 知識を欲する無知なる自分自身の勉強
  • 得た知識をかみ砕いてわかりやすく説明するための文章力・構成力の育成

 などが主なところです。

 世の中,新聞を開きテレビニューズを聞けば様々な報道がなされています。しかしその報道たるや,知識水準の高い人間たち(事の本質をズバッと見抜く能力がある人たち)が見ればお粗末なものです。当たり前ですね,大多数の一般大衆向けに作られた報道ですから。報道する側も詳しく説明したって理解できる人間が少なければ読者や視聴者が減るので,どうしても大多数のいわゆる「B層」に的を絞った情報量が少なく中身の薄い報道ばっかりになります。でも,そんなこと続けられたら民衆の民度の向上なんて望むべくも有りません。結果的に,力とカネのある人間はメディア支配(電波ジャック)をしてポジショントークを電波に乗せるだけで,効果的に民衆をコントロールできている現状が生まれているわけです。

 これで良いのか?ま,良いという人はここから先を読む必要もないし,このブログをのぞく必要もないでしょう。いつまでも大本営発表に踊り狂っていただいて,勧善懲悪の水戸のご老公や暴れん坊将軍を応援して,悪い越後屋を成敗してくれるのに拍手喝采していてください。
 ここから先は,民衆をコントロールするために越後屋を誰にする必要があるのかという本質を知りたい人だけが読んでくだされば結構です。具体例をあげましょうか?

  • 谷垣大臣に17年前の中国外遊時のスキャンダルがなぜ今になって出てこないといけないのか?
    (ヒント1:谷垣大臣は増税を主張している)
    (ヒント2:スキャンダルを報道したのは『週刊文春』)
    (ヒント3:文春といえば田中角栄を失脚させたアメリカCIAが支配するポチ保守メディア)
    (ヒント4:アメリカべったりの※※大臣は増税に大反対している)
  • 郵政民営化を急がなければいけなかった理由は何か?
    (ヒント1:年次改革要望書というアメリカからの内政干渉文書が堂々とアメリカ大使館のHPにアップされてある)
    (ヒント2:郵政民営化も医療改革も裁判員制度も買収を容易にする会社法改正もその要望書に書いてある)
    (ヒント3:アメリカはこれから自国の年金制度破綻を避けるために100兆円の資金が必要である)
    (ヒント4:イラク戦争がこんなに長引くとは思ってなかったので一刻も早く資金が欲しいと思っている国がある)
  • 耐震偽造マンション問題は民間の問題なのになぜ公的資金が入れられようとしているのか?
    (ヒント1:姉歯建築士は熱心な※※学会員)
    (ヒント2:公的資金注入に熱心な北側大臣は☆☆党)
    (ヒント3:公的資金が入ったら大きな政府に逆戻りという正論をどのメディアも出せない)
  • アメリカ産牛肉の問題点をいくつ言えますか?
    (ヒント1:輸入には危険部位の除去が前提だがアメリカにはそんな技術はない)
    (ヒント2:肉骨粉が原因の一つだとはっきりしているのに豚・鶏には食べさせている)
    (ヒント3:鶏の糞に糖蜜をかけたエサを食べさせて育てた牛のばら肉を通称吉野家カットと呼ぶ)
    (ヒント4:アメリカの狂牛病検査はあらかじめへたり牛(ダウナー牛)は除かれる)
    (ヒント5:アメリカの狂牛病検査は全体の0.5%だけのサンプル調査である)

 いずれの案件も越後屋が登場します。谷垣大臣は今一番ホットな越後屋。いずれやらなきゃいけない増税を前もって周知させようとしている良心的な谷垣大臣の存在を快く思わない人が黄門様になっている。何か大事が起こって「仕方なく」大増税というサプライズで責任を回避したい☆☆大臣が助さん,空前の株高景気に水を差す増税発言が気に入らない格さんもいます。

 郵政民営化のときの越後屋は,刺客を送られて選挙で苦しんだ反対派の皆さんや郵便局の職員。黄門様は由美かおるをあちこちに送って(笑)越後屋を成敗しました。財投改革に失敗した責任者である財務省という一番のワルは結局メディアで採り上げられることはありませんでした。

 耐震偽造マンションの越後屋は姉歯。木村とか小嶋,さらにそのバックにいる内河とか朝倉は自分たちが一番の当事者のくせに国に泣きついて,責任を姉歯一人に負わせておいて,資金を別に逃がせて自分たちに追求がきたときにはすぐに倒産してトンズラこける準備をしています。姉歯が信仰している宗教の団体幹部は自分たちの名前が出てくるのを恐れて国民の税金をぶち込むことで事件の収拾を図ろうとしています。

 アメリカ産牛肉の越後屋はプリオンの研究会など。アメリカ様を怒らせたくない黄門様はついに越後屋を成敗して,今月12日から輸入が再開されることになりました。

 ここで採り上げたのは,前のブログで展開していた政府批判のほんの一例。越後屋にされた人たちは黄門様の目論見通り世間のバッシングを受けて成敗されることになりますが,僕が強調したいのは,越後屋の何が黄門様の気に触れたのかという本質を明らかにしようということ。事実は小説よりも奇なり。実際に起こっていることは勧善懲悪のフィクションドラマとは違います。本質を知られたくない黄門様は越後屋をわざわざ作って成敗して人気を上げる手法に出ているということを知らなければなりません。黄門様が隠したいと思うほどの事柄がその事件の本質なのです。これを明らかにしたい。

 なぜか。「愛」のない黄門様を応援して結果的に騙されることほど腹立たしく情けないことはないからです。もちろん結果的に騙されて良かったという場面もあることでしょう。良い騙し方,騙され方には「愛」つまり他人へのおもいやりがあるので,ことさら騙す騙されるということにネガティブに反応する必要はないのですが,一方で「愛」がない,例えば自分の利益を誘導させるために他人を貶めるという行為のみ,僕はその本質を知りたいと願うのです。そして,このブログを読んでくださる関係者と,その議論を共有したいのです。

 理系,特に「数学」という本質論の真っ只中に位置する学問を専攻した僕の血がそれを望むということも言えるようです。騙されるのが嫌という低次元の思想ではなく,なぜ騙される(た)のか,どこに騙されるスキがある(た)のか,騙す側が避けようとする本質的なファクツは何か,こういうものを掘り下げていきたいのです。
 これは宗教者(まだ見習いの身ですが)である自分の欲求とも重なります。
 自然科学の基礎である「数学」と,科学を超越する「宗教」の共通点は,「本質を見抜く」という点に尽きます。大学で数学を勉強された方はお分かりになると思いますが,文章題だとかグラフ書いたりだとかの高校数学とは全く雰囲気が変わって,ある概念の原理的な定義を厳密に行い,その定義から導かれる様々な命題や定理・公式を駆使して自然界の法則(仮説)を証明せんとするのです。
 一方で,仏教を興した釈迦は三法印という自然世界の絶対法則である本質を悟るために様々な修行をされました。釈迦の悟りは深いもので文字にして伝播できるようなものではありません。弟子達が伝え聞いた「如是我聞(かくのごとくを我聞けり)」で始まるような経典から釈尊の悟り(自然界の本質)を探り,求道を実践することで私のような仏教徒は本質に迫ろうとするのです。

 長くなりました。
 本質というのは世の中の仕組みの根本であるとも言えるかもしれません。本質を見抜く目を養うこと(専門用語で言うとリテラシーと言います)。これは長い人生の中で成長していくためには必要なことです。本質を見抜けないのなら「勝ち組」の人たちにやりこめられるしかありません。ま,それも一つの生き方ですから僕はとやかく言いませんが。本質を見抜ける人だけが「勝ち組」として残っていけるのだろうと思っています。

 そしてエセ「勝ち組」の人たちを引きずり下ろすことも忘れてはいけません。「愛」なしに他人を騙す人間は罰せられないといけません。本来はその役割を担うのはメディアの仕事です。ですが彼らメディアが扱えない案件はかなりあって(学会,ヤクザ,官邸筋の圧力など)どうにもならない事態が放置されて忘れられていることが多いのです。これを補完するためにアメリカではブログの影響力がものすごく大きくなってきています。日本のブログも同じような影響力をもてる可能性があります。
 だからこそ僕はブログという形で自分の意見を残しておきたいのです。僕はこの時期にこのような主張をしていたという足跡を残しておきたいのです。

 そういうわけで,これまでのような頻繁な更新は難しいかもしれませんが,今まで以上に深い考察をしてみたいと思っています。よろしくお願いします。
posted by 時をかける僧侶 at 23:04| Comment(2) | TrackBack(0) | このブログについて | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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